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SEX ANDROIDとぼくの100日間  作者: 指江 導一
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第11話「保健室」

花成は自分のことを蹴ったライサのことを思い出す。ふと気づくと保健室にいて隣にはニレイがいた。

ドキドキしながらバイトに戻った花成の前に・・・?

挿絵(By みてみん)

「はっ!」


花成は保健室のベッドで目を覚ました。




「あれ、ここは・・・!」


「気が付きましたか?」


そばにはニレイが椅子に座って花成を見ていた。




「はっ、そうか俺はライサに蹴られて・・・。あれ、ここまで誰が運んでくれたの?」


「私ですよ。」


ニレイが答えた。いつもどおり無表情だが、少し笑ったようにもみえた。


「えっ!ニレイが!?どうやって?」


「お姫様抱っこしてですよ。」


それが何か?とでもいうような顔をしていたが、花成には意味不明だった。




「も、もしかしてみんな見てた?」


「ええ。」


「バッチリ?」


「ええ、もうバッチリです。」


指を丸のマークにしてみせたニレイは無表情だがどこか愉快そうに見えた。




「何てことだ・・・。これじゃあだ名が絶対”姫”になるじゃないか。」


絶望して花成は頭を抱えた。


ちなみにこの日を境に花成は裏でクラスメイトに”姫様”というあだ名で呼ばれることになる。




「ていうかよく抱きかかえられたね。」


「はい。私達はアンドロイドなので、皆さんの骨にあたる部分は機械です。筋力や運動神経などは通常の人間の数倍あります。」


「数倍・・・」


「ええ、ですから、例えばSMプレイをご希望であれば、人には出し得ない強い力で締め上げながら快楽をもたらす女王様になることもできます。


いわゆるドMと言われる殿方にはとても人気らしいですよ。」


「へ、へぇ~。」


自分はドMではないはずだ・・・、と花成は思った。


「私はやったことはないですが、花成もご希望であれば、そういったこともして差し上げますよ。」


「いらんわっ!」


真顔なので冗談なのか分からなかったが、花成は素早いツッコミをせざるを得なかった。



その後、保健室の先生が戻ってきて、体調に問題ないと判断された花成たちは家に帰ることになった。


心配だから念の為病院に行ったほうがいいと言われたが、その必要は無かった。


なぜならニレイに内蔵されていたスキャン機能を使って花成の体に問題ないことが分かっていたからだった。


2人が学校を出たとき、あたりは既に暗くなっていた。




「ごめんね、こんな時間まで付き合わせちゃって。」


「いえ。」


「・・・・・・。」


「こんなところで花成博士に死なれては困りますから。」


「はは。たしかにね。」


今度こそニレイが初めて冗談を言ったのではないか。


花成はそう思ったが、思い直して黙った。


初夏の夜の涼しく、花の香りを含んだ心地よい風を浴びながら花成は考えていた。




「ライサのことを考えていたのですか?」


ニレイが聞いた。


その表情はまたしても完全な無表情に戻っているようだった。


「ああ。俺は、ライサのことを知ってる。蹴られた瞬間、思い出したんだ。」

一瞬、ライサのハート柄パンツが思い浮かんだがすぐにかき消した。


「・・・・・・。」


あえてニレイは花成の話を邪魔しないように黙っていた。


「ライサとは幼稚園の頃から一緒で家も近所でよく遊んでたんだ。俺は普通にカナリって呼ばれてたけど、ライサのことはラーちゃんって呼んでたな。」


「それでは、幼馴染というわけですね。」


「うん。とはいっても小学6年生の時にご両親が離婚してお母さんの実家のあるロシアに帰ってしまってからは会ってなかったんだけどね。」


「そうなのですか。」


「昔はすごくちっちゃくて、内気な女の子だったんだ。1つ年下だし、守ってあげないといけない従姉妹か妹みたいで。


でもまさかあんなスラッとした美少女になってるなんて思わなくて。それに強気だし。」


花成はたんこぶになっている頭の側面をさすった。


まだ結構痛む。


「ふふ。すごくお気が強かったですね。」


ライサが花成を蹴り飛ばした光景を思い出して、無表情のままだがまたしてもニレイが笑ったように見えた。


「本当だよ。でも、悪いのは忘れてた俺なんだから謝らないとな。


それにしても何で運命の相手なんて言ったんだろう。よく分からないよね。」


ライサの反応から何となく分かるような気がしたが本当のところはニレイも知らないので黙っていた。




「・・・はぁ。」


花成はバイト先で食器の片付けをしながらため息をついた。


ニレイが転校してきて、そして、ライサに蹴られて2日が経った。


声をかけようとしてもダッシュで逃げられてしまうので、未だにライサに謝ることはおろか、話すらできていない。




「どしたの!」


「うわわっ!」


急に三繰が厨房に顔を出し、花成は持っていた皿の山をあやうく落としそうになった。


「あっぶなー。急に出てこないでくださいよ三繰先輩・・・。」


「なによー、その言い方!」


ぷくーと頬を膨らませて怒ったふりをする三繰を見て花成は思った。




「可愛い・・・!やっぱり好きです!」




しかし、花成は平静を装って聞いた。


「・・・それより、ホールは大丈夫なんですか?」


「大丈夫、大丈夫!もうさっきのお客さんも帰っちゃったし。今日はなんだかお客さん少ないよねー。」


小脇にあった机に三繰が突っ伏(つっぷ)した。




服越しに三繰の柔らかな胸部がぽよんと、机に乗っかって形が変わるのを見て花成はドキドキした。




瞬間、花成の脳裏に先日掴んでしまったニレイの胸が思い浮かび、ニレイは更に大きかったな・・・と思った。


「どうしたの?」  


ぼーっと胸を見ていたところ、三繰に聞かれ、花成は慌てて頭に思い浮かんだ光景をかき消し、目をそらした。




「い、いや、その服キツそうだなーって・・・はは。」


何いってんだ、俺。


完全に変態じゃないか。




「そうなんだよね!分かる?可愛いんだけど特にこの胸のところキツくて・・・。」


三繰は自分の胸部を持ち上げじっと見つめた。


バイト先の制服はオーナーの夫人の趣味で変形したメイド服になっていたが、全体的にきつめにつくられていた。




三繰の胸部がさらに強調され、花成は、や、やばい・・・と思いながら視線が釘付けになっていた。


もともと、胸や尻より脚派だった花成は(見方によっては一番変態だと道に言われたことがある)、


三繰のことを好きじゃなかった頃は気にも留めていなかったが、今はチラチラ見てしまっていた。




その時、カラン、と音がしてカフェの扉が開いた。


「こんにちはー。」


「あ、お客さんだ。いらっしゃいませー!」


たたっ、と三繰はホールへと戻り、花成は胸をなでおろした。




「し、心臓に悪い・・・。」


それにしてもなんだか聞いたことある声だな、と花成がホールを覗くと、なんと三繰が注文を取っている相手は花成のよく知っている人物だった。




「お、花成~!」


「げっ、(とおる)・・・と、ニレイ!?」


花成は向かい合って座っている2人に驚き、腰をぬかしそうになった。




「お、お前ら何でここに・・・!?」


「あれ、花成の知り合い?」


三繰が花成と道の顔を見比べて聞いた。


「そうなんですよ~!俺たち昔なじみの親友で!道って呼んでください!」


「へー!」


「ぶっちゃけ、花成のこと何でも知ってます!例えば、好きな人とか・・・へへへ!」


「おい、バカ!」


花成が止めにはいるが、三繰がそれを躱して道にきいた。


「え!誰!?」


「それは・・・」


「オイ、道。来い!」


花成は道の肩を引っ張って、席から連れ出した。




「どういうつもりだよ・・・!」


「いやいや、花成のバイト先、もとい、好きな女の子を見ておきたいと思ってな!


ニレイちゃんも誘ったら行くって言うから連れてきたのよ!」


「お前が無理やり連れてきたんだろ!」


「それにしても、あの人なんだろ?お前の好きな人!」


「え、いやそんなわけないだろ・・・」


「馬鹿言うなって。何年の付き合いだと思ってんだよ。お前の反応見たら分かるって。


ニレイちゃんと2人で応援するために来たんだぜ!?」


「余計なお世話だ。」


「それにしても美人でスタイルも良くて性格も良さそうなコじゃないか。花成にはもったいないくらいだ。・・・じゃあ、俺戻るな!」


「おいっ」




「ニレイちゃんは道くんの彼女さんなの?」


「そうそう!」


三繰の質問に通が答える。


鬼のコミュ力を持つ三繰は既にニレイと打ち解けているようだった。


「いえ、全く違います。ただのクラスメイトです。」


「そんな冷たいなぁ~!ニレイちゃん!」


きっぱりと言い切ったニレイに対して、席に戻った道が突っ込む。


ニレイに悪気はないようだが、事実なので仕方が無かった。




「そっかー!」


「でも、えーとお名前なんでしたっけ?」


「私?私は秋前 三繰(あきまえ みくり)。三繰って呼んでね!」


「おー、三繰先輩!聞いてください、ニレイちゃんは、花成と一緒に住んでるんですよ!」


「えっ」


それまでに楽しそうに話していた三繰が固まった。


「おい、誤解だ!」


「ええ、一緒に住んでるくせに~!」


道がさらに追い打ちをかけてきたので頭をボコッと軽く小突いた。


「実は親戚の子で・・・ニレイの母親ももちろん一緒に住んでます。」


「そ、そうなんだ。」


三繰はなぜか安心したようだった。






その後、2時間ほどケーキや紅茶を楽しみながら4人で色々と話していた。


ニレイの出身などを聞かれたときは焦ったが、どの質問にもニレイは動じること無く、


真実を知っている花成ですらそうなのかと思ってしまいそうになるほど鮮やかな嘘で三繰と道を信用させた。






別のお客さんが入ってきたため、道とニレイはそこで帰ることになった。






帰り際、通に肩を抱かれて、花成は耳打ちされた。


「花成クン、恋愛名探偵の道様によれば期待がもてるぞ。」


「はぁ?」


「三繰チャンだよ。彼女はきっと花成に気がある。」


「・・・そんなわけないだろ。」


俺が勝手に想ってるだけなんだから。


「まぁ、そう言うな。ニレイちゃんを匂わせた時の反応は、ウン、間違いなくお前のことが好きでショックを受けたふうだった。」


「お前、そんなことするなんて・・・」


「マァマァ!愛する我が親友のためサ。それではな!アデュオース!」


後ろ手を振る道は全くかっこよくなど無かったが、三繰のほうを見て花成はドキドキしていた。


通と話している時、三繰も花成を見ていたようで、二人ともバチッと目が合うと咄嗟にお互い目をそらした。




そんな2人の姿を道と一緒に店を出たニレイはじっと見つめていた。

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