表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/18

つわり

世間一般につわり時期はマーライオンなどと言われているが、私の場合は喉元からウゲッと衝撃が上がってくるだけで、あまり嘔吐は無かった。嘔吐は妊娠時期全編通して2回だけだった。とは言えほぼ24時間強い吐気とそのウゲッの衝撃がまとわりついてくる。なかなか苦痛だった。


つわり開始後1週間(カウント的には妊娠2ヶ月目)は自分を騙し騙し仕事をし、無事勤務終了。翌日からベッドの上で全日グッタリしていた。これが妊娠5ヶ月目まで続いた。


持っていた本に「お腹が大きくなる前にマタニティ用のショーツを買っておいても良かったかも。すごく楽」と載っていたので試したところとても良かった。この時期のまだ細い体にすら、普通の下着は圧迫になる事が分かった。


匂いに関して。

前もって色んな情報をきいていた。食べ物の匂い、洗剤の匂い、異性の匂いなど何が吐気の引き金になるかは個人差がある。

私は冷蔵庫の匂いがダメだった。鼻で息をしてなくても扉をあけた瞬間ウゲッ!なのだ。主人がいる時は冷蔵庫の開閉を任せていた。

その他の匂いはそんなに問題なかった様に思う。


そして匂い以外も引き金になる。

お風呂上がりや、外出から帰ってきた際の口渇からの吐気がひどかった。入浴時は浴室前に冷たい飲み物をスタンバイすればどうにかなったが、帰宅時の大きな吐気はどうしようもなくていつも台所のシンクに駆け込んでいた。ウゲッだけで終わるものの辛かった。


よだれづわりにもなった。

妊娠しない限り耳慣れない言葉だとは思う。産後の今「ホントあれ何だったんだろうな」と首を傾げたくなる現象だった。

粘度の低いサラサラの唾液が絶えず分泌されるのだ。飲み込むことが追いつけないスピードでだ。悪ふざけで蛇口をずっと開けているみたいな感じだった。

最初はタオルやティッシュを使っていたがキリがないので捨てる覚悟のコップや空のペットボトルに移行した。外出の際も常に空のペットボトル(にボトルカバーをつけたもの)を持っていた。

この症状は吐気がおさまった後もダラダラ続き、結局妊娠7ヶ月目後半で収束した。


そんな時期を支えてくれた食材は以下の通り。チョコチップクッキー、チョコアイス、ピザトースト、カツ丼、フライドチキン、フライドポテト、甘い炭酸水、マーボーナス、冷凍お好み焼き、冷凍ピザ、かき氷みたいなイチゴシャーベット、チーズフロマージュ(チーズの塊がコロコロ入っている柔らかいフランスパンみたいなもの)。例に漏れず味の濃いものが美味しかった。

反対に想像しただけで無理になった食材はご飯、豆腐など味の薄いもの。

出かけられなかった日は主人にメールで頼んで仕事帰りに食材を買ってきてもらっていた。私からの希望以外にも「これもいけそうかなと思って」と色々買ってきてくれた。冷凍食材は彼の提案から私の定番メニューとなっていた。しかし、惣菜のいなり寿司は「やったー!おいしー!」という日と「見たくもない……」という日があった。


そしてつわりの終わりとともに食欲爆発の波が来た。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ