変わった歴史
異例のお誕生日会が解散したあと、私はすぐに書斎に駆け込んだ。
あちらで着ていた着物が、今は現代の服に戻っている不思議にも頓着しない。沖田君研究の内、さんなんさんに関する記述を探す。
山南敬助、明治二(1869)年三十七歳で病没する。
一子あり、今の世にも子孫が伝わる。
私が、切腹しなかった歴史が記されている。さんなんさんは、土方君の謝罪と悔いを受けて、生きようとしたのだ。結果として、紗々女との間の子を慈しみ、そして土方君に続いて奥州まで行った。そこで別れたのは、病状の悪化が原因だろう。私は茫然と本を閉じ、風呂に向かった。着ている物は変わったのに、汗の名残だけはしっかりとあり、諸々の困惑と共に洗い流したい気分だったのだ。
それから改めて諸資料に目を通すと、新撰組の動向が微妙に以前と変わっている。例えば近藤さんは東山道軍に捕まったとこれまであったものが、彼はそこでは捕縛されず、土方君や私と共に会津まで行き、そこで討死している。他にもその後の運命が変わった隊士たちがちらほらといる。
晴雄さんの言葉を思い出す。歴史は変わらないほうがおかしいのだ、と。
そしてその晴雄さんもまた、鷹雪君の言っていたものとはやや違う未来を生きている。彼は養生に養生を重ねて長生きし、改暦の案を新政府に受諾させた。
私たちのタイムスリップが及ぼした影響に、私はただただ唖然とするしかなかった。





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