第21話:抜き打ち小テスト
どうも、Rowun☽です
今回は第21話「抜き打ち小テスト」です。
ラザリオンでの授業が始まり、ついに学園らしいイベント(?)がやってきました。
そう、学生の天敵――抜き打ちテストです。
当然のように満点を取るアルマと、当然のように別の意味で大惨事になるキース。
そしてその様子を見て、少しずつ“物語のズレ”に気づき始めるエリシア。
ギャグ多めですが、実は地味に伏線も入っている回になっています。
それでは、第21話をお楽しみください。
ラザリオン魔術学アカデミー。
荘厳な石造りの教室に、教師の声が低く響いた。
「――では、本日ここまでの内容を踏まえて」
一拍。
教師はさらりと言った。
「抜き打ち小テストを行う」
教室が凍りついた。
「えっ!?」「マジ!?」「聞いてないぞ!!」
ざわめく生徒たち。
その中で、アルマ・アルカディアだけは静かだった。
「…………」
ふう、と息をつき、ペンを取り出す。
隣ではキース・ヴァレンタインが青ざめていた。
「……せ、先生!! 今って愛を語る時間じゃ――」
教師が即答する。
「座れ、オタク」
キースは静かに席へ戻った。
教室の前方では、エリシア・ルクスが小さく苦笑していた。
(抜き打ちテスト……やっぱり来た)
彼女の知っている物語でも、このタイミングで小テストはあった。
だが――。
エリシアの視線が後ろへ向く。
アルマ。
そして、その隣のキース。
(やっぱり、この二人が同じ席にいるのは……おかしい)
テスト開始。
アルマは問題用紙を一瞥した。
「…………」
カリカリ。
迷いのない筆跡で、魔素干渉、均衡式、魔力循環、属性理論を書き込んでいく。
十分後。
アルマはペンを置いた。
「…………ふう」
そのまま机に伏せる。
昼寝モード。
周囲がざわめいた。
「え、早っ」 「王子、もう終わったのか……?」 「解答時間十分って……」
一方、キースは震えていた。
「……ッ……ふぐぅ……!!」
手が震える。
視線が泳ぐ。
問題文を見る。
『光と闇の共鳴現象について説明せよ』
(なんで今こんな大事なテストで王子成分ゼロなんですか!?!?)
視線が横に行く。
アルマの寝顔。
(尊い)
ペンが動いた。
解答欄。
「アルマ」
次の問題。
「アルマ」
また次。
「王子のまなざしは真理」
キースは完全に壊れていた。
あとがき
第21話を読んでくださりありがとうございました。
アルマは当然のように満点、キースは当然のように2点でした。
ある意味、安定の結果ですね。
そして今回、エリシアが「物語が変わっている」ことに少しずつ気づき始めました。
ここから先、三人の関係や物語の流れが少しずつ動き出していきます。
次回は、アルマによる(半分監禁のような)補習と再試験編です。
果たしてキースは無事に合格できるのか……。
それではまた次の更新でお会いしましょう。
またね。




