校庭で座る
どうでしょうか?今頃は、運動会の時期でしょうか?
日々、暑い外で練習はしているもの。体育教師だって、校庭に座れと言いたくないが、もうそこで良いだろうと座ってもらって、ダンスの振り付け指導。組体操の練習。年々暑くなっていき、過酷になっていく。
教師が生徒をやってた時も暑かったが、教師が教師として生徒に教えるのはもっと暑く感じる。
パンパン
体操着なんて、きっと学校を終われば着ないだろう?制服はホラ、あれ。そーいうイメクラみたいなのあるからさ。校庭の砂がついても良い服装だってのを伝えている。それでも教室に戻るために、座ったお尻についた砂を払って立ち上がるわけだ。
そんな光景。何気ないこと。女子も男子もやるものだと思う。それをふと思い起こし、1人の男子生徒、相場竜彦は校庭から教室に帰るまでの事に、閃いた事を悪友に話した。
「舟。俺、今。天才的な方法で”女子の尻をパンパンする”方法考えた」
「天才的という言い回しが、すでに馬鹿丸出しじゃねぇか」
舟も舟で、今。相場が閃いた事が分かった。だからというか、相場は舟に投げかける。
「そのまま校舎に入るつもりか?」
「あ?だって、着替えるじゃねぇーか。これ入れる袋あるし」
「いや、そりゃそうだけど……もう少し綺麗に扱うとかよ」
「手で叩いたら手が汚れるだろ。大した時のトイレットペーパーじゃあねぇんだぜ」
「その表現は止めろや」
運動靴を履き替え、上履きへ。
「女子だってたまによ、お尻が砂で汚れてるとか、近くの子に確認してもらうだろ?」
「男子にはしねぇと思うな」
「いきなり夢ぶっ壊すなよ。よーするに!校庭に座った体操着の女子を見かけたら、お尻が砂で汚れてるから、パンパンっと触ってあげるという作戦だ」
「どこにも天才要素ねぇな。それただの悪戯じゃねぇか。ガキ過ぎるし」
学校の入り口近くには保健室があった。それを見た舟は、イヤらしそうな表情で
「俺だったら、”女子の尻にパンパンする”方法を考えてくれた方が良かったわ」
「?どーいうこった?」
「あ、悪ぃ。気にするな。痴漢みたいな生温いのが好きじゃなかっただけだ」
「?」
階段を昇って更衣室。っていうか、男子は基本自分の教室で着替えるだけか。階段を昇っているとき。
後ろから悪友かつ悍ましい悪寒をさせる手が、2人の尻に襲い掛かる。
サワサワ
「うおぉっ!?」
「おわぁっ!四葉!なにすんだよー」
「いやー、面白い話が聞こえたから。お尻汚れてるから、サワサワしてやったぞ~」
「気持ち悪いぞ!このホモ野郎!ちょっと離れろ!」
「話の続きだが、やはりパンパンという表現は良くないな。舟のように如何わしい行為を連想させてしまう。男同士でもアリだけど」
「止めろ!本気で!!」
四葉聖雅。クラスのイケメンで女子にもモテるけど、ちょっとアッチ系な人物。
今、女子達に相場達が変な話をしていると相談を受け、自分の興味も含めて注意を促してきた。
「女子達だって、急にお尻を触られたらそーいう反応をするものだよ?話だけにしなよ」
「お前のは悪寒しかしねぇよ!」
「むっ……しかし、四葉。俺はパンパンって言った。お前のやり方はなんかサワサワって感じで、お前のやり方はちょっと変だったぞ」
「そのツッコミはおかしいぞ、相場!!」
階段を昇って教室までの廊下。
「パンパンすると、布団叩きの要領で砂を払えているが、痛みがある。俺はサワサワって感じでお尻の砂を払う派だ。優しくね」
「それだと変態じゃねぇか」
「お前等、変態だろ?俺もだが……」
「パンパンって高速かつ軽く叩くことで悪戯的な回避、逃げもできて、女子とスキンシップをとれる!そーいう意味で俺は閃いたんだぞ」
「しかし、お尻はサワサワとゆっくり、堪能した方が良いと思う。そんな悪戯は時に誤解を生むぞ」
いや、どっちもダメだろ。
そして、教室の前につく三人は話しながら、扉を開けて入る。
「それにどーやって、サワサワと女子の尻を触るんだ?さっきみたいに、階段でやるのはムズイぞ」
「確かに気軽にお尻に触れるなら、パンパンかもしれないか。しかし、女子が外で体育するのって運動会の前ぐらいじゃないか?」
「いや、尻にスキンシップする擬音や方法なんて、存在しないだろ」
正面を見なかった事をやや後悔する3人。
「”ゲシゲシ”とかは簡単じゃない?」
「え?」
男子達はまだ来ないと思い、女子達の多くは教室で早着替えをしていた……。
ゲシゲシ
3人共、仲良くお尻を蹴られてご退出。
前方確認は怠らずにね。