6ともだち
「目になりたい…?」
「はい!」
もともと彼女は学力がなく高校も中退しそうだったという。そんな時、HIが視えてミコトと出会って命まで助けてくれたことに、白子は感動していた。自分も世の中の何かに役に立つのなら、ミコトに何か助けれることがあるのならと、彼女はHI警察の学校へ通うようになったのだ。
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「それから三か月、僕にHIやパラジットについて詳しく知りたいと教師をお願いしましたよね」
「そ、そうでした。懐かしいですね」
少し気持ちが落ち着いたのか、平常な表情で頷いた。しかしもう事は遅いのである。白子は二回目会った時はパラジットになっていたのだ。ミコトはこの勘が外れてほしいとずっと願い続け、泳がせていた。三か月、白子は自我を保てなくなってきているようだった。気持ちが不安定だったり、突然家族を殺そうとしそうになってしまったと、ミコトに泣いた時もあった。彼女自身が気づいてないのだから、残酷である。
「私は…捜査官になれますか?」
「なれます」
会話のやりとりを聞いていた下浦は見ていられないように俯いた。三上ははてなと首をかしげる。
「そーゆうことかよ、神威のやつ珍しく情が入ったんだな…このままじゃ彼女とは辛い別れになるぞ」
「珍しいんですね、僕はまだ神威先輩のことあんまり知らないんですけれども、でもどのみちこのまま放置して保護不要になってしまうのは悲しくないですか?」
「だよな…」
下浦は深くため息をついた。もう夢も叶うこともできない彼女にしてあげれることはないのだろうかと考えた。今からいつ精神が崩壊して暴れだすのかもわからない。そんな白子に。
「白子さん、僕らはともだちです。忘れないでください」
「ともだち?ですか?」
「はい、だからこれからも僕の目になる夢諦めないですださい」
ミコトが白子のの手を離すと、白子はぽろぽろと涙をこぼした。それは悲しみの涙だった。
「下浦さん、三上さん、武器を構えてください」
大きな声でミコトは二人を呼んだ。気が付くと視える二人の視界には白子の背中から蜘蛛のような足が伸びていたのだる。パラジットが牙を向いたのだ。
「神威伏せろ!!」
下浦は身を潜めていた場所から出て急いで麻酔弾を放った。だが空振り。白子は背中の足で壁に張り付く。
「なんで!!!知っていたのに私に優しくするんですか!!!」
白子は叫んだ。白子も自分がパラジットであったことに気づいていた。でも自我を保てれるならと必死になった。でもそうにはならなかった。気づかないうちに自分の人格が変わりそうになる恐怖、もしかしたら化学医療班に助けてもらえるかもしれないという希望。そんな複雑な感情のまま、ミコトに「ともだち」と言われたのだ。
そんな大切なとだちに害を加えるパラジットである事実が白子は悲しくて仕方がなかった。




