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最後の放課後

作者: 思惟

詩に近い独白です。

私を見つけて。



探して私を。



この檻のような寂しい場所から救い出して。








私は今学校の屋上にいる。不安定で無限に広がる足元。










私の足元の下には私の通っていた学校がある。




私はその中から探しだしてほしかった。




私はどこにでもいたの。




教室にも



廊下にでも



あの秋桜の咲いている花壇の横にも



情報室、昇降口、自転車置き場、職員室の前、体育館、視聴覚室、音楽室、家庭科室、図書館、テニスコート、プール、中庭、



にだっていたの。



私はたくさんの人と


同じ制服をきて


同じ靴をはいて


授業をうけて


ここにいたの。


私を探して



私は早朝から校舎にいて


たくさんの音を聞いていたの


そして下校時刻の音楽が鳴るまで


校舎にいたの





私を探して


たくさんの人たちから








同じことをし同じものを身につけている


おおぜいの人たちから




私を探して


この校舎のどこかにいるから


探して見つけて


分かって




ここに私がいるということを認識してほしいの


証がほしかったの


ここにいると


確かにここに存在していたと。







「・・・私のこと名前以外に知ってる人いたのかな?」






「おい、なにしてる?ここは部外者は立ち入り禁止だ。」



私はその声を聞いて微笑んだ。



「なによ。部外者って。さっきまでここの生徒だったじゃない。」




「うるさい。部外者なもんは部外者だろ。悔しかったら留年するか、教師にでもなって戻って来い。」



「なにそれ意味わかんない。」

「いいから。速くこっち来いよ。」


優しいあなたの手が差し出される。



「ねぇ先生はいつから私を知ってたの?」





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― 新着の感想 ―
[一言] 共感できて良かったけど、ちょっと短くて物足りないデス・・・。
[一言] 『大勢の人間といるとき、いつも私は一人だった』というヘミングウェイ(だったかな?)の言葉を思い出しました。 うーん、寂しい感じのする作品ですね。後半のノリは何だか恋愛の匂いがしましたが。 特…
[一言] 確かに詩に近いですね。 少しせつない話しですね。 これからも頑張って下さいね
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