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ゆ→ま   作者: AO
1/1

《スーパージョブチェンジ》

【すずきくん】

僕はサトシ、勇者だ。

本当のことを言うと僕はこの世界の人間ではない。驚く人も多いと思うが1年前に別の世界の日本といく国から、ここ[タダマスの国]に来た。

目的は1つ。この世界を支配し、暴虐の限りを尽くす魔王、キリィを倒すためだ!


この1年間、僕は血の滲むような努力をして来た。

出会ったばかりだが信頼できる仲間もいる。

そしてなにより、この世界に転生するときに授かったこの力、《タキオンの右腕》だ。

この右腕に掴まれたモンスターは聖なる力によって浄化され、必ず消滅する。

また、悪魔たちの瘴気によって汚された傷や空気なども、なんでも浄化し、癒すことができる。まさに万能の力だ。


そして今、いよいよこの魔王城クマモトの前に来た。今日で僕たちの厳しかった冒険に終止符を打てるかもしれない!!

『みんな!心してかかるぞ!!』

『おう!』




<かっこいいOPと登場人物紹介>

・勇者スズキ -本名 鈴木智 性別男 3ヶ月前に現代日本から異世界転生して来た高校生。サッカー部のキャプテン兼エースストライカーであった。使用武器は両手剣。持ち前の運動神経、判断力、カリスマ性、そして神から授かった絶対浄化の力《タキオンの右腕》を持って打倒魔王キリィを目指す。


・魔道士サーラ-性別女 スズキが始まりの街カタラサ最初にであった女性。気の強さから盗賊に絡まれていたところをスズキに助けられた。後に魔道士としての才能を開花させ、スズキと行動を共にする。伝説のコーマロッドを持ち、得意魔法は氷結と回復系。胸が小さいことがコンプレックス、密かにサトシに思いを寄せている。


・戦士ダラン-性別男 元は心優しい大工であったが愛する妻子を魔王に奪われ復讐の鬼となった。スズキと出会い彼の人間性に惹かれ心を取り戻した。持ち前のタフさとパワーを生かした戦闘スタイル。使用武器はハンマー。得意技は圧縮した闘気を前方へ投げ出す、《ブレイブストライク》。


・僧侶テスタ-性別女 辺境の村ワヤの小さな教会の一人娘。心優しい性格で、穏やかな話し方をする。持ち前の魔法の才能で世界の平和と教会の孤児たちを守ため、魔王打倒を目指す。サーラとは対照的に胸は大きい。使用武器はムチ。得意魔法は封印魔法。伝説では魔王を封印できる唯一の僧侶だと予言されている。





〈OP終わり〉

-三時間後

『はあ、はあ、ついに魔王の部屋《玉座の間》まで来たぞ!!』

とは言っても僕たちはかなり満身創痍だ。

『テスタ、例のアレを頼む。』

『はい、皆さん近くへ寄ってください。オールキュアー!!!』


*パーティは全回復した。賢者の石を1つ消費した。


『これで準備万端だね!』

サーラは先ほどの疲れなどどこかへ吹き飛ばしたかのようないい笑顔をした。

『しかし、これで俺たちの戦いは終わるんだな。』

『そうだな、ダラン。君の妻子も喜ぶだろうよ。』

滅多に笑うことのないダランも微笑みを浮かべている。

『本当に皆さんと出会えてよかったですわ。』

『辛いこともたくさんあったが、君達と共に冒険できて楽しかったよ。』

みんな、複雑な顔をしているな。

『あたし!この戦いが終わったら好きな人に告白するよ!』

『サーラいよいよ想いを告げるのですね。』

『まだ言わないでよ、テスタ!絶対自分で言うんだから!』

なぜかサーラは顔を真っ赤にしている。

『よし、みんな!最後の戦いだ!絶対生き残るぞ!!』

『おう!』


勢い良く扉を開けた。

真っ赤な絨毯に天井から下げられた怪しげなシャンデリア、そして中央の玉座に座ったドクロ顔の魔王が見える。


『魔王キリィ!!勇者サトシが来たぞ!覚悟しろ!!』



「えっうそ、はやくね?やべーよ、どーしよオンラインなんだけど…」

は?なんか小声で聞こえたような、、


『ヨク来タナ勇者ヨ。貴様モ今マデ勇者ト同ジヨウニ秒殺シテクレルワ!!』

魔王が骨だけの右腕を僕たちの方へ向けた。

『死ネェ!!』

『危ない!伏せろ!!』

魔王の右腕から黒い稲妻が走る。

『ヨク避ケタナ、次ハ此ヨウニハイカンゾ!」

『喰らえ!《フリーズカーム》!!』

『グァ!!』

『よくやったサーラ!畳み掛けるぞ!!』

『ソウハサセルカァ!!』

魔王が黒いバリアを張る…



-1時間後


『貴様ラ中々ヤルナ』

魔王もだいぶ消耗して来ているようだ。

『もう一息だ!受けてみろ!ブレイブストライクッ!』


『グァ!えぇっ!?まずい!負けそう!』

『これでトドメだ!唸れっ俺の神の右腕!必殺!タキオンフラーッシュ!!!!!!!』



しーん



ん?沈黙が続く。効いてないのか?


『負けたーチクショーッッッ!!!』

え?俺ら勝ったのかな?


『オメーラのせいで、負けたじゃねーかよぉーッ!』

玉座の裏から眼鏡をかけたヒョロそうな青年が出て来た。

『おい、君は誰だ?どうしてここにいる!?」

『そんなことよりこれだよ!これ!』

青年は携帯ゲーム機を取り出し、【gameover】と書かれた画面を見せつけた。

ん?ゲーム機?なんでこの世界に?

『てか、おまえら来るの早すぎんだよ!もっと相手の気持ちなれよ!魔王には魔王の準備があんの!!」

状況が、飲み込めない。まさかっ

『もしかして、君が魔王なのか?』

『そーですっ、私が魔王なのかキリィですっ』

はあ?こんな青年が魔王?冗談も大概に…

『じょーだんじゃねーよ!俺の傀儡の暗黒魔法見たろ!本気出せばおまえら死んでんだからね!』

青年は眼鏡を外しながら言い放った。

もしかして、心が読め…

『読めるよ!おまえらの考えなんてダダ漏れだよ!!ドアの前から知ってますよ!そこの魔道士は勇者が好きなんでしょ!?俺を倒したら告白さんでしょ!?ありがちなんだよ!最終決戦前にフラグ立てるなよ!そうゆうとこ気遣えよ!だからパーティ仲間止まりなんだよ!』


サーラは顔を真っ赤した。


『はぁ!?ち、違うし!?ぜんっぜん好きじゃないし!しかもフラグじゃないし!』

『うるせーーーー!!心読めんくてもわかるよーなわかりやすいツンデレすなーッ!ほんっとありがち二番煎じツンデレヒロインだなこの貧乳!!』

『だっだっ誰がっ!!』

サーラ激昂してもう言葉にならないようだ。

『もうやめようサーラ。』

『だって、だって…』

もう泣きそうだ。

『おい魔王!これは女の子に対してあんまりにも酷いんじゃないか!』

『黙れモテ男!オタクだいたいはお前みたいなのに好きな子奪われて想いを告げずに終わるんだよ!まずお前らみんな設定がありきたりなんだよ。ポチー!?ポチー?!』

魔王は手を叩いて従者を呼んだ、直ぐにいかにも悪魔っぽい奴が来て図版に挟んだ書類を持って来た。

『あーもう、本当に持ってき方雑っ。何回教えたら分かるんだよ、見やすいように角の方折れって行ったでしょー?そんなんじゃどこも面接取ってくれないよー?』

『何がしたいんだこの魔王は…』

『おい!そこの戦士!今俺のこと部下に馬鹿にされてそうとか思ったろ!全部分かるんですからね!えー、なになに?』

魔王は書類をペラペラめくった。

『ふざけるな!貴様のせいで俺は妻子を奪われたんだぞ!』

ダランも激昂している。

『あー戦士ダラン?家族が魔障病で死亡?以降魔王に対して恨みを持つ?はいはいはい….』

『何が、はいはいだ!俺の憎しみは貴様の…」

『あのね、ダランくん。魔障病はただの流行病だよ?僕のせいじゃないの。無能な医者どもが勝手に僕のせいにしてるだけなの。』

『え、』

『だから君の憎しみはただの八つ当たりなんだなぁ』

『嘘をつくなぁ!!』

『いや、だって君の街は、僕の部下あさってないじゃん。全然魔王城から離れた辺境の街やん。襲う利益ないやん。』

『お前らは自分たちの戯れのために人を襲うだろ!』

『そんなことせんわ!いくら魔王でもまだ人間性保ってますー。ちゃんといきてますー。』

魔王は丸眼鏡をかけ直し書類を読みふけっている。

『うわっ僧侶84とか爆乳やん。それに比べて魔道士ー…かわいそっ。』

魔王は冷たい目でサーラを見ている。

『うるさい!』

『はーあ、勇者 鈴木智くんね。またこの手の異世界転生勇者かよ。しかも、チートスキルね。神様も飽きないなぁ。あ、これ返しといて、ありがと。』

書類を一通り読み終わった魔王は従者に書類を渡した。

『浄化系とかさ俺効かないのになぁ。』

髪をクルクルしながら言った。

『ちょっと待て、魔王は暗黒属性であるはずだ、なぜ光属性の術が効かないんだ?光耐性のスキルでも持っているのか?』

『光の加護持ってるよ。』

なぜ!?光の加護は選ばれし冒険者にしか与えられないはず…

『いや、だって、』

魔王は僕の心を読んで答えた。




『俺、前職 勇者だもん。』

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