第12話:2本の薔薇と雪解けのアルドス
睡眠勇者をお手に取って頂きありがとうございます!本作品は基本的に1日3話投稿で7:10、11:10、18:10になっております。それでは、睡眠勇者夢一郎もといはレイズの冒険を読んで頂ければ幸いです!
第12話:2本の薔薇と雪解けのアルドス
僕は涙を堪えながら、2本の剣を持ち、ライラの部屋をノックする。
「開いているぞ」
「お邪魔します、ライラ」
ライラは銃の分解整備をしており、部屋は少し硝煙臭かった。
「どうした?そんなに畏まって?」
「隊長からの贈り物を渡そうと思って、今いい?」
「隊長から?ぜひ、受け取らせてくれ」
僕は2本の剣と手紙を渡す。
「隊長らしいな。勇者様、私は黒薔薇の剣を使います。勇者様は潔白を示す上でも必要となるだろう。なので白薔薇の剣をお使いください」
そのまま自室に戻ろうとしたが1つ前から気になっていたことを聞いてみる。
「ライラってあまり口調が安定しないよね」
「昔からだな。周りからは気にしなくていいと言われてはいたが自分では気になっている。そこで昔図書館の精神医学書を読んだら自分に自信が無い。そうだ。なんで自信が無いかは自分でもよく分からないけどね」
僕はなんとなくだが前にお嬢が話していたお父さんの賄賂疑惑を思い出してそこに自信が無いのでは?と言いたかったがその話は今すべきではないと思い、喉の奥に飲み込む。
そしてお休みのあいさつをして、自室の寝床に着く。
目が覚めるといつもの病院の天井と隣にお父さんがいた。
「お父さん、お仕事は?」
「今日は夢一郎のそばに居たくてな。なんか夢の世界で大冒険してるそうじゃないか。詳しく聞かせてくれ」
僕は第2王子の時からの記憶を話す。
「凄いな……夢一郎は勇者になれるかもしれないな。夢で大冒険してるって小柳先生から聞いてこういう本を買ってきたんだ」
タイトルには薬草学という本と世界の鍛治の歴史という本の2冊だ。
「ありがとうお父さん。一緒に読まない?」
「あぁ!お父さんも興味があるからな」
まずは薬草学の本を開き、特に裂傷に効く薬草と火傷に効く薬草を学ぶ。
「もしかしてさっき話した第1班副班長のために……?」
「うん、僕が戻った時に息があれば使いたいと思って」
「お父さんは夢一郎のその優しい姿が好きだぞ。これからも必要な本があれば言ってくれ」
僕はお父さんと久しぶりに話すが互いに遠慮がちだがそれでも色々と心配してくれるお父さんに気持ちを込めて一言。
「お父さん、本当にありがとう。また何かあればお願いするね」
すると強い眠気が訪れる。
「お父さん……ごめん……ちょっと眠気が……」
「あぁ、ゆっくり休め」
次に目が覚めると温かく柔らかい胸……温かく柔らかい胸!?瞬間的に犯人が分かった。
「ライラ!?」
「ん……もう朝か。どうしたそんな顔して」
「そりゃあ寝てる最中に女性に抱きしめられていたらビックリするよ!」
「言っただろ、勇者様は私の抱き枕でもあると……さぁ、ロビーに向かうぞ」
え?もう生き残ってるのは……
ライラに手を引かれロビーに下りると30名のパラグレス王国騎士団の中でも第3位部隊レイドルーガ騎士隊だった。
「勇者様、そして討伐隊の皆様!これからは我々が責任をもってこの街を守り抜きます!」
僕は半分混乱しながら、なんとか返事を取り繕ろう。
「騎士隊の皆様、我々が命を懸けて守りきったこの街をよろしくお願いします。そして亡くなった全討伐隊員に敬意を払ってください」
「「「はっ!!」」」
その後食堂で旧討伐隊の生き残り達である第5班は最精鋭として王国に呼ばれ、レイドルーガ騎士隊とライラと僕で体験談などを話し合いながら朝のエネルギー補給を済ませ、町外れの丘へとライラと向かう。
そこには百以上墓石があり、討伐隊は特に高い丘の墓に入れられており、2人で祈りと魔王討伐の誓いを捧げる。隊長の最期の自爆の後回収できたロザリオを隊長の墓石にお嬢が供える。そして墓標には『アルドア街の危機を救った街の勇者』と。
「では、勇者様。セングラード帝国へ向かいましょう。大陸横断鉄道は昨晩復旧したので向かえますよ」
「うん、楽しみだよ。行こうかライラ」
「えぇ」
アルドスの雪解けが始まった。これからはもうあんな化け物達に怯えずに、この街の人達は安らぐことができる。
ご拝読ありがとうございます!黒井冥斗です!ご拝読お疲れ様です!1日3話というスケジューリングなので前書きも後書きもテンプレートなのをご容赦ください。
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