第1話 出会い1 高校2年・春 side 陽菜
正直、特別な人ってよく分からない。
かっこいいなって思う人ならいた。
じゃあ、ずっと一緒にいたいとか、側にいたいとか、
そんなこと考えられない。
それだったら女友達と遊んだ方がいい。
友達は早く彼氏を作れって言うけど、今はまだいい。
だって、私はこの生活に満足してる。
※ ※ ※
「あーやっと来たぁ。今日って学校遅かったの?」
慌てて予備校の教室に入ってきた私に、艶のあるサラサラロングの少女が話しかけてくる。
彼女の名前は相田結衣。
高校は違うけど、どちらも世間的には進学校と言われる学校で、私とは公立か私立かの違いだった。
志望大学をK大と決めていた私は、高校入学早々予備校に入った。
予備校の初日たまたま隣の席に座ったことがきっかけで、結衣とは仲良くなった。
彼女は、なんていうか美人で、少し同世代の子よりも大人っぽく見える。
サラサラの黒髪は彼女に清廉さを醸し出していた。
性格は、竹を割ったような人。この一言で言い表せると思う。クラス委員とかやってそう。
てか、実際に二年生から生徒会役員になったらしい。
世の中こんな完璧な人がいるんだなぁ〜って思っちゃう程。
予備校で一緒にいると、よく周りから(特に男子生徒)からの視線を感じる。
きっと学校でもこんな感じなんだろうな〜ってぼんやり結衣を見ながら考えてた。
「・・・ぇ、・・・ねぇ、陽菜、ちゃんと聞いてる?」
心配そうな声に我にかえった。ごめん、考え事してた。と笑いながら謝っている私に、もう一度結衣が話だした。
「だからね、今週末に陽菜の学校に試合で行くって話してたの。だから、陽菜も良かった見に来ない?実は、彼氏も試合なんだよ。」
少し照れながら、結衣はバスケの応援に誘って来た。
結衣には中学から付き合って幼馴染みの彼氏がいる。
まだ会った事はなかったけど、彼氏の話をする時、大人っぽい雰囲気が少し幼く見える。
そんな結衣はすごく幸せそうに見えて、あっなんかいいなぁ〜、私もこうやって幸せそうに話すことができる彼氏ができるのかなぁ。って、いつも思ってしまう。
「じゃ〜結衣の活躍と噂の彼氏を見に行こうかな?」
そう茶化しながら、私は週末の応援に行くことにした。
※ ※ ※
約束のバスケの応援の日、少し早めに学校まで来た。
うちの学校は、一般に言うお坊ちゃん、お嬢様が多いと言われている。
勿論それだけじゃなくて学力面でも有名だ。多くの著名な諸先輩方を輩出しているため、OBからの寄付金も多く学校の施設面でも他の学校にも引けを取らない。
私はというと、別にお嬢様ではない。
ただの一般生。父親は外務省の役人で、母親は専業主婦。ごく一般的な家庭で育っている。
両親とも、この学校のOBで自由な校風がいいと勧めるから受験した。
見かけや学校の肩書きのせいで、プライド高そうな生徒が多そうに思われることが結構あったりする。
実際は本当に普通で、自分の学生生活は充実している。
(ちょっと早すぎたかなぁ〜でも試合前に結衣に会いたいし、学校の友達にも激励したいし・・・とりあえず体育館だよね。)
中庭の茂みを抜けると体育館脇の水飲み場に抜けられる近道がある。
高校生活も二年目になると体育館までのショートカットも熟知しているので、迷わずその道をチョイスした。
丁度茂みを抜けようとしたら、その陰から話し声が聞こえて来た。
「颯太、何で昨日部活の後一緒に帰ってくれなかったの?一緒にいたかったのに。」
「あ〜ごめん。翔たちと飯食ってた。」
「嘘!ナオが他校の子と一緒にいるの見たって!」
「翔たちと飯食ってたのは本当。それからは、まぁそうだったかなぁ?」
「ヒドイ!私も待ってたのに・・・」
「だってよぉ〜お願いされたし・・・別にこれからも会うわけじゃないし、いいじゃん?」
「よくない!颯太のバカ、バカ、バカぁ〜」
「はぁ〜。分かったよ。ほら、こっち来いよ。お詫びするから機嫌直せって。」
修羅場?ヤバイかな?と思って、そっと音を立てずに茂みを抜けようと試みている所に、その現場が目に入った。
まぁキスシーン位なら良かったんだけど、なんていうか女の子のジャージが乱れていた。
腕を彼の首に回して、男の子の方はキスしながら片手が彼女の上着の中に入ってた。
(わっ、しかも他校生だし。早く、逃げなきゃ。てか、よその学校で・・・勇気あるな。)
私は、逸る気持ちを抑えながら音を立てない様に気を付けながら体育館へ逃げ出した。
初めまして、minimoneです。
初回から、こんなんでいいの?って感じです。
颯太と陽菜、まだお互い出会ってません。
陽菜は颯太の顔を見てないのでニアミスです。
これからの二人を応援してやって下さい。
初小説でドキドキしているので、何かお気付きの点や感想待ってます。