ベッツイナーお嬢様毒を盛られる
伯爵邸でのエリザベーナ様の暴言。ダリアはお嬢様の所に行くのは気後れした。今は平民だ。何言われてもいいが自分のせいでお嬢様がつらい思いするのは違うと思う。気に病んでいるところに伯爵様から来訪の希望の手紙が届いた。
手紙をいただいてから5日後伯爵家を訪問した。いつもにもましてお嬢様の顔色は悪く部屋の空気は淀んていた。
「ベッツイナー様、少し窓を開けましょうか。今日はとても良い天気ですよ」
「ダリアさん来てくれて嬉しい」
囁くような小さな声だった。伸ばされた手はさらに細く震えていた。
「お嬢様お薬をお持ちしました。あらダリアさんいらしたのですか」
ドアをノックしなる。ハンナが入ってきた。
「ハンナ!お嬢様の部屋に入るときはノックをして入室許可を受けてから入りなさいと言われているでしょ。それにお嬢様のお薬の時間は早くないですか」
側付きの侍女マナが小言を言う。
「うるさいわね。ちょっと早いだけじゃない。もうすぐエリザベーナ様が見えるから忙しいの」
「あなたはお嬢様の担当でしょ。エリザベーナ様よりお嬢様を優先しなければいけないでしょ」
「マナは口うるさい。ダリアさんは図々しいわね。お嬢様に下賤な人と言われたのに良くこれたわね。もうすぐエリザベーナ様が来るから早く帰った方が良いわよ」
勝ち誇ったような口調に驚いてしまう。
「もうハンナはお嬢様の部屋から出ていって。お薬よりお茶の準備をしたら」
「いえ今お薬飲んでいただきます。飲んだのを確認するのが仕事ですから」
言い張るハンナにダリア困惑する。
「失礼します。お茶をお持ちしました。お嬢様、ダリア様からお菓子をいただきました。お茶と一緒にお持ちしました」
ハンナを咎めるように執事はハンナに目を向ける。
「あとでちゃんと飲んでいただきますからね」
捨て台詞のような言葉を残して、慌ててハンナは部屋を出ていく。
「恥ずかしい所をお見せしました。ハンナは正規に侍女見習いをしていないので・・・エリザベーナ様や医師からぜひ側において欲しいとお願いされて旦那様が許したのです。最近は目に余ることが多くて困っています。お嬢様お薬飲む前にお菓子を食べますか」
マナに手伝ってもらいお嬢様は背中にクッションを置いてどうにか上半身を起こした。
「先にお薬飲むわ。美味しいお菓子はあとで」
薬草をそのまま磨り潰した青汁だ。大人でも嫌になってしまう。時間が経ったせいか2層に分離している。ダリアは何気に銀のスプーンで掻き混ぜた。銀のスプーンが真っ黒に変色した。
ダリアや侍女・執事は息をのんだ。薬に毒が入っている。
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