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SEX ANDROIDとぼくの100日間  作者: 指江 導一
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第1話「平凡な日の終わり」

 リア充でもないが、非リア充とも言い切れない平凡な主人公 花成の前に現れたのはXXX-002と名乗るアンドロイド。


 彼女は未来の花成自身が造ったタイムマシンによってやってきたのだという。

挿絵(By みてみん)

ぱち、と目が覚めて自分の家の天井が視界に入った。


朝は苦手だ。


いつも起きるのがだるいし、二度寝するまでいかないけれども布団の中で頑張ってみる。


しかし、本日は思った以上にすっきりはっきりと覚醒できた。


窓の外でピチチ、と鳥がさえずっている。


目覚まし時計が鳴るのもまたず、アラームを止めた。




時間は6時。


いつも起きる時間よりも1時間早いが、悪い気はしなかった。




そそくさと朝の身支度を行い、ささっと朝食を食べる。


今日は早起きできたので、いつものいちごジャムをのせたパンではなく目玉焼きを焼いてのせた。


良い感じに半熟になった目玉焼きに某おしゃれ輸入食品店でのせたヒマラヤの岩塩を少々と、粗挽きの黒コショーをふりかけた。




正直、オシャレに気をつかっている友達と行った時に勧められて買った岩塩は少ししょっぱかったが、これもまた大人の味と、濃い目にいれたコーヒーで流し込んだ。




まだ、高校2年生、大人と言うには自分でも早いと思うが、コーヒーだけは濃い目の苦目が好きだった。


すっぱさのあるフルーティなコーヒー、は、あまり好きではない。




何か良いことでもある日かのようだ。


朝ごはんを食べ終えて、


いつもより早めに登校している。


いつもと同じ、昨日と同じ天気で快晴ではなく雲が少しある晴れの日だが、


いつにも増して太陽がまぶしく、風は涼しく、空気が心地よい香りを運んできているようだった。




「今日はいい日だ。」


涼やかな初夏の日を、伸びをして楽しみながらいつもとは違う日に期待した。






しかし、今日も今日とていつもどおりの普通の日だった。




「おーい花成、今日、放課後遊ばねー?」


友人の難波ナンバ トオルが声をかけてきた。


自分と同じ平凡な高校生だ。


スクールカーストの上位でも下位でもないが、2次元に逃げるほど女子と接点がないわけでもないし、


リア充たちのように運動部に入って活躍したり後輩の彼女ができているわけでもない。




自分はリアルの生活が充実していないわけでもなければ、充実しているわけでもない。






「ごめん、今日もバイトあるんだわ。」


そんなごく平凡な高校生、木画崎きがさき 花成かなりはスクールバッグを持って席を立った。


教科書が詰まったスクールバッグは、ずしりと重みがある。


中学生のときにはバスケ部だったが、そんなに上手くならずに背が伸びるわけでもなく、高校の時にはバスケ部に入らず、普通に帰宅部になった。


とはいえ、花成の場合、家庭の特殊な事情があったので、どのみち部活に入ることはできなかったのだが。




そもそも、花成自身はどのみち部活に入るつもりも無かったので、関係の無いことだった。


席を立って見えた眼下のグラウンドではサッカー部や野球部のマネージャーがきゃいきゃいと何かを言い合いながらサッカー部や野球部のエースを見つめている。


中学ではマネージャーはいなかったので、マネージャーのいる運動部で女子に黄色い歓声を浴びせられるのは流石に少しは憧れがあったのは事実だ。




「お前、いくら一人暮らしっていってもバイトのしすぎだろー。全く仕送りがないわけでもなかろうし。」


廊下をスタスタと歩いていくと、道が荷物をバッグに詰め込みながら教室から出て追ってきた。


「まあな、でも他にやることもないし、いいだろ、別に。」


「・・・まさか、お前、」


「・・・あ?」


「バイト先に好きな子でもいんのかー?」


ニヤニヤと笑いながら道がドンと花成の肩に肘アタックした。


「いてーよ。・・・そんなんじゃないし。」


すこし赤くなりながら花成はそっぽを向いた。


横を向いた視線の先には向かいの廊下を歩く女子生徒の姿が目に入った。




花成の通う第一廿高等学校の校舎はカタカナのロの字のように真ん中に吹き抜けの中庭があり、


外側だけでなく、中庭に向けても窓があるため、向かいの廊下が見える作りになっていた。




銀色の髪をなびかせるその女子生徒はハーフのようだった。


整った顔立ちと白く透き通るような肌は廊下の緑色の床との対比でとても輝いて見えた。


花成の視線に気づいたのか分からないが、その女子生徒は此方に目を向けた。


2人の視線がバチリとぶつかった。




しかし、女子生徒はすぐに目線を外すとそのまま体育館のほうへいってしまった。




「おいおいー!図星か?図星だな?年上?年下?」


「しつけぇ、違うって。」


「付き合うことになったら、言えよな!親友にはそういうこと言うもんだろ!」


道がポンポンと軽く背中を叩いた


花成も道もリア充でも非リア充でも無いと言ったが、強いて言うならリア充側といえなくもなかった。




彼女ができたこともないし、女子と話す機会もそうそうないため彼女ができそうな気配も皆無だが、


道のような何でも言い合える親友がいることで生活も充実していた。


今日はそんないつも通りの日だった。








「ハナ君、4卓さん、追加注文なんだけど良い?」


新庄 三繰がカウンターに来て注文表を置いた。


「はーい!OKです!」


花成は周囲の調理の音に負けないように大声で返事をした。




今、花成は道と別れてバイト先にいた。


2階建ての雰囲気の良い個人経営のカフェで花成はキッチンを担当していた。


「ありがとーっ、よろしく!」


三繰は元気に跳ねて笑顔でホールに戻っていった。




彼女は花成のことをハナ君と呼んだ。


「面白い名前だね。」


初めてバイト先で出会い、自己紹介をした時にニヤッとして三繰は言った。


「そうすか・・・。」


花成は頭を掻いた。


小学生のころから「花なんて女くせー!」と名前をいじられていたので、花成は自分の名前が気に入らなかった。


おとなになったら改名しようと思っていたくらいだった。




しかし、三繰は違った。


「あたしとおんなじ!あたしも面白い名前で特別感があるって感じだし、あたしたち仲間だね!」


そう元気に言われて花成はハッとした。


そんな考え方もあるのか。


仲間。




その後もいつもポジティブな三繰に対して花成は救われ、次第に惹かれるようになった。


とはいっても花成の一方的な気持ちだけで、一生伝えることはないと思っていた。


自分には三繰はまぶしすぎる。


道に言われた好きな子とは、まさに三繰のことだった。




「いやー、今日も忙しかったねー!」


三繰が伸びをした。


バイトが終わり、三繰と花成は一緒に帰路についていた。


お互いの家は近くは無いが、そう離れてもいないので帰る方向性は同じだった。




今はもう夏も近く、2人とも違う学校だが、お互い夏服になっていた。


伸びをするとシャツが引っ張られ、三繰の発達の良い胸部の形が少し顕になり花成は目をそらした。


「そ、そうですね。でも、良かったです。」


「え、なにが?」


きょとんとする三繰に「な、なんでも無いです。」と花成は慌ててつぶやいた。




「じゃあ、あたしこっちだから!また明日ね!」


三繰は元気に自分の家の方向へと走っていった。


「先輩また明日。」


花成も三繰にあわせて手をふりかえした。


三繰は学校は違うが、高校3年で花成の1年先輩だった。






「はぁ~終わったぁ!今日は疲れたな・・・」


家に帰って風呂に入り、花成はパンツだけを履いてベッドにごろんと転がった。


バイトをしている個人経営の喫茶店はこじんまりとしているものの、アンティーク調のインテリアとマスターの入れるおいしい珈琲が評判で


地元では人気店だった。


マスターと奥さん以外は三繰と花成の他1名のアルバイトのみでいつも忙しいが、昨日発売した花成の考えた新作パスタと


マスターの奥さんお手製の季節限定フルーツケーキがクチコミで広がったようでいつもより客数はかなり多かった。




「はぁー、」


またしても花成はため息をついた。


アルバイトを続ける理由は色々とあるが、一番はやはり三繰だった。


花成の家は正直な話金持ちで、働かなくても良かったが何もしないと家の嫌なことを思い出しそうだったので半年前、アルバイトを始めたのだった。




マスターも奥さんも優しく、やりがいもあるので将来レストランか喫茶店をやりたいと思うくらいだったが、


何と言っても毎日三繰と会えるから行っているといっても間違いではなかった。




「三繰さん・・・」


花成が腕を顔の上に当て三繰の名を呟いた時、ガタリと大きな物音がした。


「ん、何だ?」


疲れていた花成はほとんど裸で寝転がりながらうっすらと目をあけ音のしたほうをみやった。


見るとなんと花成の机の引き出しから何かが飛び出ていた。




「うわ!何だ!?」


花成は勢いよく起き上がった。


ガタガタと机の引き出しは揺れ始め、中からいきなり何かが飛び出してきた。




「おいおい・・・!」


花成は恐怖とパニックで思考停止し、動けずにいた。


しかし、ハッキリと分かったのが、机の引き出しから飛び出て地面にガタンと大きな音で落ちたのはどう見ても裸の女性だったということだった。




「え?え?」


より一層パニックになる花成のほうを、起き上がった女性が見た。


「あの・・・」


「え?あ、はい!?」


パニックになる花成と対照的にその女性は至って冷静に聞いた。


「ここは・・・2022年ですか?」

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