ラザフォード家の没落の始まり 1
邪魔なダリアが自分から家を出ていく。大好きなミリーとの幸せな生活を夢見たのに今までの様な生活ができない。
朝ゆっくりミリーを抱きながら少し惰眠を貪る。ミリーの小鳥の様な明るい声を聴きながら朝食を食べる。美庭の花々を見てティータイムを愛しいミリーと過ごす。午後には友人たちと出かけたり夜は紳士クラブに出かける。
夜遅くなっても着飾った妻が「お帰りなさい。寂しかったわ」なんて言われる。そして夜は妻に愛を囁き妻に愛を囁かれる。
ダリアが出ていってすぐにミリーを迎え入れた。時間が無かったんだからミリーの素敵な部屋ができていない。ミリーよ泣かないでくれ。これから君のために素敵な部屋を作ろうと、ミリーを抱きしめた。
翌日から我が家は大改装になった。母やお祖母様のドレスは破棄する。代々使われた家具は倉庫に追いやられピンクや赤や黄色の安っぽい家具に変わった。二人の部屋は白い寝台にピンクの布団、カーテンは真っ赤、眠れるだろうか?
ドレスの仕立て屋が来てミリーのためのドレスを作る 10枚…20枚・・・何時着るんだ。君は妊娠中だろう。宝石商も来た。ラザフォード家の宝石をあげただろう。首は一つしかないのに何個買うんだ。
しばらくして請求書が送られてきた。それからが大変だった。母のギルドカードを名義変更して残高を見ればどうにか払える金額が残っていた。
「セバス、これからの収入予定はどうなってる?」
「・・・・・・・私には分かりません」
「‥…誰が分かる?」
「‥‥旦那様ではないですか?ラザフォード子爵を継がれているのですから。
私は大奥様から屋敷内の管理だけ任されていました」
「・・・母上が亡くなってから・・・ダリアか?」
「そうでございます。ダリア様が色々の取引や領地からの収入の管理をされておりました」
エリオットは、茫然としてしまった。執務室に残された帳簿や書類を見ていなかったのだ。ミリーは悪阻で体調が悪い。不機嫌で家の家政を預かるマーサと言い合いばかりしている。侍女や下働きが言うこと聞かないと不満ばかり言いだす。
マーサがミリーに嫌がらせをしていると、泣き出し始末に負えない。この際だ。女主人の指示に従えない古参の者は辞めてもらうことにした。セバスにマーサがいないと屋敷内が回らないと言われたがミリーの不機嫌は耐え難い。
ミリーは、マーサなどの古参の召使がいなくなり笑顔が増えた。妊娠のせいなのか食事より口当たりの良いお菓子を食べている。街の高級ケーキがお気に入りだ。侍女に毎日買いに行かせている。儚げなミリーはいなくなった。ぶくぶく太った。体がつらいとお風呂にも入らない。
当然、妖艶な夜のミリーもいなくなった。どこ行った!俺の理想の生活。
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