出産前日
(※今回、少し怖い話も書いてあるので妊娠中の方は読まない方がいいかもしれません)
その日は診察日で、金曜日だった。予定日を4日過ぎているが、本陣痛なし・子宮口もまだ全然・破水もなしということで「今度の日曜日に入院、月曜日から促進剤を投与しましょう」と先生に言われた。「はい」と返事した途端、急激に不安が襲ってきて泣いてしまった。
「こわい、死ぬかもしれない」
「赤ちゃんが?」
「自分のほうです。インターネットで、促進剤打って陣痛より頭痛がひどかった妊婦さんが脳出血でそのまま亡くなったり寝たきりになった話を見たんです。勿論当日そうなったらすぐ先生に伝えれば対処してくれるのは理解してるけど、こわいです」
「めちゃくちゃこわい話を見ちゃったんだね。そういうことは本当に滅多にないから。促進剤もね、一気に打つんじゃなくて体調を細かく見ながら、少量から徐々に増やしていく点滴だから」
先生がゆっくり丁寧に説明してくれたのと、自分自身が不安に思っていることを丸出しにして伝えられた事で少し落ち着いた。
帰り道、いつもそうしていたように受診結果と合わせて先生と話したことを主人にメール。これでまたさらに落ち着いた。
気を取り直し、2人きり最後の週末・晩餐に備えカレーの材料と惣菜のヒレカツを買い込み帰宅。野菜と肉を焼いて少し煮込んだ所で疲れて昼寝した。
夜6時過ぎ、ベッドから降りた時に異変が起きた。「プチッ、じょばあああ」という感じで破水したのだ。覚悟はしていたものの突然のことに右往左往。とりあえず新しい下着やらタイツやら生理用ナプキンやら持ってトイレへ。着替えて、汚れてしまった服を簡単に洗って洗濯機へ放り込んだ。
携帯で病院に連絡、すぐ来るようにとの指示をもらう。そして作りかけの鍋にカレールーをぶちこみ、入院の準備(概ねしてあったので、最後の仕上げ。毎日使う化粧水や携帯の充電器など)をして、陣痛タクシーに電話をかけた。タクシーはすぐ来てくれた。破水からここまでで30分。
運転手さんは穏やかな女性で、雨の中うちの玄関から停めてあるタクシーまでボストンバッグを持ってくれたり、運転中も明るく話しかけてくれた。
出発から30分後に病院に到着。助産師さんに診てもらい、今夜は抗生剤だけ投与となった。左腕に太い針を刺され、そこから投与された。少し痛かった。
「針太いですね。これずっと刺しっぱなしですか?」
「うん刺しっぱなし。明日もここから促進剤入れるよ。抜き差し繰り返す方が痛いからね」
抜き差し……そりゃ痛いわ……と思った。
明朝まで待ってまだ陣痛が無いようなら促進剤投与ということになった。
この後主人も仕事からチョクで病院に到着。陣痛室から個室の病室にうつり、いよいよだね〜とか、カレー作ってきたけどジャガイモ絶対まだ固いからよく煮込んでから食べてねとか、洗濯機絶対回してねとか、色々話してリラックスした。
主人を見送り、病室で1人、大奥のスペシャルを見ながらピザパンとチョコパンを食べた。(入院時刻のタイミングが遅く、病院のご飯は用意されなかった。電話した時点でそれは言われていた為、パンは持ち込み。)
大奥では沢尻エリカがお産をしていたがシーンは数秒で終わった。「マジかよ私これから長い戦いなんですけど」と思った。
夜中の1時に再度陣痛が無いことを確認し「早朝起こしにくるからそれまでよく寝てね」と助産師さんに言われた。興奮して寝られず、ツイッターをぼーっと見ていた。




