エリオットの運命の人
エリオットはダリアとなんか結婚したくなかった。男盛りの見目の良いエリオットは若い女性から妖艶な未亡人に声を掛けるより声を掛けられる。男友達も多い。
黒瞳・黒髪の貧相な18歳娘なんて彼の付き合う仲間に見せられない。エリオットは父の急死で急遽子爵位を継いだが実権は母が仕事を受け継いだ。エリオットにゆっくり教えている余裕がなかった。
経済的にも傾いていたので母親は奔走していた。もちろん後から知ったことだ。
急に母が結婚を決めてきた。俺には選択権はなかった。ダリアの持参金が今の家に必要だと言われた。納得は出来ないが仕方がなかった。
結婚しても妻とは思えず放って置いた。正式なお披露目をしてないので友人たちは知らない。
母はいつもダリアを側に置いた。ラザフォード家の仕事を一手に引き受けていたのでダリアを使っているようだった。ダリア自身もエリオットに関わってこない。
ダリアより良い令嬢を見つけて、ダリアを追い出そうと思っていた。ダリアはしがない新興成金男爵。今回の結婚だって断れなかったのだ。格上にはそれができる。簡単なことだと思っていた。母が領主の仕事を覚えろと言うが、今のところ母がいるから困ることはない。
執事のセバスがいるからいいんじゃないのと思っていた。結婚して3年目ごろから母がダリアを社交に連れ出すようになった。止してほしい。
僕は独身で通しているのに。それでも社交の中心は母だからダリアの事は知られていない。
そしてついに運命の女性に出会えた。同じ男爵の娘でもミリーは、旧家だ。
胸も大きい。俺がいなければ倒れてしまうほどに儚げな様子に一目ぼれだった。何度か逢瀬を楽しんだ。ミリーも僕も一目ぼれだ。そしてすぐに愛を確かめあった。
彼女の胸は、柔らかく感度もいい。最初は、恥ずかしがり初々しい。回を重ねれば、妖艶な女性になっていった。僕だけに見せる夜の顔に夢中になった。
母には遊びもほどほどにしなさいと言われた。絶対結婚してみせると固く決意した。
そんなことを言い争っているうちに、母が急な病で亡くなった。悲しみの中ミリーの妊娠がわかった。今だと思った。だって子供ができない女なんて子爵家にいらない。
王宮の春の宴の時、ミリーが行きたいとねだってきた。どうせ明日には離縁と結婚の届けを出すから良いと思った。まさかダリアが会場に来ていると思わなかった。春の宴の翌々日、屋敷に戻った。
セバスに書類を出したことを確認した。受領書を確認してダリアに出ていくように言おうと部屋に向かえばダリアは、もう屋敷を出ていた。
執務室は、整然と整理され関係書類は纏められ帳簿もきちんとギルドカードと共にそろえてあった。母から譲りうけただろう、宝飾品も目録と一緒に置いてあった。
セバスから、春の宴に行かれたが急に帰宅して徹夜で仕事の整理して出て行ったと伝えられた。俺たちの話を聞いていたんだ。
「出ていけ」と言わずに済んで良かった。これでミリーを迎えられると笑みが浮かんだ。運命の人に出会って、子供もできたから仕方ないんだ。
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