前へ目次 次へ PR 4/30 イルミネーション 闇夜を彩る光の地上を、私は最上階の窓から無言で見下ろす。 この人工のジャングルに電飾の華畑の中で、昼間とは別の羽音を立て飛び交う騒音がこの悲哀なる心を慰め励ます。 確かに静寂は癒しをくれる。だが長居すると、孤独をも味わう。生き甲斐ある人生が欲しくば、これだけの賑わいが丁度良いと痛感する。 でも今の私にはもう、眩し過ぎる。とめどなく溢れる涙に呟いた。 「失って、初めて気付いた」 そうして私はこの街を後にした。