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勇者側で召喚されたはずの俺が魔王側にいるんですけど!?  作者: YoneR
第一章

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カラズ攻防戦(2)

〖レイ視点〗


 さて、僕が出陣すると言ったものの、どこに行こうか。


考えられるのは鉛のやつのところか、弓のやつのところ、あとは魔法使いと魔法勝負だ。


主力級以外のところでもいいけど、それだと兵士たちの仕事を奪ってしまう。


ただ、魔法使いは他の2人と違って盗賊団の中心から撃ってきてるから、近距離戦には持ち込めない。つまり、遠距離からの魔法勝負になる。


さすがに、敵陣のど真ん中に突っ込むようなバカじゃない。


 僕は正直近距離のほうが得意だから、鉛か弓の乱戦場に行きたいんだけど、そっちは部隊長たちが行ってるからなー。


「よし、こうしよう!」


城壁の上へ向かって駆け上がりながら、上空に魔法を生成する。


僕の属性は水だ。


巨大な水の球体が出来上がる。


それと同時に僕も城壁に上がった。


「レイ様だ!」

「レイ様が来てくれたぞ!」

「水の狂戦士だ!」

「狂戦士が来てくれた!」

「「うおおおぉぉ!!」」


周りの守備兵たちから歓声が上がる。


 うん、軍の人たちじゃないから喜んでくれるのはいいんだけど、その二つ名はやめてほしいな。特に『狂戦士』だけだとただのやばい人だから。


『水の狂戦士』が僕の二つ名だ。


水魔法なのに最前線で殺しまくってるからそんな二つ名がついてしまった。


 今更だけど、もっとこう、なんかきれいな感じの二つ名がよかったなぁ。せめて狂戦士じゃなくて戦乙女とか、ね。


そんなことを考えながらいつもの水の防具と爪を装着していく。

水鎧(すいがい)水爪(みずつめ)。シンプルな名前だ。


水鎧といっても、重騎士が着るようなものではなくて、最低限の防具だ。

重装備でも素材は水なので別に重くはないのだけど、やっぱり動きにくいのは嫌だからこうしている。


水爪は両手に大きな爪を指に沿わせて装着する。


「みんな道あけてー。」

「おい!お前ら道あけろ!狂戦士が通るぞ!」

「お前らはなれろぉ!」

「巻き込まれるぞぉ!」


その声を聞いて、おびえたように守備兵たちが最前線の石人達のところまで道を開ける。


 いや、だから本当にそれだとやばい人になるって。ちゃんと敵と味方の区別はできるからね。


と、少し呆れながらも、足元に力をグッとこめる。



地面がへこんだ。



飛び出す。



一瞬で石人の上を越えて城壁から飛び出し、浮遊している盗賊の前に移動した。


体の勢いを止めつつも、爪の勢いはそのままに


「なんだこい――」


盗賊の胸元を貫く。



自然と笑みが浮かぶ。



貫いた爪を抜き、盗賊が下へ落下した。



「ガキが来やがったぞ!」

「一人やられた!」

「殺せぇ!浮遊持ちだ!」


 はいはい、見た目は子供ですよっ。


襲い掛かってきた剣を足で蹴り返し、2人目を爪を伸ばして貫く。

この水爪は伸縮自由だ。


その勢いのまま、3人目を斬る。


すると、下の方から魔力を感じた。


 おっ。


城壁まで戻る。


 さすがに気づくか。あんなでっかい水を浮かべてたら。


敵陣から雷の槍のようなものが盗賊の間をすり抜けてこちらに向かってくる。明らかに僕を狙ったものだ。


水は雷属性に弱い。


 だけど、それじゃあ読みが甘い。


上空の水の球を雷の槍にぶつけ、貫通されないように内部で水を高速回転させる。


すると、雷の槍が分解されて、帯電した水の球ができる。


「お返し。」


帯電した水の槍を数千本作り出す。


敵陣に向かって放つ。


ついでに僕をガキ呼ばわりした男も貫く。


敵陣では、魔法使いと霧のやつ(たしか副頭)が大きな壁を作り出し、破壊男がいくらかの水槍を破壊した。


 全部防がれた、か。まあいいや。想定内だし。それに、あれだけの防御魔法だったらかなり魔力を使うはず。繰り返したらいつか魔力切れになるでしょ。


防御魔法は魔力の密度が高いため多くの魔力を消費する。


それに対して、こちらは単なる攻撃魔法。


消耗は明らかに向こうのほうが大きい。


 なにせ生きてる年数が違うからね。そもそもの魔力量も違う。


この世界の人々は別に生きてる年数によって魔力量は変化しないけど、僕は家臣だから長く生きているほど魔力量は多い。


あと、水魔法は消費魔力量が少ない。


もう一度、巨大な水の球を上空に浮かべた。


僕は水翼を背中から生やし、近くの盗賊を手あたり次第殺していく。


浮遊はできるけど、翼があった方が勢いがつく。あと、単純に気に入っている。


「ガキがなめr――」


ザシュッ


「ぉわっ――」


ドン!


「くそが――」


グサッ


爪で薙ぎ払い、体を貫き、足で蹴って下に叩き落としたり、貫いたりする。



 ははっ。



だんだんと調子が出て来る。


「ころs―」


刀をはじき返して腕を掴みよせ、体を貫く。


薙ぎ払い、斬って斬って斬りまくる。


すると、敵陣から今度は風の矢が数十本、様々な軌道で飛んで来た。


いや、それだけじゃない。

何かの金属らしき槍も後からすごい勢いで来た。


どちらもさっきのを反省した上での魔法だ。


僕は同じように巨大な水の球をそれにぶつける。


だけど、今回は魔法の向きを真下に変えただけだ。


 これは分解する意味ないからね。そのまま敵にぶつけよう。


その思惑通り、勢いはそのままではないけど、何人かの敵にぶつかった。


腕を敵陣のほうへ伸ばす。


「乱射。」


水の球から無数の小さな水弾が発射される。


これもまた同じように防がれる。



僕の作戦通りだ。


まず、最前線で暴れる。


次に、魔法使いの魔法を巨大水球で防ぐ。できれば敵に向けて受け流す。


そして、敵陣に向かって攻撃。


たぶん防がれるだろうけど、それで相手の魔力を消耗させる。


これを繰り返す。



これだと僕は最前線で戦えるし、魔法使いを消耗させられる。


あと、向こうは時間稼ぎがしたいっぽいから、全力で来ないと雑兵を殺し切っちゃうよ、という挑発にもなるのだ。


巨大水球ですべて防げるのかと言われると、絶対にそうとは言えないが、盗賊に当てないようにしないといけないためそこまで大きな魔法が来ることはない。



 さて、浮遊持ちがだいぶ潜みだしたね。


城壁に上がるために浮遊できる盗賊は鉛のやつが作ったであろう梯子を上らず飛んでいたのだけど、それがいつの間にかいなくなっていた。


ちなみに、城壁を飛び越えることのできる者が何人もいるのにそうしないということから、金銭を奪うことではなくこの街を落とすことが目的だとわかった。


 まあ、完全に浮遊持ちを狙って攻撃してたし。けどそれなら・・・


「水大斧。」


大きな斧を作り出す。


「やあっ!」


ドオオン!


梯子を上っていた盗賊ごと、梯子を真っ二つにした。



「どうしたの!もっと全力で来ないと!」



水大斧をしまって、降りたところにいた盗賊たちをどんどん斬り刻んでいく。


 はははっ。やっぱ前線が楽しいよね!



「レイ様!前に出過ぎです!せめて城壁の上にしてください!」

聞きなれた声が上から聞こえた。スイナだ。


「やあ、スイナ。思ってたより早かったね。」

言われた通り城壁へ上昇する。


「背を向けたぞ!!」

「いまだぁ!」

「化け物を殺せ!」


背後からたくさんの魔法を感じた。


しかし、僕は振り向くことなくスイナのほうへ向かう。



メキメキ・・・ドーン!


「「「なぁっ!!!」」」

盗賊たちの驚く声が聞こえた。


「ふぅ。」

「スイナありがと。」


スイナのもとについてから後ろを振り返ると、巨大な木の根が地面から生えて魔法を防いでいた。


スイナの樹魔法だ。


「言われた通り来ましたけど。」

「うん。じゃあ、僕と同じように敵を挑発していって。」

「雑兵を殺していけばよいのですね?」

「そっ。やっぱスイナは理解が速いね。」

「分かりました。場所がかぶってもあれなので、私は右側に行きます。」


そう言ってスイナが敵に向かっていく。


 敵はどう出るかな?このままだと兵力の差がさらに開くことになるけど・・・。




再び敵へと駆けだそうとしたとき、ふいに影が差した。





空には無数の矢があった。





普通の矢なんて、戦っている最中でも適当にあしらっておけば、かすることはあっても大した傷にはならない。








だけど、()()()()()()()








僕の全身がそう告げている。



「全員防御た――」

そう叫び出したが、


 間に合わない。


全員がちゃんと上を防御するには全く時間が足りない。


上空の水の球を城壁をすべて覆う屋根へと変えた。











誰か気づいていた者がいただろうか。









「サクリファイス」



僕の()()()()から女の声が聞こえた。




僕の水の屋根がまるで最初から何もなかったかのように()()()




僕は突然現れた女から離れるため全力で前のほうへ飛び、矢が絶対に当たらないよう振り払う。




その後、城壁で立っているものは半数以下に減っていた。


それも、敵はほとんど無傷で、だ。


これで今年(2025年)最後の投稿になります。8月から約5か月間ありがとうございました。これも皆様のおかげです。


今回まで5エピソード連続で主人公以外の視点で、あまり主人公以外の視点が続くのも面白くないのは分かってるのですが、あと数エピソードはそうなってしまいそうです。


新年最初の投稿は・・・いつになるかわかりませんが(笑)、来年もどうかよろしくお願いします。


もしよろしければ、下の☆を押して評価やブックマーク、あと感想も「これどういうこと?」とか「ここおかしいんじゃない?」といったものでも全然かまわないので気楽によろしくお願いします。


それでは皆さんよいお年を

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