ダリアは、持参金のおまけでエリオットと結婚しました
母が亡くなり父は、一人で兄と姉、私を育てた。兄は跡取りとして厳しく優しく導く。可愛い姉は、我儘も愛しい、父の自慢の娘。欲しい物何でも買ってしまう。そのために一生懸命働く父は、家に居る時間はほとんどない。自宅にいるわずかな時間は、兄と姉にと過ごしていた。
私ダリアは、家庭教師と乳母のノンに育てられた。兄は跡継ぎなので男爵領の仕事を学ぶ。学院卒業後は父の商会の仕事も参加している。兄は、姉同様 濃い菫色の髪に濃い色の瞳をしていて背も高い。運動能力も高く子供の頃は、騎士になると言い出し家庭教師も付けてもらった。
さすがに、大人になったら自分の力量を知って父の後を継ぐことにしたようだ。
ちょっと豊かな男爵家はハードルが低いせいか、持参金が多いせいか、婚姻希望者が多い。さらに、姉が望まれて辺境伯に嫁いだこともあり兄の周りは騒がしくなった。
格上のお嬢様は、無駄なプライドが高い。自分からは迫ってこない。請われれば嫁に行ってもよいくらいと嘯く。兄は人気がある。ダリアの実家になるんだから、気立ての良い人を選んで欲しい。兄が決める事なので妹の私は、口を出すことは出来ない。
そんな中、小姑になりたくなかった私のもとにラザフォード家からの結婚の申し込み。渡りに船で結婚を決めた。ダリアは、姉兄に比べれば見てくれも良くない。両親にも似ていない。不貞の子供か貰い子かといわれた頃もあった。
小さい頃は結構心を痛めた。実は父方の亡くなった曾祖母が黒目黒髪だったそうだ。今は失われた魔法が使えたらしい。眉唾ものだが、この家の子であることがわかって安心したものだ。
最初の顔合わせは、年上のエリオットがマーガレットの花を持って現れた。
物腰は柔らかく父とも話が合う。時折ダリアにも声を掛けてくれた。
「いい人みたいで良かったな」父は、大乗り気になった。
私は愛想笑いしながらエリオットを観察した。顔はとても整っているが、誠意が感じられない笑顔に、白いきれいな指。何の鍛錬もしていない体。
姉の旦那様の辺境伯の凛々しい姿と比較すると軟弱!一言に尽きる。父との会話でも相槌は打つけど、自らの意見は言わない。
無事、顔合わせが終わり婚約がすぐに決まった。結婚は学院卒業と同時だ。
しばらく格上の貴族家に行儀見習いに行かせるか父が話す。エリオットのお母様が、すべての躾を嫁ぎ先のしきたりに合わせるため行儀見習いはいらないと言われた。
傾いた子爵家立て直しのための持参金をもたされ、学院卒業後すぐにダリアは嫁いだ。父は泣くこともなく、笑って送り出してくれた。
誤字脱字報告ありがとうございます




