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インタビュー・イズ・異世界食卓事情・獣人編

作者: 七海椎奈

 あ、もう始まってます?


 えーと、アタシはイルマと言います。

 獣人の中でも尾持ちっていわれる種族っす。


 見た目は人間にケモノの耳と尻尾がついた感じで、人間にかなり紛れやすい外見っすね。

 尾持ちでなく、ただ獣人とだけ呼ばれる人たちは、二足歩行のケモノに近い外見のひとたちもいます。


 獣人は見た目の通り強靭な体で、めっちゃ強いんすよ。

 尾持ちも人間に比べればかなり運動能力は高めなんすけど、やっぱ原種の強さは格別っす!


 尾持ちは人間に見た目がかなり近いんすけど、人間と供に生きることは滅多にありませんでした。

 その理由は「食」っす!


 人間はすごいお腹が強いんすよ!

 アタシらにとっては完全毒なものをモリモリ食べますからね!

 アタシらは塩分が多いとダメだし、香草系もダメだし、タマネギとか超毒っす。

 人間はいろんなもの混ぜて美味しく料理するから、異物混入でどれだけの獣人が命を落としたのかわからないっす。


 そんで、しばらく尾持ちと人間はなるべく離れて生活してたんすけど、先の魔王対勇者の戦争の時、アタシたち獣人の王は勇者に着きました。

 なぜかっていうと、勇者たちが研究したキン?がつくるコウソ?があれば、毒を食べられるようになることがわかったからっす!


 アタシら獣人は、月に一度お薬をもらうようになって、お腹に魔法で繁殖させた強くしたキン?を入れることで人間と同じご飯を食べられるようになったんす!

 このキン?がお腹に定着すれば将来的にはお薬を飲まなくても人間と同じご飯が食べられるようになるらしいっすけど、あたしにはよくわかんないやつすね。


 とにかくこのお薬のおかげで、獣人はただ焼いただけのステーキを脱し、にんにく醤油の味濃いめなステーキや、あまじよっぱく刺激的な生姜焼きや、タップリ味を染み込ませた照り焼きを食べられるようになったんす!

 お薬をもらえるのは七歳からなんで、味の濃いものを食べたのは七歳の誕生日が初めてなんすけど、あの快感を知ってしまったら、もう戻れないっすよ!

 その反動で獣人は七歳から十歳ぐらいの間にかなり太るんすよねー。

 だってご飯が突然めちゃくちゃ美味しくなるんすもん!


 なにより、あれっす。

 タマネギたっぷり、これまたいっぱい食べると死んじゃう可能性もある各種スパイスで作られた……カレー。

 カレー! カレー! カレー!カレーっすよ!

 あのめちゃくちゃ美味しい毒の集合体!なんなんすかあれ! おいしいっすよね!やばいっすよね!!


 あと、チョコレート!!

 見た目全然そそらない毒の塊がっ!

 スイート!!

 初めて食べた時には後頭部の毛が逆立ったすよ、ホント。


 大人になればアルコールって毒も摂取可能だそうで、たのしみっすねー。

 なんたって毒は全部めちゃくちゃ美味しいっすから!


 とまあ、こんな風に美味しい毒を食べるために、勇者軍についたわけっすね。

 結局勝てたし毒美味しいし、良かったっすよ!


 今は平和で戦争なんかもう起こってほしくないっすけど、カレーとチョコレートのためなら命を投げ出す尾持ちはかなりいるはずっす。


 カレーとチョコレートのために、アタシたちは勇者に忠誠をちかうっすよ!!

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― 新着の感想 ―
[一言] つまり種族単位で餌付け……(゜ω゜)
[一言] 胃袋から攻めるとは戦場の基本とはいえひどいことを・・・。(魔王視点) 実際飯が理由で裏切られるとか気の毒すぎんぞw
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