わたしを大切にしてくれない旦那様は こちらから願い下げです
新規作品です
よろしくお願いいたします
私ダリア25歳 貴族の端くれラザフォード子爵家の女主人。
この前までは、先代子爵夫人だった義母でした。2か月前に亡くなりました。
厳しい義母でしたが、何も知らないわたくしに、貴族の在り方から行儀作法言葉遣い。1から叩き込まれました。未熟なわたくしは、鍛えがいがあったのか、夫を亡くして意気消沈していた義母は、正反対の活気あふれる貴婦人となりました。そして、私の前に君臨していました。
今思えば、その力を自分の息子の教育にそそいでもらいたかった。
ダリアは、真っ黒な髪に真っ黒な瞳色白が唯一の慰めだと言われて育った男爵家の次女。父が小さな商会を営んでいたのでお金には苦労しなかった。
結構な持参金付きで望まれてラザフォードに嫁いできた。貴族の娘の義務は、縁をつないで実家を、婚家を栄えさせること。子供をなして、家の存続をつなぐこと。
分かっているけど理解できない。心が受け入れられない。だって私の旦那様は、婚約の時からこんな小娘!と言わんばかりな態度。贈り物などただ一度もない。パーティーのエスコートもない。当然ドレスを贈られることもない。
一応女の子だから少しは憧れもあったけどすぐに諦めた。愛が無くてもお互いを尊重して暮らす方法を模索することもできないダメ男。
それなのに外づらいいんだよね。実家の父の前でもそれなりだから父はまんまと騙された。私が結婚は嫌だと言っても、我儘と言われて話にならない。
格上の貴族からの婚姻だから断れないと父は、一度は結婚しろと言う。結婚してやりましょう。婚家も実家もまとめて、捨ててやりましょう。
貴族の生活なんて私には合わないし無理無理だから、長期計画で穏便に自立してやる。
そこで私は、ラザフォード家を穏便に出ていく方法を考えた。なんせ嫁いだのが18歳。結婚相手のエリオット様が28歳。男盛りのエリオット様がまだ胸も出ていない小娘に目も向けることは無い。
所詮傾いた子爵家を助けるための持参金欲しさだ。しがない成金男爵では結婚を断れない。
家に残って小姑になるわけにもいかず勧められるまま結婚となった。
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