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男子校のギャル!

 

 今日も早めに学校に到着。昨日ほど順調に登校出来たわけでは無いが、8時前の登校となった。今日も那月は来ているのだろうか。教室の扉を開ける前に心の準備を万全にしておく。

 具体的には昨日見た那月の男性器を出来る限り鮮明に思い出す。


「大きさは小ぶり、少し皮が被っている、やや右曲がり。」


 よく右曲がりは天下取りだなんて言うが、一体どのように統計を取ったのだろうか。どっちに曲がっているかわざわざ記録していた人がいるのか?相当な物好き、いや、モノ好きだな。


 よし、心の準備はできた。行くぞ!

 ただ教室に入るだけなのに戦に向かうような心持ちだ。ちなみに俺は左曲がりなので天下は取れそうにない。


 意を決して扉を空けると案の定那月がいた。


「お、おはよう灯夜」


 にこやかな表情とは裏腹に股関をガードしつつ俺と距離を取る那月。


「.....なんでそんなに距離を取るんだ」


「だって灯夜ってば隙あらばオレの股関をまさぐろうとするじゃないか!」


「その言い方はやめてくれ!?」


 とはいえ事あるごとに那月の股間を揉みしだいてるのはまごうことなき事実なんだよなあ。いや俺もね、別に揉みたくて揉んでる訳じゃあ無いんだよ?仕方なかったんだ。そういう運命だったんだよ。


「申し訳ありませんでした!今後は一切、那月様の股関を揉みしだいたり致しませんのでご容赦ください!」


「ほんとだな?もう次は無いんだからな!」


 正直なところを言えば、最近の俺にとっては男性器が心の拠り所となってしまっていた。なんだよ男性器が拠り所って。元はといえば那月が男である証明の為の行為であったが、いつしかその行為自体に安心感を求めるようになっていたのかもしれない。辛い時や不安な時にあの感触を思い出すと自然と勇気が湧いてくる、お守りのような存在なのだ。それが無くなるということに果たして俺は耐えられるだろうか。もう俺は男性器無しでは生きていけない体になってしまったんじゃないかと思うことさえある。


「自分のを揉めばいいだろ」


「それはなんか違うんだよなあ」


「とにかく駄目なものは駄目だからね!」


 確かにいつまでも男性器の世話になっている訳にはいかないしな。ここらでペニス断ちしなくては!.....ペニス断ちってゾッとする言葉だな。


 とりあえず那月の警戒心も解けたようで隣の席に座ってくれた。

 今日は心の準備もあったおかげか昨日ほど狼狽することもなく表面上の平静は保てている。男の娘で徐々に慣らす作戦は効果アリかもしれない。

 そんなことを考えていた矢先


「おっはー!ちなつ~会いたかったよ~!!」


 そいつは現れた


「わわっ、たいちゃん!いきなり抱きつかないでっていつも言ってるでしょ!」


 どうやら那月の友達のようだ。この人が那月が話していたうちのクラスの男の娘その1なのだろう。化粧をばっちり決めており長い睫毛とウェーブのかかりまくったポニーテールが特徴的、制服は当然のように女子の制服(男子校なのに)でスカート丈は短くブラウスは着崩している。ついでにネイルもバッチリだ。つまるところギャルである。


「だってえ、ちなつと会えなくて淋しかった的な?」


「そのわりには昨日おとといと欠席してたじゃないか」


「なんか、メイクが乗んなかったんだもん」


 那月はどうやらちなつと呼ばれているらしい。ギャルの方はたいちゃんと呼ばれているようだ。端から見たら女の子同士がキャッキャしてるようにしか見えなかった。


「ところでそっちの彼はダレ?まさか那月のカレシ!?」


「そんな訳無いだろっ!オレはただの男だってば!」


「あっ、わかったわ!アンタもしかして噂の転校生でしょ?」


 ギャルがこっちに話しかけて来た。よし、初めが肝心だ。ギャルだけどこれから一緒にやっていくクラスメイトな訳だし仲良くしないとな


「あ.....う.....」


 無理だった。


 ギャル怖いいいいいいいいいい

 だってギャルだもん!メイクにつけまにネイルにミニスカートに女子っぽさ満載だもん!ギャルの語源ってガールのアメリカ英語による俗語から来てるんだって。つまりもうガールだもん!恐怖対象でしかないわ!


「もしもーし、聞いてる~?」


 ギャルが訝しげに俺の顔を覗きこんでくる!怖い怖い怖い怖い怖い!


「おーい、無視とかあり得なくなーい?」


 無視してる訳じゃ無いんです!ただ体が反応出来ないんです!俺の身体は石になってしまったかのように固まっている。もう身動きもとれないし声も発せない。もう駄目だ、ここで俺の学園生活は終わりなんだ.....

  その時、何かが俺の腕を掴んで引っ張っていった。俺の手は導かれるままに隣の席へと向かっていく。そしてたどり着いたその場所、こ、この感触は!!


(まったくもう.....今回だけだからな!)


 ありがとうございます神様仏様那月様!不思議だ、何故那月のペニスを揉むとこんなに心が穏やかになるのだろうか。恐怖も自然と和らいでいく


「あ、ああごめん、無視していた訳じゃなくて、えっと」


 ようやく口が動いてくれた。


「灯夜は女の子にあんまり慣れてなくて緊張しちゃったんだよ。ね、灯夜?」


「そ、そうなんだ。ほとんど男としか会ったこと無かったから緊張しちゃって」


「マジ!?ってことはミサキ、ちゃんと女子っぽく見えてる?」


「えっ、うん、凄く女子って感じするけど」


 俺の恐怖レーダーもビンビンだったしな!


「.....良かった、ちゃんとギャルできてんだな.....イェーイ!アゲぽよー!アゲみざわ~!」


「ねえねえ、ミサキのことカワイイと思う?」


「か、可愛いと思います」


「ギャー!カワイイんだ!ミサキカワイイって!!」


 よく分からないが凄く喜んでくれたみたいだ。


「あー、改めまして転校生の篠塚 灯夜です。君の名前は?」


「あー、ミサキはミサキって言うの、気軽に呼び捨てしてくれていいわ」


「ミサキ?那月が呼んでたたいちゃんって言うのは?それに名字も教えて欲しいんだけど」


「えー、ミサキはミサキだしー」


「たいちゃんは本当は深崎 太志(ふかざき たいし)っていうんだ。だからたいちゃん」


「もう!なんでバラしちゃうのっ!」


「ミサキって言うのは?」


「フカザキだとカワイくないから、『深』を『ミ』って読んでミサキなの、だからミサキって呼んで欲しいなー?」


「いやあ、実は俺の母親の名前がミサキでして。できれば他の呼び方がいいかなー」


「えぇー、アンタもなの?」

 アンタも?


「オレの姉ちゃんの名前もミサキでさ、だからオレはたいちゃんって呼んでるんだ」


「ホントはミサキが良かったけどー、たいちゃんならまあカワイイからオッケー的な?」


「じゃあオレもたいちゃんって呼ぶってことで」


「そのアダ名はちなつだけの特別だからアンタは使っちゃダメ」


「えー、じゃあ深崎さんで」


「それは可愛くないからもっとダメ!」


「じゃあ太志で」


「うーん、まあ深崎よりはマシかなー」


 俺には基準がよく分からない


「とりあえず他に良いのが決まるまでは太志でもいいことにしてあげるわ」


 はあそれはそれはありがたいこって


「それじゃあ次はアンタのアダ名ね!」


「え、俺は別に名字でいいんだけど」


「たいちゃんは人にアダ名を付けるのが好きなんだよ。オレもちなつって呼ばれてるし」


「名字と名前の頭文字を取ってちなつ!すっごく可愛くてピッタリなあだ名じゃない?」


「オレは可愛くなくていいんだってば!」


「しのづか.....しのっぴ、しのりん、しのづかん..... 」


「え、アダ名のセンス無くない?」


「とうや、トーヤ、灯夜.....あっ!決まったわ!アンタのアダ名は『ともよちゃん』ね!」


「待て待て待て!どうしてそうなった!」


「『灯』が『ともす』で『夜』が『よ』だからともよちゃん、我ながらこれ最高だわ」


 ギャルの癖に少し捻ったアダ名を付けやがって、それにただでさえ男の娘がいっぱいで紛らわしいのに俺まで女の子みたいな名前になったらもう訳分かんなくなるぞ!


「ところでともよちゃん、実際ちなつとはどういう関係なワケ?」


 ともよで確定なのか.....


「どういうも何もただの友達だけど」


 ペニスを揉ませてもらうくらいには仲良しだ。ちなみにこの会話中もずっと揉んでる


「そうそう!ただの友達だよ、ト モ ダ チ !」


 那月が答えている時にニコニコしていたのは何故なのだろう


「マジ?じゃあウチが狙っちゃってもいい系ってこと?」


 等と言いながら太志はおもむろに屈んで制服の隙間から胸元を見せつけてきた!


「なんちゃって!ざんね~んブラ着けてましたー!」


 ブラならセーフとかそういう問題じゃねえ!!!!違う、これは男の胸だ!!その筈だ!おっぱいなんてあるわけ無い!分かってる、分かっちゃいるけど怖いんだ!やばいやばいこのままではまた気絶してしまう.....はっ、こんな時こそお守りの力だ!俺は思わずお守りを強く握りしめた!


「ほぎゃああああああああああああ!!!!」


 すまん那月いいいいいいいいいいいいいいいいいいい


「えっ、ちなつ急にどうしたん!?」


「な、なんでも.....ない.....よ」


 すまない.....すまない那月、危うくお前をホントに女の子にしてしまう所だった。


「じゃあともよちゃんこれからよろシクー」


「あ、ああよろしく」


 太志は自分の席に戻っていった。太志の席は教室のど真ん中の一番前らしい、あの髪や化粧で先生に怒られないのだろうか


「元が男子だからね、化粧しないと女の子になれない子達については先生も何も言わないよ。」


 ただ、たいちゃんは盛りすぎててグレーゾーンな感じだけどね。と付け加える那月


「それはそうと灯夜、後でお前の玉握りつぶさせてもらうからな?」


「すいませんでしたぁ!!!!」





























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