3ともだち
どういうことか事が全くつかめないでいると、ミコトはどこかへと歩き出した。それに気づいた二人はコソコソと後ろからついていく。少し歩くと図書館へミコトは入って行った。二人はさらに頭にハテナを浮かべてついていく。
「あの…パラジットに会うってどーゆうことなんでしょうか。知ってるはずならとっくに刑務所に送ってますよね」
「しっ、声小さく。多分ミコトのことだ何か考えがあるんだろうな。あいつは策を思いつくのが得意だから」
三上と下浦は遠めの席で座るミコトを監視していると、そっと女性がミコトに近づいてきた。黒くて長い髪をポニーテールにしたHI警察の学生の人だった。それを見た三上は目を見開く。
「あっあの女性パラジットですよ!うまくコンタクトで隠しているつもりでしょうが、一瞬影でグリーンに光りました」
「お前目いいな、こんな遠くから…視力いくつだよ」
「2.0です」
「は!?」
「しっ」
しーっと三上は姿勢を低くした。ミコトの座っている席の真向かいに女性は座ったのである。そして親し気に話していた。ミコトもいつも通りの笑顔で彼女と喋っているようだ。
「神威さん今日も仕事中なのに勉強の手伝いしてくださってありがとうございます」
「いえいえ、僕にはお構いなく。今日はどの辺がわからないんですか?」
「えっと、この寄生されたパラジットの…」
どうやらミコトは女性にパラジットの勉強を教えているようである。そのまだ若々しい女性の名前は育白子十七歳。ちょうどHI警察学校の生徒と思われてもおかしくはなかった。しかし、この捜査官のたまごがどうしてパラジットであるのがわからなかった。
「白子さん、最近調子どうですか?気分があがらないとか、言ってましたよね」
「あ、はい。相変わらずです。全然勉強に集中できないし、なんだか私本当にパラジット捜査官になれるのかなって。イライラしがちになってきたというか…」
苦笑しながら白子はペンをくるくると指で遊んでいた。
「もしかしたら精神的にもうきているのかもしれないな彼女」
下浦はヒソッと三上に言う。寄生されたパラジットはだいたい脳を洗脳され自我を保ちながら潜んでいるが、そうでないパラジットは精神がおかしくなる。だから殺人をおかしたり、奇行をしたりするのだ。白子は後者にあたる。
いったいいつからこのパラジットと知り合ったのだろうと下浦は思っていた。
「あれがパラジットなら早く保護しなきゃいけなくないですか?」
「待て、監視してろって言われてるだろ?何か指示があるまで動かないほうがいいだろうな」
三上は納得いかないのかムスッと頬を膨らます。
「あと、ちょっと前から頭痛がひどくて…あっ」
痛むのか白子は頭をおさえた。ミコトは「大丈夫ですか?」と慌てる。その時だった。
「触らないで!」
静かな図書館で大きく彼女の声が響いた。息遣いもあらかった。ついさっきまで温厚そうな彼女とはずいぶん変わっている。
しんと静まりかえるとハッと我に返ったようにおろおろとしていた。
「ご…ごめんなさい…」
「いえ、大丈夫ですよ」
ミコトは彼女の大声にはびっくりしたようだがすぐに平常心に戻った。そしてミコトは白子の手を握る。
「覚えてますか、初めて会った日のこと」
「初めて…会った日…」
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