表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アルカディアに誓って、運命を殺す。  作者: Rowun☽
第一章:運命への反逆

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1/31

プロローグ:アルカディアに誓って、運命を殺す。

この世界には、どうしても納得できない物語がある。

どれだけ愛しても、どれだけ理解しても、最後には必ずその人が死ぬ――そんな結末が決まっている物語だ。


『アルカディア・レクイエム』。

それは美しく、残酷で、そして多くのプレイヤーを泣かせた乙女ゲームだった。


その中でも、ひときわ悲しい運命を背負ったキャラクターがいる。

世界の核と呼ばれ、孤独の果てに闇へ堕ち、最後には英雄に討たれる少年。


アルマ・ル・ヴァルディス。


彼の最期は、確かに美しい。

けれど――どうしても納得できなかった。


だからこれは、

そんな結末に反逆する物語。


運命が決めた結末を壊すための、

ただ一人のオタクの、無謀な戦いの記録である。


ここは、《アルカディア・レクイエム》という名の、大人気乙女ゲーム。


ダーク。ロマン。バトル。そして、感情劇。

魔法と剣、貴族と革命、愛と裏切りが交錯する世界。


プレイヤーが操るのは、聖女の少女。


彼女は魔術学アカデミーに入学し、青年たちと出会い、恋に落ちる。

そしてやがて、この世界の核心へと辿り着く。


――《アルカディアの核》。


その名は、アルマ・ル・ヴァルディス。


漆黒の髪、深紅の瞳、透き通るような白い肌。

王族として、魔族として、生まれながらにして圧倒的な力を持つ存在。


人々は彼をこう呼んだ。


「アルカディアの完全体」。


だが、その力はあまりに強すぎた。


彼は人として扱われなかった。


兵器。

災厄。

世界を滅ぼす存在。


そして――


どんなルートでも。

どんな選択肢でも。


彼の結末は変わらない。


聖女の浄化。

英雄の剣。


その二つによって、彼は最後に殺される。


それが、このゲームの運命だった。


「……こんなの、納得できるわけないだろ」


高峰希一は画面を見つめたまま呟いた。


アルマは悪人じゃない。

むしろ、誰よりも優しい。


ただ――


世界が彼を恐れただけだ。


「……もし俺が」


ぽつりと呟く。


「もし俺がこの世界にいたなら」


画面の向こうの少年を見つめる。


「絶対に、そんな結末にはさせない」


その瞬間だった。


視界が白く弾けた。


――ブレーキ音。

――衝撃。

――遠ざかる意識。


そして、次に目を覚ました時。


見慣れない天井が視界に映った。


狭い部屋。

質素な家具。

窓の外には、石造りの街並み。


そして、鏡に映った少年の顔。


「……え?」


息が止まる。


その顔を、希一は知っていた。


この世界の英雄。

アルマを殺す者。


キース・ヴァレンタイン。


平民出身の剣士。

そして――


アルマの最期を看取る男。


「……は?」


沈黙。


数秒後。


「ちょっと待てえええええええええ!!」


絶叫が部屋に響いた。


「なんで俺が!!」


「アルマ様殺す役なんだよ!!!!」


頭を抱えながら、キースは叫ぶ。


だが、すぐに動きが止まった。


窓の外の空を見上げる。


この世界。

この運命。


そして、あの少年。


アルマ・ル・ヴァルディス。


キースは小さく笑った。


「……まあいい」


拳を握る。


「だったら」


静かに呟く。


「この運命」


「ぶっ壊してやる」


空の向こうに広がる、万象の力。


アルカディア。


キースはその空に向かって誓う。


「アルカディアに誓って」


「俺が、この運命を殺す」

あとがき


ここまで読んでくださり、ありがとうございます。


この物語は、

「推しが救われない世界なんて納得できない」

そんな一人のオタクの想いから生まれました。


運命が決まっている世界で、

それでも抗おうとする人間がいたらどうなるのか。


そして、

本当に運命は壊せるのか。


その答えを探す旅が、これから始まります。


アルカディアに誓って。

この物語の結末を、どうか最後まで見届けてください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ