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陰の呟き  作者: 鈴 初夏ノ影
3/15

糸電話/完全なる不完全

糸電話

      鈴 初夏ノ影

一直線の紅い糸 二つの受話器をコネクトする

ピンと張られたその糸は 細く細くいつ切れる


静電気の起こるよう 低湿度で寒々しい

緊張する受話器の間 紅き糸はいつ爆ぜる


少し凹だ歪な受話器 瞳を閉じて口に宛がい

もしもしと呼びかける もしもし、もしもし


『お掛けになった電話は 電波の届かない場所にあります』

紅い糸は弛まされていた



完全なる不完全

      鈴 初夏ノ影

生死の狭間 枯れ掛けの薔薇(はな)

(いばら)が喉に絡みついている 


突き抜ける 傷に塗れる白い肌

砕ける硝子片 一身に受け止めた


歪に口に弧を描かせる 真白の歯

瞳から花弁が零れ落ちる


「サヨナラ」を空振らせた最期

今回、「糸電話」は微妙な友好について、つまりはいつも通りですが、二つ目の「完全なる不完全」はただの私の美意識というか、性癖というか、そんなものです。気が向いたら、「完全なる不完全」の絵を描きたいです。

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