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第十五話 友だちと連絡先

有織はべりです。

拙文ですが、お読みいただき、楽しんでいただけると嬉しいです。

 友だちとはどんな存在かと聞かれたら、はっきりと答えるのはなかなか難しいのではないかと思う。


 一口に友だちと言っても色々ある。付き合いの長さや深さなんかもあるだろうし、どんな関係性が構築されていたら友だちだと思うかなんて、それこそ人によってまったく違うだろう。


 ただ、一緒にいて楽しくない相手は、友だちだと言いにくいということは間違いない。


 逆に言えば、一緒にいて楽しかったら友だちと言えるのかと言われれば、そうだと断言しきれないのも難しいところである。


 まあ少なくとも、こんな風に、休みの日に相手の家に遊びに行くくらい親しかったら普通に友だちだろう。


「それで生徒会に入って二週間くらい経つけど、どんな感じだ?」


 クラスメイトの意外な一面を目撃したどころか、めちゃくちゃ巻き込まれた次の日。


 土曜で学校も休みなので、昼から竜也の部屋に集まって、昔からある国民的レースゲームに興じていると、唐突にそんなことを聞かれた。


「うーん……まあ、その、ほどほどにいい感じ?」

「何だそのふわっとした感想」


 だって仕事らしい仕事は天崎が優秀すぎるの一言につきるし、仕事がない時はだいたい遊んでるし。


 ましてや、昨日の出来事を山本さんの許可もなく話せるわけもないし……。


「まあ、なんだかんだ楽しくやってるよ」


 たまに、つっこみに疲れることがあったり、腹立つこともあるが、天崎と一緒にいて楽しいと思ってるのは間違いない。


「そりゃよかった。それにしても、まさかあの天崎さんが、空太の幼馴染とか全然、知らなかったぞ」

「あー……幼馴染……幼馴染ねー……まあ、多分、そうかも? しれないこともないかもしれない?」

「何だその謎の疑問系は。俺は一度も会ったことなかったけど、小さい頃、よく一緒に遊んでたんだろ?」

「いやぁ……天崎が言うにはそうらしいんだけどさ。実はまったく覚えてないんだよ」

「お前……薄情なやつだな」

「ち、小さい頃の話を覚えてないことなんて普通にあるだろ!」

「まあな。けど、細かいエピソードを忘れることはあっても、よく一緒に遊んでた相手を忘れるのはないだろ……いや、空太ならあり得るか」

「その納得の仕方は失礼すぎるだろ! 天崎以外のことはちゃんと覚えてるわい! ほら、竜也の従姉妹の、ゆーちゃんとか!」


 よくこの部屋で三人で遊んだもんだ。そうそう、俺と竜也がゲームしてるのを、楽しそうに横で見てたっけ。


 一緒にやろうって誘ったけど、見てる方が好きって言ってたのを、子ども心に、不思議な子だな〜なんて思ったのを思い出した。


 懐かしいな……俺の左隣が彼女の定位置だったっけ。謎のこだわりがあったのか、竜也がそこに座ってたらよく強引に竜也のこと押し除けてたな。


 昔を思い出して、ほっこりした気持ちになる。


「今頃何してんのかな〜? 元気にしてたらいいけど」

「いや、まあ……あいつなら元気にしてるぞ?」

「ならよかった。ていうか竜也、あの子の連絡先知ってたんだな。そりゃ従姉妹だし当たり前か」

「まあな。つーかお前、あいつのこと覚えてたんだな」

「そりゃ、悲しいかな昔も今もあんなになついてくれた女の子は、あの子くらいだったからな! もしあの子が引っ越してなかったら、今頃、もっと仲良くなって恋人になってたりしてな! がはは〜!」

「……………」

「……おい早くつっこめよ。妄想するならタダだよなとか、現実を見ろとか、とにかく何でもいいからつっこんでくださいお願いします! ボケをスルーされることほど辛いことはないんだぞ!」

「……何つーか、やっぱり空太は空太だなって思ったわ」

「ん? それはどういう意味だ? もしかしなくても悪口か、悪口なのか? よし、全力で甲羅ぶつけまくってやるから覚悟しとけ?」

「悪口とかじゃないから落ち着け。あー……そうだ、もし、あいつと連絡取りたいなら、連絡先、教えるぞ?」

「うーん……それはいいかな。多分、向こうは俺のことなんか忘れてるだろうし、急にそんな相手から連絡が来たら困るだろ。元気にやってるなら、それでいいわ」

「空太……お前、そういうとこだぞ? そうやって女子と関われる機会を自分から逃すから、ずっと彼女ができないんだ。やっぱり、空太は空太だな……」

「よーし、これは間違いなく悪口だなゲーム変えろ。大乱闘だこの野郎、画面外までぶっとばしてやるからな」


 そんなこんなで、その日は一日中、竜也の部屋で昔話をしたりゲームしたりと休みを満喫したのであった。


 大乱闘では竜也に負け越した。こいつゲームも上手いんだよなぁ……。


 帰り際、竜也がもう一度、ゆーちゃんの連絡先を教えるか聞いてきたが、丁重にお断りした。


 だって、連絡して忘れられてたらめちゃくちゃ気まずいし、もし覚えてたとしても何を話していいかわからないし。


 そんなことを竜也に伝えたら、呆れたような顔をされた上、露骨に面倒くさそうなため息をつかれた。いつもすまんな。


最後までお読みいただき、ありがとうございます。

よろしければ、ご感想や評価などをいただけると嬉しいです。

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