第13話:セングラート帝国とこの世界の神の使い
睡眠勇者をお手に取って頂きありがとうございます!本作品は基本的に1日3話投稿で7:10、11:10、18:10になっております。それでは、睡眠勇者夢一郎もといはレイズの冒険を読んで頂ければ幸いです!
第13話:セングラート帝国とこの世界の神の使い
2人で駅まで向かう途中に何度も握手を求められたりもしたが無事に鉄道に乗れた。この世界の大陸横断鉄道と大陸間横断鉄道、そして広域巡回飛行船には勇者及び勇者仲間専用ラウンジがあり、僕達はライラと二人きりでお弁当とシュワショックまで出してもらった。
「ライラ、セングラード帝国に着くのはいつ頃になりそう?」
「そうだなぁ……明日の昼前には着くぞ」
あまりの長距離旅に驚く。
「え……?そんな遠いの?」
「まぁ、最北端の街から最南端街まで行くわけだし、このエルリード大陸は世界で二番目に大きい大陸だからなぁ」
自分がいかに地理の勉強を疎かにしていたか分かる。第2王子の記憶にもなく、第2王子は本当に剣技ばっかりしていたと思う。
その後は2人揃って景色を眺めていた。小規模なモンスターの群れや牛のような生き物の群れなどを見てライラに聞く。
「このモンスターとか動物の群れって列車は攻撃しないの?」
「あーそれも知れないのか。この列車には4基の対魔物特化型の聖銀弾のセミオートカノンと武装駅員が30名程度乗っていて、昔は襲撃は酷かったらしいが今では返り討ちにされるから襲わないらしい」
なるほど。魔物は組織的かつ知性的な行動が可能なのか、まるで軍隊だ。恐らく師団長級のような指揮官が存在するのはアルドア街以外にもいるのは間違いないだろう。となると参謀級モンスターもいる可能性も考慮せざるを得ない。
「ねぇ、ライラ。セングラード帝国の勇者って強いのですか?」
「強いぞ。めちゃくちゃ強い。魔装剣の勇者と呼ばれているくらいだからな」
魔装剣か……前に聞いた剣に魔法をまとわせるところから来ているのだろうか。
だとしたらぜひ仲間にしたい。
「ライラ、1つ聞いてもいい?」
「なんだ?」
「この列車ってお風呂とかあるの?」
「あるが有料だし、早い者順だぞ」
僕は鎧から3枚の金貨を渡す。
「ずっとここに居るのは退屈でしょ?お風呂に入ってもいいし、飲み物でも買ってきたら?」
「勇者様……ありがとう。昨日のデストーラ戦からお風呂入ってないから助かるよ。余った分はしっかり返す」
「うん、ゆっくりしていって」
ライラお嬢が出るのを確認すると向かいのライラの隣の席を見る。
「人払いは済みました。お姿を見せていただけますか?」
そう言うと黒いオーラと共に黒い鎧とコートを一体化させたような見た目の女性が現れる。顔も見えず正体を現す気はないようだ。剣は黒い向日葵が刻み込まれており、不気味な感じが漂う。
「私に気が付きましたか。てことはあなたは時乃川夢一郎君で間違いないですね」
何故その名前を!?現実の人間なのか!?
「え、えぇ。そうですけど……あなたも名乗っていただけませんか?」
「本名は教えられません。強いて言うならこの世の神の使いでしょうか。ですが私はあなたの味方です。この砂時計を渡します。これはあなたがこの世界で長期間戦う際に眠気を感じなくさせることが出来る代物です……ですが現実でも目は覚まさないので人によっては心配するでしょう。それをお忘れなく、あとあなたがこの世界で死んだら現実でも死ぬので覚えておいてください」
黒い鎧をまとった自称神の使いは黒いオーラと共に消え去る。
「この世界で死んだら現実も死ぬのか……」
というかこちらの質問も聞かないなんて神の使いの礼儀はどうなっているんだ……
砂時計を鎧の安全袋に入れて、再び景色を眺める知らないうちに夕刻が訪れており、黄泉との境い目が曖昧になる気がする。ウトウトしているとまたライラお嬢にイタズラされそうなので意識を保つため、白薔薇の剣を研ぐ。剣身は長く95cm程度だろうか、白か……聖属性に近いものを感じるな。物語とか帝国の勇者だと魔装剣とかいって剣に魔力を込めれるけどこれも出来るのだろうか。
僕は聖属性の魔力を少し剣に流す。と言っても不安定な流れのため特に期待はしていない。
すると柄が輝き出し、白薔薇が輝き、剣身も輝く。その刹那脳内に声が流れる。
『あなたはまだ我に相応しくない。もっと剣技を磨き、魔力の流れを覚えよ。さすれば我が剣は闇すら払おう』
と聞こえ終わると輝きは収まる。最初は幻聴だと思ったが、声は確かに心に届いた。
「何だった……今のは……」
その時扉が静かに開くとライラお嬢だった。
「勇者様、まだ起きてらっしゃったんですね」
「うん、ライラにイタズラされそうな気がしたからね」
「そういう感は鋭いな。それを武術にも活かせるといいんだが」
「もしかして僕って弱い?」
ライラは失笑しながら、現実を突きつける。
「私に勝てない時点で勇者の中ではワースト5位以内だろうな」
あれ?僕ってそんなに絶望的なの?魔王を倒す予定なのに……
「どうしたら僕は強くなれるかな……」
「この前の試合で私が感じたのは警戒過ぎるところだ。警戒し過ぎて剣の道が伝わってくる。まずは無警戒を演じながら即座に反応する能力を身につけることだな」
なるほど。いわゆる居合術に近い感じか。起きたら本を読むか。
「そういえばライラ、さっきこの剣に聖属性の魔力を流したら光ったんだけどライラもその黒薔薇の剣に魔力流してみたら?」
「私は聖属性は使えないからなぁ。火属性でやってみるか」
すると先ほど同じ順序で輝き始めるがすぐに魔力の流れを消す。そして間もなくしてライラは冷や汗をかき、息苦しそうにしている。
「どうしたのライラ?」
「な、なんでもない……ただこの剣は……危険だ。帝国でメインの剣を買うよ」
その間もライラは息を荒げており、僕はとりあえずゆっくり休んでと伝え、共に休眠をとる。
ご拝読ありがとうございます!黒井冥斗です!ご拝読お疲れ様です!1日3話というスケジューリングなので前書きも後書きもテンプレートなのをご容赦ください。
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