第31話 遊園地デート side 颯太
観覧車から降りた後も陽菜と手を繋いでいた。
時間が欲しいと言った陽菜に『返事をくれるまで待つ』って答えた俺だけけど、陽菜のことを諦めたり気持ちを隠したりするつもりもなかった。
陽菜と話すという目的を果たすことはできたけど、すぐに翔たちと合流するのも勿体無い気がする。
やっぱり二人で過ごしたい。
折角ここまで来てグループ行動だけってのもな・・・中学生みたいじゃん?!って感じだし。
「翔たちと合流するの後からにして、少し二人で遊ばない?」
ここまできたら、どんどん陽菜に俺を意識してもらわないとな。
二人の雰囲気が気まずくならないように笑顔を意識して軽い感じで陽菜に提案してみると、少しだけ目を瞬かせた後コクンと頷いてくれた。
何、この可愛い生き物!まじで、可愛いすぎです。
ホントこのままギュって抱き締めたい!
抱きしめた時のあの柔らかさや香水じゃない甘い香りを思い出す。
本当に陽菜のことが好きだ。
そう思ったら自然と陽菜の頭を撫で、頬に触れていた。
顔を赤くしながら見上げてくる陽菜に理性を試されてるような気がする。
このままだったら、思わず嫌われてしまうようなことをしてしまいそうで、触れ
ていた手を離した。
何事もなかったみたいに歩き出して、陽菜と二人で近くのアトラクションに乗る
ことにした。
陽菜も特に気にしている感じじゃなくて楽しそうに笑ってくれるし、手を繋ぐのも嫌がっているようには見えなかった。
切実にこれが二人にとって当たり前になりたいと思った。
二人でいるとマジで時間がたつのが早くて、気が付くともう昼前だった。
さすがにそろそろ連絡しないと結衣の怒りがマックスになりそうで、翔に連絡する。
『お前今どこいるんだよ?結衣が怒ってるぞ。いきなり颯太が陽菜を拉致ったって』
呆れた声の翔に苦笑して、曖昧に答えながら手を繋いで歩いている陽菜を見下ろすと、不安そうに見上げてくる陽菜と目が合う。
安心させようと笑顔で頷くとホッとしたような表情をみせる。
「翔たちは今どこにいる?」
『俺らは丁度ジェットコースター乗り終わって次のアトラクションに移動中』
「俺らも翔たちと合流しようと思うんだけど、何処行けばいい?」
翔に現在地を説明するとお互いの中間地点にある最高速度が日本一というコース
ターで落ち合うことにした。
翔たちはすでに待ち合わせ場所に到着していたらしく、俺たちの姿を見つけた結
衣が駆け寄って陽菜に飛び付いてきた。
「陽菜無事だった?!颯太に変なことされなかった」
真面目な顔して言っていることは、俺に対してかなり失礼な事を言ってやがる。
オイオイと言いたかったけど、あながち間違ってないから何も言えない。
「大丈夫。変なことなんてされてないよ」
「正直に言っていいからね。相手は颯太だし、陽菜に何かあったら申し訳ないよ
」
「確かに颯太だもんなぁ」
結衣の心配ぶりに翔が面白そうにのっかる。
マジでありえねぇ。俺の味方はいねぇのかよ。
俺がどんだけ真面目になったと思うんだよ。
あいつら知ってるくせにわざと言ってやがる。
とりあえず近くのフードコートに入ろうと歩き出した時、翔に軽く蹴りをいれて
やった。
※ ※ ※
「今日は楽しかった。どうもありがとう」
車から降りた陽菜が笑顔をみせる。
朝会った時にみせたぎこちなさが無くなっていて安心する。
翔たちと合流してからの陽菜は楽しそうに笑っていた。
始めは二人きりの方いいと思っていたけど、こんな陽菜をみる事が出来るなら翔や結衣達と一緒に出掛けるのもいいかもな。
まっ、たまにだけど。
「私たちの誕生日プレゼントは気に入ってくれたかしら、颯太君?」
運転しながら浸っていると、後部座席から身を乗り出してきた結衣が聞いてくる。
ルームミラーには自分たちのプレゼントに自信を持っている結衣の顔と、その奥にはニヤリと笑う翔の顔が映っていた。
まさに二人の思うつぼの自分に小さく溜息つく。
「あ〜はいはい。二人にはマジで感謝してます」
俺の言い方が不服なのか、結衣は俺の頭を叩いてきた。
確かに言い方はマズかったかもしれないが、二人には感謝してる。
二人のおかげで避けられてた陽菜と会うことができたわけだし、陽菜から返事を貰う約束を取り付けたんだからな。
「喜んでくれたのならいいのよ。次は颯太に頑張ってもらわないと困るんだから」
「結衣に言われなくても、そのくらい分かってるよ」
そう。待ってるだけじゃダメなんだよな。
今まで頑張ってきたのに、最後は待ってるだけなんて性に合わない。
陽菜には俺の事を考えて欲しい。
それにはまだやることが残っている。
陽菜の憂いは取り除きたいから、まだ俺にはやれる事はある。
今後の自分の行動を考えていく。
※ ※ ※
携帯のアラームの音が耳元から聞こえてくる。
沈んでいた意識が徐々に浮上してくる。
スヌーズでしつこい位起こそうとするアラームを消す。
まだ目覚めてない意識をシャワーで目覚めさせると、コーヒーを飲んで出掛ける支度をする。
大学最寄りの地下鉄の改札口に立っていると、 教えてもらった情報通り目的の人物が改札から出てきた。
「おはよう。講義の前で申し訳ないんだけど、ちょっといいかな?」
意識的に愛想のいい笑顔を向けると、話しかけられた相手は驚いた表情でこちらを見て何度も瞬きしている。
まぁいきなり話しかけられたら驚くだろうとは思うけど、そんなに瞬きしなくても・・・っていう位している。
「ここじゃ何だから、場所変えてもいいかな?」
「は、はい」
いつまでたっても状況が変わらなそうだから、こちらの用件を伝えることにした。
お久しぶりです。
ここ更新できない間に環境の変化があり、現在ネット環境が整っていない状況です。
そんな中、更新を待って頂けていることに本当に感謝しています。
更新できない間も書いてますので、なるべく頑張って更新できたらいいなと思っています。
拍手にメッセージありがとうございます。これからも宜しくお願いします。
minimone