私はダナーのために毒をささげた
今日の昼間執事のワイルドカードから城で働いている職場に連絡が来た。ベッツが毒を盛られたのですぐ下城をとの連絡だった。朝出てくるときのベッツの白い顔が目に浮かんだ。妻の顔と一緒だと気が付いた。城の医師に連絡を取り共に屋敷に戻る。
焦る自分の前に白いドレスをひらひらさせたエリザベーナがいた。
「お帰りなさいませ。ダナーお疲れでしょお茶の準備をしますね」
にこやかな笑顔で出迎える。なぜ、お前が女主人の様な態度をとる。娘が苦しんでいるのにお茶などできるか。
「ベッツはどうしている。タロット医師を案内してくれ」
執事に案内を頼む。
「ベッツは薬を飲んで寝てますよ。ダナー」
エリザベーナはいつものように伯爵に甘い声を掛ける。
「うるさい!屋敷から出ていってくれ」
「えっ なんで・・・」
伯爵は声を荒る。いつもと違う伯爵の言動にエリザベーナは理解できない。金切り声を上げる。
「どうしてよ ベッツなんてもう死ぬのに・・ダナーは混乱しているのね。わたしが一番なはず。あの女のせいだわ。ダナーは騙されているのよ。私が助けなければ・・・」
なんだかんだと言い募るエリザベーナを押しのけ馬車に乗せて自宅に送り返した。見せられたどす黒い銀のスプーンと薬液。以前からベッツの様子が気にかかり伯爵は医師を変えようかと思っていた。
診察依頼を以前から出していたが、急変に慌てて城の医師タロットを連れてきてしまった。タロットは高齢の熟練した医師だ。娘の診察をお願いした。
待つ時間が長い。妻のやせ衰えた姿を思い出す。
「ブルックリン伯爵、ヒ素中毒だと思います。少しずつ服用されていたので
徐々に体調が悪くなったところに最近増やされた様子です。心当たりありますか」
タロット医師に妻の病死から今日までのベッツの様子を伝える。
「今出されている薬をすべてやめて、体の中から毒を出すようにしましょう。今日はこのまま体を休めて明日解毒効果の高いお薬をお持ちします」
ここ最近、毒の量が増えたため強く症状が出たが持ち直せる。と言われた。
体の中の臓器も傷んでいるから時間はかかる。若いので回復が望める。その言葉だけが救いだった。エリザベーナから貰った滋養強壮の薬と元医者の薬の分析を依頼した。
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