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【完結】ネガティブ令嬢、今世こそ自分を愛します!  作者: らしか
第3章

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過保護 + 重い愛 = 溺愛

朝、私は緩やかな拘束感で目を覚ました。昨夜は遅くまでお酒を飲んだり歓談したりしていたので、まだ眠い。


「…ん」

いつもと違う、何かを感じながら、眠気のせいで重たい瞼をゆっくりと持ち上げた。ぼんやりとした視界に、黒いふわふわの物体が映る。昨日、前世の自分とお揃いだと言った、愛しい夫の髪だ。


「せ、れん…?なんで?」

「起こしてしまった?おはよう、ララ。なんで…って、なんでだろうねぇ?」

セレン様の意地悪げな笑みに、視界と思考がはっきりした。至近距離での美形に驚いて、慌てて起きあがろうとすると、セレン様は腕に力を入れて逃すまいとする。

私の体をすっぽりおさめているくらい、セレン様とは体格差がついてしまった。それを改めて実感して、なんとも複雑な心境となる。


「は、離してください…!」

「嫌だって言ったら?」 

「困りますっ!朝から供給過多で死に、ます…」


セレン様は、それはだめだよ、困ったなぁ、と笑って、いいことを思いついたとばかりに言う。

「2人きりの時に敬語を外して話してくれるなら、今離してあげてもいいよ?」

「えっ…」


今までずっと、最低限の敬語はいかなる時も外さずに話してきた。幼い頃からずっとそうだったし、公的な場で間違えてしまわないか不安だったからだ。それに、敬語を外して話すと前世の自分に近い話し方になってしまう気がして、それはあまりに令嬢らしくないため、避けてきた。


「どうしても…?」

「うん、どうしても」

私は、セレン様のすがるような顔にとことん弱い。そんな顔をされたら、私が折れるしかなくなるではないか。


「うぅっ…仕方がないですね。…2人きりの時だけ、だから、ね?」

ぱあっと華やいだセレン様の顔を見ていると、だんだんこの状況が恥ずかしくなってきて、拘束から逃れた私は掛け布団の中へと潜り込んだ。


「ちなみに、2人きりの時に間違えて敬語を使ったらおしおきだからね」

「そんなの聞いてませんっ!…ぁ」

間違えた、と思った時には、時すでに遅し。セレン様の手によって、隠れ(みの)を剥ぎ取られてしまった。もう、恥ずかしさで赤く染まっているであろう頬を隠すものは何もない。


「あーあ、早速おしおきだねぇ?」

「意地悪な顔してます!あれは聞かなかったことにしてくださいっ!」

「それは無理」


その言葉を最後に、私たちの口から意味のある言葉が紡がれることはなかった。なぜなら、息継ぎもままならない程に、甘い甘いおしおきを受けていたから。それが止んだのは、ふと時計を見て、朝食の時間に遅れそうだと気づいた時だった。



ヴェラには、今日は起こさなくてもいいと若旦那様から仰せつかっておりましたので、と言われ、朝食をとりに向かったダイニングルームでお義母様に、新婚だから今日は来られないかと思っていたのに、と笑われたのはまた別の話だ。





結局、セレン様の部屋に届けてもらった朝食を一緒にいただいて、ゆったりと1日を過ごすことにした。本当はアカデミーの登校日なのだが、普段は真面目に通っているので、たまのサボりくらいなら許されるだろうという目論見のもと、セレン様がもぎ取った休みである。



「セレン、お、おろしてほし…」

「だめ」

「足が痺れてしま…」

「鍛えているから大丈夫」

小1時間前からずっとこの調子だ。膝の上で横抱きにされ、腰に左腕を回されている。多少暴れても落ちることはない。下ろしてもらえない、と言っても本気で逃げようとすれば下りられるはずなので、この状況を私も受け入れているも同然なのだが。


「お忙しいのではなかったの、です…忙しかったのでは?」

「…まぁいいや。1日くらいなら大丈夫だよ。今日くらいはララと一緒に過ごしても誰にも文句は言わせないよ」

「そ、うなんです…ね」

やはり、長年の習慣というものは簡単には変えられない。努力はしてみるものの、どうしても丁寧語はついてしまう。


「ねぇ、さっきからわざと?」

「そんなわけ!…ないに決まって…」

「嘘だ」

もはや、おしおきはただの口実となり、その口実さえ意味をなさなくなっている。まだ昼食の時間にもなっていないというのに、今日だけで何度唇を奪われたのかわからない。最初のうちはこっそりと数えていたのだが、途中で諦めた。



しばらくして、私はセレン様の肩を叩いて発言したいという意志を主張した。それでようやくしっかりと息をすることができて、荒くなった呼吸を整えようとする。それでも、早くセレン様に一言抗議したいと思い、言葉を絞り出した。

「せれ、ちょっと…」

「ん?」


後頭部に手を回されて、まともに息継ぎもできないまま口付けを交わしていると、そのうち限界というものが来る。タイミングをみて息をするように意識していても。

「息が、続かない…の」


私の主張にセレン様は目を見張ってから、愛しげに私の髪をすく。

「あはは、ごめんね?」


セレン様は謝る気がさらさらなさそうに笑って、触れるだけの短いキスを唇に落とした。

幸せそうで何よりですね…

2人のイチャイチャは書いていると精神的ダメージを受けます(?)

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