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私はあなたを呆れるぐらい心から愛してる!

作者: 七瀬








私の彼氏は、お調子者で目立ちがり屋で、直ぐに人の事を

信じる正直者の大馬鹿者です。

だから、簡単に相手を信じてお金を貸したり物を直ぐにあげてしまう。

困ってるのは、私達なのに、、、。

彼は、困ってる人をみたらほっておけない人。

そこが、私が彼を好きになったところなのだけど...。

こんな彼氏だから、毎日のように何かトラブルに遭うの。

私が一番安いスーパーに行って、特売の卵を買ってきてと彼氏に

頼んだら? 彼が戻って来ると、“金魚”に変わっていた。



『これなに? 特売の卵を買ってきてって頼んだよね?』

『でもね、困ってるおじいちゃんがいてさーこの金魚買ってもらわないと?

今日の晩ごはん代がないって言うもんだから、ついね!』

『じゃあー今日の晩ご飯の“オムライスはどうするのよ!”』

『卵なしって事で!』

『ホント馬鹿!』

『でへへ。』





結局、その日の晩ご飯は? 卵なしのオムライスになった。

それでも、私は彼と一緒に居て幸せ。

彼は“バカ”が付くほどイイ人で、凄く騙されやすい人。

それでも、憎めないバカだと私は思っている。

人を騙したり、嘘をつく人よりは何千倍もマシだ!

彼と一緒に居ると? 苦労も多いけど楽しいと心から私が想える。

彼と付き合って良かったと想える。

彼は物凄く私にも優しい。

誰にでも優しいけど? 彼は浮気はしない!

私を裏切るような事は今までした事がない。

泣かされる事もたくさんあるけど? 彼と別れたいと一度も想った

事がないほど私は彼を心から愛している。

彼の天真爛漫な笑顔にいつもやられる。

どんなに嫌な事でも彼となら、一緒に乗り越えていける。

彼はそんな、うーん? 上手く言葉では言えないのだけど......? 

太陽みたいな人。彼がいつも私を照らしてくれる。







・・・この前も、彼の会社の同僚に今月の家賃が払えないからと

言われて、彼の給料全部渡したらしい。

もう、流石にこれには私も堪忍袋の尾が切れました。




『今月の家賃、私達はどうなるのよ!』

『俺の貯金使えばいいじゃないか!』

『そんなの、もうないわよ!』

『えぇ!?』

『来月には、その貸したお金返ってくるんでしょうね?』

『約束してくれたから、大丈夫だよ!』

『もぉーバカ! 私が出しておくから、返してもらったら私に返してよ!』

『ありがとう、ホント助かるよ。』

『なんで、そんなにお人好しなの。』

『なんでなんだろうねぇ~』

『他人事みたいに言わないで!』

『でへへ。』

『笑っても許さないからね!』

『・・・・・・』




















 *





・・・でも、彼のお人好しは意外な形で幕を閉じた。

完全に、彼の知り合いに騙されて彼は多額の借金をして

首を吊って亡くなったからだ。

私は予想外の展開に、どうしていいのか分からずにいた。

何故? あんなイイ人が騙されて死ななくてはいけなかったのか?

私の愛する人が亡くなる。




今でも目を閉じれば、彼が私の目の前で笑っている姿を思い出す。

彼が今でも生きてるような感覚がするの。

まだ、彼が亡くなった実感が湧かない。

彼が今でも玄関を開けて、“ただいま”って帰って来るような。

彼を私に返してほしい。

あんなに、ステキな男性ひとは何処にもいない!

私の愛する彼を私の元へ返して、、、。




最後までお読みいただきありがとうございます。

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