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たからしまのちズ  作者: まろやかポン酢風味
7年前の事件
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主任司書の豹変

「これ、本当は村の子供たちがやったんじゃないの?」と玲也(レイヤ)が言った刹那(せつな)背後(はいご)から「滅多(めった)なことを言うもんじゃない」と語気(ごき)(あら)げた男性の声がした。不意(ふい)()かれたことと、背後からであったことから、二人(ふたり)(おどろ)いて飛びのき、持っていた新聞紙を落としてしまった。その際、その新聞紙が(たて)()けた。「また子供がこんなところに、と思ったら、またお前たちか」と、前回とは打って変わって、とても(こわ)表情(ひょうじょう)をした田島主任司書(しゅにんししょ)怒気(どき)をはらんだ声で恫喝(どうかつ)してきた。


(さわ)ぎを聞きつけてやってきた女性職員が強めの声で「主任!!何やってるんですか!」と(とが)めだてるものの、主任司書は彼女の方に()り返りざま「うるさい!お前は(だま)ってろ!」と怒鳴(どな)りつけた。まるで人が()わったかのような主任の様子(ようす)に彼女は驚いて固まってしまった。玲也も驚きと恐怖(きょうふ)(ちぢ)こまっていたが、シマオは静かにパニック症状(しょうじょう)を起こしてしまい、開いたままの辞書(じしょ)を落としたまま、ぶるぶると(ふる)えながら硬直(こうちょく)してしまった。女性職員が出向いたのを見て事態(じたい)静観(せいかん)していた葉山(はやま)は、主任司書が女性職員にまで怒鳴りつけたのを聞いて()けつけて来た。そして、女性職員の背後(はいご)から彼女と田島主任司書の(あいだ)()って入ってきた。若い男性である葉山が入ってきたことで、当初、(からだ)を子供たちの方に向けて女性職員の方に振り返っていた状態(じょうたい)だった田島は、その全身(ぜんしん)を葉山の方に方に向けた。その瞬間(しゅんかん)、葉山が玲也たちに何度(なんど)目配(めくば)せをしたので、3度目で合図(あいず)気付(きづ)いた玲也は、(いま)だに(かた)まっているシマオを()さぶって正気(しょうき)を取り(もど)させると、彼の手を引いて図書館(としょかん)から()げ出したのであった。


結局(けっきょく)、玲也は新聞ラックの(そば)で立ち読みしていただけだったので、持ってきた辞書を使わなかったので自分の辞書が入った(カバン)を持って出てきたが、シマオは図書館に漢字辞書(かんじじしょ)を落としたまま逃げ出してしまった。そのことをどうしようかと駐輪場(ちゅうりんじょう)(なや)んでいると、しばらくして、図書館から女性職員が出てきてシマオの辞書を(かえ)してくれた。なぜか女性職員が(あやま)ってくれたが、そんな彼女でも、なぜ田島主任司書が豹変(ひょうへん)してしまったのかは()らなかったようだ。「滅多(めった)(おこ)ったりしない人なんだけどねぇ、あなたたち、何かしたの?」と言われ、「(むかし)事件(じけん)犯人(はんにん)が村の子供達(こどもたち)なんじゃないかって言ったら”めったなことを何とか”って怒られた」と玲也が答えると「憶測(おくそく)でそんなことを言うのは、ちょっとね、でも、それでも主任のあの怒り方はやり過ぎよ」と彼女も()に落ちない様子だった。「確かに玲也の発言(はつげん)軽率(けいそつ)ではあるけど、だからと言って怒鳴りつけるのは大人としてどうかと思うよ」と、ようやく落ち着きを取り戻したシマオが田島主任司書の豹変ぶりに(いきどお)りを述べる。「こちらでもなんとかしておくけど、2人はしばらくここに来ない方が良いかもしれないわね」と言う女性職員の(すす)めに少年2人は同意(どうい)し、その後、2人はシマノ美容室に戻ることにした。

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