悪魔の城
久保茜3歳
幼稚園 年少組
会社員の父親 正行
専業主婦の母親 翠
と3人暮らし。
関東地方の郊外で
父親が一昨年
30年ローンで買った
念願の新築一戸建てに住んでいる
会社から近い都心のマンションではなく
郊外に一軒家を買ったのには理由がある
子供が生まれたので
マンションで隣や上下階の人に
気を使って暮らすよりも
多少、通勤に時間が掛かっても
郊外で のびのびと育てたいと
思っていたからだ
それと、もう1つ理由があった
久保家は動物が大好きで
犬1匹と猫2匹を飼っていた
他にも飼いたい動物があったが
マンションでは限界があった
通勤時間は以前の片道30分から
現在は片道2時間と大幅に増えてしまったが
正行はそれで良かったと思っている
朝早く出勤し夜遅く帰宅する
生活になってしまい
平日は寝ている茜の顔しか見れないが
翠は前よりも明るくなったし
茜も毎日、楽しそうに生活している様子で
通勤時間が長い事など苦にならず
マンションではなく一軒家を
選んで正解だと感じていた
正行は幸福だった
休みの日には
家族 揃ってよく
近くの動物園へと出掛けた
その日は気持ちがいい
お天気の日だった・・・
いつも来ているので
動物園の休日や営業時間
どこに、どんな動物が居るのか位は
自然と覚えていた
その日もいつも来ている時のように
お決まりのルートで動物園内を進んでいた
ある動物の前まで来ると
そこだけ黒山の人だかりが出来ている
前まで何もなかった場所だ
よく見ると看板に
「本日、初お披露目
シロクマのシロちゃん!」
と書かれている。
茜は普通の熊は見たことがあったが
シロクマは見たことがないので
どうしても見たかった!
「見たいー!」と
正行に、せがむ。
正行は茜を肩車し
人ごみを、かき分け
シロクマの所へと進んで行く
そして、なんとか
シロクマが見える所まで
たどり着く!
シロクマを初めて見た
茜は、こう言った・・・
「あ!熊の白いのだ!!!」
あ!熊の白
あくまのしろ
悪魔の城
・・・・・・・・・・・
完