恩人?
買い物から帰ってきたら、自分の家が破壊されていた。
「なんだって!? なんでこんなことになってるんだよ!」
街中で青年、リードは驚いていた。
美しい赤い屋根の木造の二階建て住宅は吹き飛び、通行人もぎょっとしている。
「……何が起きた?」
普通はこんなことになるわけがないから、誰かが魔法を使ったのかもしれない。
「いやいや、俺は誰の恨みも買ってないぞ! 爆発テロリストでもいるのかこの街は、治安悪すぎだろ!」
リードがそんなことを言っていると、女性がやってきて暢気に言う。
「あらリード、帰ってきたのね」
リードの友人のミレアだ。青い長い髪、スタイルはよく、人目を惹く容姿をしている。
「ミレア!?」
「何驚いてるのよ」
「突然出てきたから驚いて。ほら見てくれミレア。俺の家を。なんでこんなことに!」
「あら残念ねえ。リードが何かやったんじゃないかしら?」
「俺が!? いやいや何もやってないぞ! というか誰がこんなことを」
「……そりゃ私がぶっ壊したからだけど」
「はあ!?」
リードはあんぐりと口を開いた。
「イライラしたからぶっ壊しちゃった」
「いや、そんな軽く言うなよ! なんでそんなことを!」
「あんた昨晩酒場の女の子とキスしてたじゃない! 見てたからね!」
「え? キス? ……そうだっけ、昨日は酒を飲みすぎて覚えてない」
「男はみんなそう言うわよね。当然の天罰よ!」
「うそだろ? マジか。でもこの家をどうすればいいんだよ。家が無くなったんだぞ?」
「私の家に来なさい!」
「ミレアの!?」
「いちいち叫ばないで! うるさい! それにいいじゃない、リードの家がないんでしょう。じゃあ私の家に住みなさい。なんて私は素晴らしいの? 家を壊されたリードを自分の家に住まわせてあげるなんて」
「いや、壊したのはミレアじゃ……」
「ほら来る!」
「はい! すみません!」
そんなわけで、リードはミレアの家に住むことになったのだった。
「……あれ、何で家を壊した人間に助けられてるんだ?」
「私は恩人でしょ? 何か言った?」
「何も!」
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