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SEX ANDROIDとぼくの100日間  作者: 指江 導一
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第35話「修学旅行」

リュートの事件から少し経って、花成たちの学年は修学旅行にいくことになった。

ニレイに新しい友達ができる中、花成は三繰のことで頭を悩ませていた。

挿絵(By みてみん)

「はーい、じゃあ班を決めますよ~。」


担任のイツカ先生(笹村五華(ささむらいつか)先生)がクラスに呼びかけた。




以前の担任だった前原先生は、ホームルームが始まってもあまりに静まらないクラスに対してパンパンと出欠名簿と手を叩いて集中させるのが名物だった。


しかし、前原先生が定年になって、あだ名が”美人爆乳メガネ”のイツカ先生になってからは、教室に入ってきたときの大きな胸のプルン、プルンとした揺れに男子生徒が集中するようになって、


先生が声をかけずとも静まるようになっていた。




女子たちは「ほんっと男子ってサイッテー」などと思っていたが、一部の女子も動機は様々だが男子と同じ状態になっている。


実は女子にも隠れイツカファンがいるのだ。

なお、イツカ先生は既婚者である。



「修学旅行も目前か~、花成、俺たち一緒の班になろうぜ。」


「おう。」


通に話しかけられ花成は何の気なく返事した。




全国でもトップクラスの学力を誇る私立の高校ながら、学校の方針で「青春だいじに。」的な風潮があるので、むしろ行事は他の学校よりも多いくらいだった。


ただし、勉強の時間を省略するわけにはいかないので、実行委員会には大人並みに効率的で能動的な委員会運営が求められるのだった。




「班は4人から5人班で決めてくださいね~。自由班で決まらないようなら私が決めちゃいますよ!」


「せんせ~僕は先生と二人の班が良いです~!デートしましょ~!」


「うーん、君が大人になったらね!」


「・・・えっ、マジ?」


ふざけたつもりがすんなりと返されてしまって顔を赤らめる男子とギャハハと他の男子の笑い声が聞こえた。




ベテランの前原先生から副担任が昇格する形でどうなるかと思ったが、イツカ先生もすっかりクラスに馴染んだようだ。




「それにしても4、5人って誰を誘うか・・・。」


「ニレイちゃんももちろん一緒に行くよな!な!」


花成の思案は一瞬で通の声で遮られた。


「え、はい。ありがとうございます。」


ニレイも少し困惑気味だが嫌がってはいないようだ。




「お、おい勝手に決めんなって・・・。」


「なんだあ、お前嫌なのか?」


「そういうわけじゃないけどよ・・・」


花成は三繰先輩の送別会の時握ったニレイの手の感触を思い出していた。


アンドロイドだとわからないくらい柔らかく、すべすべとしていて、人と同じ体温を感じた。




「じゃあ、3人は決まりだな~!あとは誰にするか・・・」


「おい。アイツ、余ってんじゃないか?」


続々と班が決まっていく中、クラスの隅っこでポツンと座っている女子がいた。




「彼女は佐崎(ささき) ヨウさんですね。私が声をかけてみます。」


ニレイはそう言うと席を立ち、ヨウに話しかけた。




ヨウは急に初めてニレイに話しかけられて慌てたようすだったが、結果的に花成たちの班になった。




「あ、は、初めまして。佐崎 ヨウです・・・。」


ニレイに連れられてヨウは花成たちのところへやってきて自己紹介した。




「いやいや、はじめましてって・・・話したことくらいあるだろ・・・。ん?いや、ないか・・・?」




ヨウは少しぽっちゃりとした大柄な女子だった。


クラスではほとんど誰かと話しているのも見たことがなく、というよりむしろ存在自体に初めて気づいたかもしれない。




立ち上がった姿をよくよく見ると、ニレイやキュウカ以上に背が高く胸も大きいことに気づいた。


「えへへ。でも誘ってくれて嬉しい・・・。みんな、私の存在に気づかないから・・・。」


どこかフワフワと雲のような雰囲気のヨウはきっと、皆の目に留まってもフワフワとしすぎて視界に入っていることに気づかないのだろうか。




「いえ、私は最初から気づいていましたよ。ヨウさんは身長180cmでその背の高さがコンプレックスでいつも猫背ですよね。


でも、とてもスタイルが良く、日本人離れしていると思うので自信をもってください。


いつも人目を気にして目立たないようにしているのではないですか?」


「えっ・・・そんなことまで・・・」


ニレイに言われ、ヨウは頬を赤らめて恥ずかしそうにしていた。




うーん、アンドロイドの脳内スーパーコンピューターの為せる技なのか・・・と花成は思った。


ニレイは人の気持ちをあまり理解できない代わりに、観察力や記憶力、洞察力は鋭い。




「背をピンとして、前髪ももう少し切れば、ヨウさんの良さが活かせると思います。そうしたら、きっと皆も注目してくれますよ。


あなたのもっと持っている良い点に。」


「・・・・・・!」


ヨウは口を開けたまま顔を赤くしてニレイを見つめている。




どうやらニレイに惚れてしまったようだ。




しかし、そんなニレイをすごいなと思って見ていると、その視線に気づき、彼女は頬を赤らめて目線をそらした。


・・・ように見えたが気のせいか?


花成は首をかしげた。








班が決まり、3週間後の修学旅行も滞りなく進んだ。




「うわぁ、すごい紅葉だねぇ・・・!」


花成の学校は超ベタに京都へと修学旅行に来た。




班決めの時にニレイに言われてからヨウは髪を切った。


聞くところによるとニレイも付き添いで連れて行かれたらしい。


ニレイも少し髪の毛が短くなり、セミロングで少しウェーブがかかった髪になった。




人からの視線を避けるように長く伸ばしていた前髪を切り、ボサボサだったくせっ毛を整えて、ヨウは見違えたようだった。




髪を切ってきた次の日、クラスの男子はざわめいた。


「お、おいあんな可愛い子いたか・・・?」


クラスの女子も同様にざわめきたっていた。


「え、めちゃくちゃスタイル良くない・・・?」


中には


「デ、デカイ・・・」


と言いながら自分の胸部を見下ろし悲しそうにしている女子までいた。




ただし、完全なイメチェンにはまだ恥ずかしいようで、片目側は長いままである。




「ニレイ、あっちに美味しそうなのがあるよ!行ってみよ~。」


「ええ、ヨウ。」


ヨウはすぐに憧れのニレイと仲良くなった。


「ヨウさん」という他人行儀な呼び名を嫌い、お互いに名前で呼び合いたいとの希望で、二人はどんどん親密になっているように見えた。




「おいおい、花成君。ニレイちゃんとられちゃうんじゃないの~?これは意外な伏兵がいたもんだ。まさか同性とはな。」


二人の様子をぼけっと見つめる花成を通が茶化す。




「何いってんだよ。同性でもアリだろ今の時代。それに・・・」


「それに・・・お前が好きなのはニレイちゃんじゃなくて、三繰先輩だってか?」


「う・・・。お、おまえこそ良いのかよ。だって、ニレイは・・・」


「あー、いいの、いいの。・・・それとも俺がニレイちゃんもらってもいいのかよ~!」




実はニレイのことは通がねらっていることを知っている。






花成は最近自分の気持が分からなくなってきていた。


確かに三繰先輩が好きだ。


しかし、ここ最近、ニレイが花成の心に占める割合は大きくなってきていた。




「知らねぇよ。」


ぷいっと花成はそっぽを向いた。


気づいていなかったがニレイはそんな花成のほうをそっと見ていた。








夜は生徒お待ちかねの温泉タイムだった。




「ニレイ、すっごくスタイル抜群だね・・・!出るところは出過ぎるくらい出てて・・・出てないところはすごく引っ込んでて・・・

うらやましい。」


ヨウはニレイの白く透き通るような肌と完璧なスタイルを見て、顔を赤らめていた。


「ヨウこそ。すごく大きいですね。セックスアンドロイドでも見たことないくらい・・・あ、いえ、何でもありません。そういえば、何カップくらいあるんですか?」


「え・・・き・・・んー、ヒミツ!」


そう言ってヨウは顔をさらに顔を赤らめて露天風呂の岩場を走り出した。




「うあっ!」


急に走り出したため、ヨウはつるりと滑り、転びそうになった。


「危ない!」


ニレイはすばやく駆け寄り、ヨウの体を受け止めた。




どう考えてもニレイの見た目的にヨウは受け止められないように見えたが、アンドロイドの圧倒的な腕力と脚力でしっかりと支えた。


「大丈夫ですか?ヨウ」


「ニレイ・・・か、かっこいい・・・!」


ヨウの目はさらにハートになるばかりだった。




「ヨウの体はすごく柔らかくて触ってて気持ちがいいですね。」


「そんな、ずっと触ってたいなんて・・・」


ニレイはそんなことは一言も言ってないが、ヨウは”恋は盲目”状態で全てが都合のいいように聞こえてしまっていた。




「わ、わたし、ニレイになら・・・」


完全にキス待ちでヨウは目を閉じたが、ただでさえ鈍感なニレイはそんなことに気づくはずもなく、ぐっと力をいれ、 ヨウを立っている状態に引き戻した。


いくら力が強い男や女であってもそんな簡単にできるわけない芸当をアンドロイドのニレイは片手で、しかも、 軽々と行ってしまった。




「さぁ、冷えましたね。温泉にはいりましょう。」


「んもう、ニレイたらいけず、やわぁ。」


ヨウは下手くそな京都弁で恥ずかしそうに振る舞った。




「なんでおっぱいって水に浮かぶんだろうね。」


「それはほとんどが脂肪で浮力が発生しているからですね。」




ぷに、とニレイは突然ヨウの胸を指で軽く指した。








「・・・なーんて、やってんだろうなぁ!ああ~、今頃は女湯は天国じゃ。」


「またそれかっ」


通のいつも通りの妄想に花成は小さくツッコミを入れた。




そういえば、リュートが現れたあの事件の日から三繰とは話していなかった。




三繰はバイトを辞め、受験勉強に集中しているのだろう。


以前、三繰の志望校を聞いたことがあったが、花成は驚いて尻もちをつきそうになった。




なにせ、三繰の志望大学は国内でトップの誰もが知るような大学だったからだ。


花成と三繰は違う学校に通っているため、もちろん偏差値も違うが、花成は県内でトップの共学高校だったし、 三繰もまた同県トップの女子校だった。



実はこの学校で学年トップ10の実力を誇る花成ですら、その大学に入るのなど夢のまた夢だったが、俺も頑張ろうか、と思い始めていた。




その頃、通の想像通り、ニレイとヨウは何も考えずにイチャイチャしていた。

というよりヨウがやたらとニレイにアタックしているだけなのだったが。

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