2007年1月
1月2日。初売りそしてセールと続き忙しい一日でした。丸山さんも冬休みを終え出勤しました。閉店後はどっと疲れて口数も少なく床に座り込む程でした。けいが方付けの途中で床に置いたダンボールを広げそれに座って休憩しているとミキも前にやって来た。ミキは無言で横に置かれたゴミに出すビニール袋に手を掛けました。その時、
「ごめんね」
と、けいはミキに声を掛けた。ミキは視線をけいに向けました。そして少し困った顔をしながら小声で言いました。
「ううん、私こそ酔ってから、水野さんに迷惑かけちゃた。」
「・・・でもごめん」
と、けいはもう一度誤った。けいは少し安心したが凄く寂しいような気もした。ミキの告白に対して返事を返せなかったけいは少し後悔していた。ミキの気持ちには答えられそうには無かった。
「これ捨ててきますね」
と言ってミキはバックヤードへと入って言った。
その日を境にけいとミキの仲は緊張が解け良い方向に向かって行った。週に1,2回は二人で夕飯を食べてから駅で別れ帰宅する様になった。けい達、派遣は通常時は無休のお店なので、売り場単位でシフトを組んで休暇を交代で取っていた。けいとミキは同じ日に休暇をとる事は無かった。
2月に入りけい達のお店も閑散期へと入った。客も減り毎日が少し暇になった。この時期に春に向けた店舗の模様替えを行う事が多い、けい達の売り場も一部陳列棚入れ替えなどの工事が入る事になった。
その日に合わせて派遣は有給を取る。前日は陳列されていた商品やバックヤードの在庫を大きめの箱に詰めて、けいは「かご」と呼んでいるキャリアに乗せ決められた通路脇に一列に並べた。
その翌日、休暇を取ったけいとミキは初めてデートをした。東京ディズニーランドへ行ったのだ。運よく小春日和で暖かい日差もあって春を思わせるような暖かい日だった。一日中歩き回ってアトラクションに並んでは乗りを繰り返した。時間を忘れ楽しんだ。
東京ディズニーランドでは真冬でも打ち上げ花火が見れる。花火が終わると急に照明は落されて終園の時間がやって来た。けいは疲れて広場のベンチに腰掛けた。ミキはその右側に座った、頭にキャラクターの小さな耳を付けて、手には小さな黄色いクマのぬいぐるみを大事そうに持っていた。
ミキはけいの肩にそっと寄り添い目を閉じた。けいは右手をそっとミキの腰に廻し体を寄せ合った。そのまま2人は閉店までの時間を過した。




