ベッツの回想 2
ベッツはぼやっとした意識が鮮明になった時、体を自由に動かすことが出来なかった。失意と絶望の中ダリアさんが側に居てくれていた。静かに寄り添い体を温め、擦っては体を少しづつ動かしてくれた。
新しいお医者様に診てもらってお薬を変えたら少しづつ食欲が出てきた。毎日毎日、ダリアさんとマナが体を拭き清めてくれた。ダリアさんが作ってくれた寝衣は色々の色やリボンが付いていてとても着替えるのが楽しみになった。
お父様が毎日声を掛けてくれるようになった。部屋に入り私の髪をなでておはようのキスをしてくれた。寝衣からワンピースに着替えた。お父様が部屋に来て私を抱き上げて食堂に向かった。お父様と食事を一緒にできるのは母が亡くなってから初めてかもしれない。
それからは父の仕事で早出以外は必ず一緒に食事をした。沢山お話をするようになった。私が自力で歩けるようになると部屋からエスコートしてくれた。たまには私がお父様を誘いに行くことも出来るようになった。お母様のいた頃よりお父様と沢山話が出来るようになった。
ハンナは私のネックレスを盗んだから辞めてもらったらしい。やっと健康な体を取り戻したから、母やダリアさんに誇れる女性になりたい。女性でも自分の足で立てる人になりたい。学院に入るまでには時間がまだある。家庭教師とお父様の協力を仰いで頑張ろうと思う。
ダリアさんがここを出ていくことを知った。ダリアさんは屋敷の使用人の枠から出ることはなかった。洋服を作る仕事に戻っていく。止めることが出来ない父と私は、笑顔で伯爵家を去って行くダリアさんを見送った。
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