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恩人?

作者: 綴 詠士
掲載日:2026/01/22

 買い物から帰ってきたら、自分の家が破壊されていた。


 「なんだって!? なんでこんなことになってるんだよ!」


 街中で青年、リードは驚いていた。


 美しい赤い屋根の木造の二階建て住宅は吹き飛び、通行人もぎょっとしている。

 

「……何が起きた?」

 

 普通はこんなことになるわけがないから、誰かが魔法を使ったのかもしれない。

 

「いやいや、俺は誰の恨みも買ってないぞ! 爆発テロリストでもいるのかこの街は、治安悪すぎだろ!」

 

 リードがそんなことを言っていると、女性がやってきて暢気に言う。

 

「あらリード、帰ってきたのね」

 

 リードの友人のミレアだ。青い長い髪、スタイルはよく、人目を惹く容姿をしている。

 

「ミレア!?」

 

「何驚いてるのよ」

 

「突然出てきたから驚いて。ほら見てくれミレア。俺の家を。なんでこんなことに!」


「あら残念ねえ。リードが何かやったんじゃないかしら?」


「俺が!? いやいや何もやってないぞ! というか誰がこんなことを」

 

「……そりゃ私がぶっ壊したからだけど」

 

「はあ!?」

 

 リードはあんぐりと口を開いた。

 

「イライラしたからぶっ壊しちゃった」

 

「いや、そんな軽く言うなよ! なんでそんなことを!」

 

「あんた昨晩酒場の女の子とキスしてたじゃない! 見てたからね!」

 

「え? キス? ……そうだっけ、昨日は酒を飲みすぎて覚えてない」

 

「男はみんなそう言うわよね。当然の天罰よ!」

 

「うそだろ? マジか。でもこの家をどうすればいいんだよ。家が無くなったんだぞ?」

 

「私の家に来なさい!」

 

「ミレアの!?」

 

「いちいち叫ばないで! うるさい! それにいいじゃない、リードの家がないんでしょう。じゃあ私の家に住みなさい。なんて私は素晴らしいの? 家を壊されたリードを自分の家に住まわせてあげるなんて」

 

「いや、壊したのはミレアじゃ……」

 

「ほら来る!」

 

「はい! すみません!」

 

 そんなわけで、リードはミレアの家に住むことになったのだった。

 

「……あれ、何で家を壊した人間に助けられてるんだ?」


「私は恩人でしょ? 何か言った?」


「何も!」






 

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