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小指と小指の約束

作者: 桜巳

それは ある星の ある物語

紡がれ続けた 誓いの物語


二人の守護者は 争いをやめました

けれど その悲しみと孤独が癒されるはずもないのです

二人の守護者は 逢うことを拒みました

二人の守護者は 笑いあうことを拒みました

あれほど 肩を抱き合い ともに歩んだ二人なのに


北と南を分ける 煌めく星粒の河に

二人は はじめて門番を立てました

それは 互いに相いれないことで争いをやめた

二人の 妥協案だったのでしょう


北には天使の少年が 煌めく星粒の河を背に立ちます

南には魔族の少女が 煌めく星粒の河を背に立ちます

それぞれ 何者も 通らないように


アル時 二人ハ 振リ返リ 物語ハ終ワリヲ迎エマス


同じ仕事をする二人は 言葉を交わしました

同じ年齢の二人は 握手をしました

同じ気持ちの二人は 小指と小指で約束をしました


忘れている 覚えているわけではないのです

けれど 二人は 約束を交わしました

いつまでも 仲良くいようという約束を

不思議な偶然 でも 二人の誓いによる必然

それは 皆に 後ろ指をさされる 罪なこと

それでも 二人は約束を交わしたのです

それは 逢いだったから

二人の純粋な気持ちだったから


それが 星を戻しました


北と南が互いに歩み寄ります 二人と同じように

最後には二人の守護者が歩み寄ります 昔のように

それが 幸福だと 少年と少女は言います

互いに 支えあえること 互いに 笑い逢えること

互いに 言葉を交わせること 互いに 気持ちを交わせること

それが 幸福だと 二人の守護者も言います


こうして 物語は終わりを迎えました

いつの世も 物語はめでたし めでたしで終わります


そのあとは どうなるのかって


小指と小指の約束は 決して破られることなく

手を繋いだ二人は 仲良く暮らしました


破るはずもない約束を 二人はしたのですから


めでたし めでたし


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