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そのガレージ

作者: 祁答院 刻
掲載日:2025/10/12

駅前で

くちぶえ吹いても

住宅街を深堀りした

ディープな路地ですべてくずれるだろう


足がすくみ

頭を振りたくなる

アメリカ系の一軒家

会いたくもない過去のそのガレージに


雨が降る

嘘と化粧が流れていく


そしてひとりだ

ずぶぬれを笑う他人はいない


ガレージが秘めたのは古ぼけたエンジン

走れず

見えず

気の狂った

おさなごころの赤い車


運転席には泣きつかれたミイラが

助手席には静かに甘い未練がいて


ガレージは復讐する


そしらぬ顔で

都会に心紛らわせた日を


面と向かって


そのガレージは………

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