4ともだち
それは三か月前。
ミコトが仕事から帰っていた時だった。路地の裏で女性の悲鳴が聞こえた。なにかあったとミコトは走る。声のした方へ走ると一人の女子高生が腰を抜かして震えていた。
ミコトもなんのことだかすぐにわかった。
その女子高生、白子はHIを視てしまったのである。ミコトには何も見えないが、何もない場所を見て震えていることと、勘でわかるミコトは白子がHIに怯えていることにすぐ状況を理解した。
「立てますか?」
「むっ無理…足、動けない…」
ミコトは護身用に持っていたパラジット捜査官討伐班が持つナイフを手に出す。万が一自分に寄生してこようとするときに使うことがある。
ミコトは白子にナイフを渡した。
「これで今視える生き物を刺せますか?」
「むっ無理無理無理!ていうか女子高生にこんな刃物持たせて何言ってるんですか!あなたも視えているなら助けてくださいよ!」
半泣きの白子である。しかしミコトは感じるだけで視えない。下手に動いて白子が犠牲になるのもわかっている。こんな時に討伐班はなにをしているんだと、歯ぎしりをした。
「じゃあ、今視えているものがどこにいるか教えてください、できるだけ詳しく、どこに襲いにきているのかもお願いします」
「そんなこと言われてもっキャッ」
ミコトは仮面を身に着けナイフで白子の目の前にいるだろうHIに斬りかかった。
「今奴はどこにいますか?!」
「えっとすぐ真横!右です!」
瞬時にミコトは右へナイフを振る。HIに攻撃があたっているようで、HIはうめき声を出す。しかしミコトはその声すら聞こえないのだった。白子は固まってしまう。
「次!どこかに逃げましたか!?」
「へっえっえ…足元にいますっひっくり返って、じたばたしてて、気持ち悪いです!!」
ミコトは大きく振りかぶって地面にナイフを降ろした。HIに対パラジット武器のナイフが刺さった。その感覚はミコトは察知すると、仮面を静かに外した。
「もういませんよね?」
「あ…はい、消えてしまいました…今のは止めですか?」
安心したのか白子はようやく立った。ミコトはふうと一息ついた。仮面とナイフをバッグにしまう。
「僕には何も視えてないんですけどね、あなたが指示してくれたおかげで助かりました。あなたが視えていたものはHIですよ」
「うそっあ、あんな気持ちの悪いのがHI…」
白子だけでない、HIとパラジットの存在は全国の人が認知している。初めて本物を視たらしく白子は再び身体を震えさせる。
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