ダリアのお店は繁盛しています
ダリアの小さな洋服店は、それなりに庶民に受け入れられていった。隣に住んでいるリリアが見習いになった。マーサは、リリアを孫の様に可愛がり縫物や刺繍などを教え込んでいた。ダリアは 貴族淑女のたしなみの刺繍は苦手でだったがリリアと一緒に学んでいる。
実家では、ダリアの教育に手を掛けなかった。淑女教育は十分にされていない。結婚してから義母の手で教育されたがどうしても事務仕事や外向きの仕事が中心になった。ダリアは、リリアと学ぶ日常のいろいろのことが新鮮で楽しかった。
神殿の孤児院から12歳のマーガレットが下働きとしてやって来た。ダリアの今の仕事が出来るのは神殿の儀式がきっかけだった。10歳の神殿での儀式は、貧しい庶民でもそれなりの身支度をする。
早い子供は10歳から1見習いや下働きに出る子供がいる。親ができる最後の晴れ着なのだ。綺麗に着飾った同じ年の子供を羨ましく見ている孤児位の子供たちに出会った。ダリアは、洗礼の儀式前に孤児院の子供服を預かる。
「ちょこっときれいになーれ」
ダリアは言葉を紡ぐ。きれいになったリボンをスカートの裾に縫い付ける。レースとピンクや赤のリボンで小さな髪飾りを作る。髪飾りは髪に着けても良いし胸飾りにしてもいい。とても可愛い。体が大きくなっても良いようにワンピースの裾は折り返しをつける。男の子には、青い布で襟の縁取りをする。
いずれ孤児院を卒業しても持って出れるようにした。一枚ぐらいは自分の服を持たせてあげたいと思った。これはダリアの出来る神殿への寄進。
孤児は12歳で孤児院を卒業して独り立ちをしなければならない。マーガレットもその一人だった。10歳の儀式のときの服だけが、マーガレットの個人の服になった。年下の子供たちは、目をキラキラさせて自分の10歳を楽しみにした。孤児院から街に行く時や孤児院に偉い人が来る時に素敵な服を大切に着ていた。
マーガレットは、あと2年もしたら孤児院を出ることになる。孤児の仕事先は難しい。器量の良い子は、養子に出ていく子もいるけど飲み屋の下働きになれればよい方だ。文字の読み書きや簡単な計算ができれば良いのだがなかなかそこまでの教育ができない。
マーガレットは、神殿に来たダリアに自分の縫った雑巾をもって働きたいと言ってきた。足腰が衰えてきたマーサのためにも人を補充しようと思っていたので神殿長の了承を受け、ダリアたちの家に住み込みで働くことになった。マーガレットは、ダリアの作る服に魅せられた。
マーガレットは、マーサに習って炊事仕事を覚える。魔石コンロや水やお湯の出る厨房に驚いていた。一番驚いたのは綺麗で臭くないトイレとお風呂だった。リリアはマーガレットを妹の様に気にかけた。少しづつ字の読み書きを覚え計算を習う。知らないことを知ることの楽しさ知る。
ダリアとマーサとセバスで暮らす生活にすぐ馴染んでいった。
マーガレットは、まだまっすぐに縫うのも難しいが一生懸命頑張っている。
毎日どこかしら切り傷や針の刺し傷が出来る。リリアも最初の頃よく縫い針や刺繍針で指を刺した。しわ伸ばし器で火傷もしていた。ダリアは一日の終わりに、切り傷や手荒れなどを治していた。
「きれいにな~れ」
ダリア様はおとぎ話の聖女のようだとリリアとマーガレットは話していた。
マーサもセバスも、痛い腰や膝さえもダリアの「きれいにな~れ」でずいぶん楽になっていた。
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