7ともだち
ミコトも銃を構えて発砲する。ミコトは視えてはいないが捜査官はパラジットが暴走すると体から生えてくるHIの一部が人間の力に化してくる。その一部が捜査班には視えるのだ。下浦と三上にはおぞましい姿になっている白子が視えていた。
もしかしたらそれだけがミコトにとっての救いかもしれなかった。
「お願いです、大人しく保護されてください!」
「いや!!!私は捜査官になるの!!邪魔するなら神威さんでも許さない!」
彼女に少しずつ理性がなくなっていくのがわかった。もう言葉の交渉もできないくらい白子の精神は虫歯われていたのだ。三上と下浦も仮面を装備して応援する。
「神威先輩!ここじゃ狭いし器物損害で僕らが逮捕されちゃいますよ!」
「神威!場所を移そう!いったん図書館から出るぞ!」
下浦と三上の意見に頷いたミコトは引き付けるように図書館の窓から出ていく。それを見た白子は息を荒くして追いかけた。もう動きはまるで蜘蛛のようである。図書館は散乱とし静かになってしまった。
街には悲鳴が飛び交った。白子は目を緑に光らせてミコトたちを追いかける。
「神威さん!神威さん!早く私を止めてください!!!!」
「わかってます!」
白子の悲鳴にミコトは自分の首を守りながらパラジットの弱点であるうなじをめがけ発砲する。ドン白子の頬をかすめとると、白子は大声を出した。
「邪魔をするなっていったでしょ!!!!」
もうめちゃくちゃである。白子に理性はない。言葉も通じない。ミコトは戦闘が始まってから一度も仮面を装備していない。それはともだちでありたかったからだ。仮面を装備したら本当にただの捜査官とパラジットの攻防になってしまうとミコトは思っていた。だからあえて仮面は装備していない。それを見ていた三上はミコトに声をかけた。
「何躊躇してるんですか!もう手遅れです!彼女はこの場で処理するしかありません!このままじゃ街の人民に被害がおよびます!」
「うるさい!!私は神威さんと喋ってるの!邪魔しないで!!」
白子は長い蜘蛛の足で三上を蹴り飛ばした。三上は大きく飛ばされ電柱にぶつかる。
「三上!!」
下浦は三上の方に視線を向けた。三上は背中を押えてなんとか立てるようだった。下浦はどう安全に白子を保護するか考えていた。まだ人民に被害はだしていない。死者も出していない。浄土弾を使う必要はないと判断していた。
だから三上が見誤って白子を殺してしまわないか焦っていた。
「白子さん!聞こえてますか!捜査官になりたかったら!おとなしく保護されてください!」
「うるさいうるさい!!!!!私は!!!私は!!!神威さんが」
そこで白子の言葉が途切れた。三上が打った麻酔弾が胸に当たったのである。しかし白子は弱ることはなかった。白子はいったん民家の屋根まで逃げた。そして怒りをあらわにした表情で三上を睨む。
「お前は殺す」
低く白子は三上にそう言って姿を消した。




