センパイは私のこと、助けてくれますか?
媚びる後輩は好きじゃありません。
ただ隣で笑って居てくれさえすれば。
ゲーム開始から幾らかの時が経ち、[はじまりの]と名のつくマップから人が減り始めた頃。
はじまりの森の片隅で、それは始まっていた。
少数のゴブリンがポップした。
彼らは狩りをして増えた。集団で生活することを覚えた。
彼らは隠れることを学んだ。集落を形成し始めた。
彼らは強くなり始めた。知恵を持つ者も現れた。
彼らは子孫に教育を施す必要があることを、本能で覚った。
地下に広がる居住区の地上部分を警らするゴブリン達は、道端に小さく輝く物を見つけた。
アイテム名を[思い出プリズム]。死んでしまったモノの幸せな記憶や最後の記憶を結晶化させる。
至るところに発生する可能性があり、世界を幸せな記憶で包みたいという願いを元に設定されていた。
しかし、今この時に限ってそれは悪手だった。
[思い出プリズム]を手にしたゴブリン達の中に、記憶が流れ込む。
幼馴染と結ばれたゴブミ。妊娠して幸せを味わう日々。
帰ってこないゴブオ。冒険者に刺される悲劇につのる憎しみ。
まるでえばシリーズに貫かれた飛鳥のような殺意を追体験し、残骸になった貮号機を見た七光りのように理性を失う。
ゴブリンは激怒した。この横暴を「どげんかせんといかん」と奮起した。
やがてその狂気は集落のゴブリン全員に伝搬して、人間の集落である王都への侵攻が始まった。
あらすじ大事。方向性大事。迷子だ。
読み返すと短いけど、書いていると時間の流れが早い不思議。




