気になるお年頃
「で、あのあとどうしたんだ?」
蛍にもう一度勉強を教えてほしいと頼まれた次の日、学校に行くと真っ先に春樹に詰め寄られた。
「どうって。ただご飯食べただけだよ。」
「んなわけあるか!!かわいい子ちゃっかりお持ち帰りしやがって。ほかの奴も見てたんだからな!言い逃れできざいぞ!」
さっきっから謎にこっちを見てくる視線が多いと思っていたが理由が分かった。
「ほんとになにもないよ。」
僕はありのままのことを伝えた。でも春樹は信じていない目をしながらこっちをにらんでくる。そんなときHRの始まりを告げるチャイムがなった。
「ほら,HRはじまるぞ。」
僕がそう言うと春樹は「ぐぬぬ...」と納得していない顔で席に戻る。
「はぁ...」
蛍と再会できたことはとてもうれしかった。でもこんなことがあるのはめんどくさいなと思ってしまい、朝から憂鬱な気持ちになった。
そこから休み時間のたびに絡んでくる春樹を適当にかわしながら過ごしていたらお昼休みになっていた。
「ゆー。購買行こうぜー」
「ん。今日の弁当なんだっけ」
「唐揚げだったきがするよ」
春樹と雑談をしながら購買に向かった。うちの高校には売店がありパン、弁当、お菓子などだいたいの物を買うことができる。今日は何にしようかな、と考えているよ前から歩いてくる蛍の姿が見えた。
「!!せんぱーい!!」
蛍もこちらに気が付き元気よく手を振ってきたため、僕は小さく手を振り返した。
「先輩も購買ですか?」
「うん。今日は購買でいいかなって」
「うちの購買種類あるらしいですもんね~、何にしようか迷っちゃいます!」
僕と蛍でしゃべっていると横にいる春樹が居心地が悪そうに話しに入ってきた。
「えーっと蛍ちゃん、俺とは話してくれないの?」
「!! 染井野さんいたんですね!」
「ひどくない?ずっと悠の隣にいたんだけど......」
春樹はショックそうに肩を落としていた。
「そーいえば蛍ちゃん、昨日こいつとほんとにご飯食べに行っただけなの?!?!」
こいつまだ納得してなかったのか。僕は内心あきれていた。
「はいっ!ご飯食べてかえりましたよ?」
「そっか安心したわ~!こいつにお持ち帰りされてたらどうしようかと」
「先輩にならお持ち帰りされますよ?」
蛍がさらっと爆弾を落としたような気がした。
「?!?!?!それってどうゆー」
春樹が蛍にその意味を聞こうとしていたが蛍は
「先輩それじゃあ購買行ってきますね!」
逃げた。ガン逃げしようとしている。ただ僕の横を通り過ぎるとき小声で
「先輩、勉強のこと誰にも言ってないんですね。そんなに私と二人の秘密がよかったんですか?」
と言ってきた。小声だったため周りの人には聞かれていないだろうが隣にいた春樹には聞こえていたらしい。
「ちょ、お前どーゆーことだよ!!!!!」
春樹からの顔を赤く照れながら追及してくる。反抗しようにもこちらにはそれができない。隣にいた春樹が照れてしまうのだ。直接受けた自分の顔は赤くなりすぎていただろう。
(ほんっとにどーゆーことだよ)
僕は顔の赤みが引くまで熱くなりすぎた顔を背けるのに必死で春樹に言葉を返すことができなかった。
あとがき
誤字、脱字、感想書いてくれるとまじで飛び跳ねてよろこびます。不束者ですがよろしくお願いします。