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人の麻雀を後ろで見るやつは、美人ママさんに怒鳴られても仕方ないんだよ

 新宿の某雀荘へ行った。狭いけれどもこぎれいな造りで、卓は4卓あった。そこにはクラブのママさんと思える中年女性と、新人フロアレディといった感じの若い女性がよく来ていた。二人は同じ卓を囲んでそこに従業員か客が入るという形だった。


 私も若かったからいつもその店では負けてばかりだった。負けると未練たらしく人の後ろでしばらく見てから店を出た。


 そして、ある夜、たまたまそのママさんと新人フロアレディと卓を囲む時が来た。私はその前にトイレに立った。トイレのドアを閉めた瞬間、ママさんのすごい声がトイレのドアにぶつけられた。


「あの人と打ちたくないのよ! 負けると人の後ろで見てるのよ!」


 従業員の声が続く。

「わからねえ人だなあ」


 もういやになってトイレを出た後、私は店を出た。その後、その店へは二度と行っていない。結果としてよかったのだ。あんなママさんたちと卓を囲んだら、もっと不快な思いをしたことだろう。


 今、フリー雀荘へ行くと、平気で人の後ろで見ている人がいる。そんな人を見るたびに、あのママさんだったらどれほどすごい剣幕で怒るかなあ、と思うのだ。


【麻雀必勝の極意➁】

 結局は対人ゲーム。人に舐められてはいけない。人に優しくすること。丁寧な言葉使いをすること。これらは当然なのだが、その根底に「この人は怖い人だ」「バックに何者かがついているに違いない」「怒らせたら何をしでかすかわからない」そういう雰囲気を漂わせていることが大切。一番大事なのは、決して弱音を吐かないことだ。弱音を吐いたらすぐに舐めてかかってくる。何を自模って何を切るとか、押し引きとか、運とか、そういうものは、同じようなレベルの人間が卓を囲んでいるわけで、そんなに変わりはない。服装もなるたけ高級なものを着て、背筋をまっすぐにして打つことだ。舐められたら負ける。

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