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【完結】ネガティブ令嬢、今世こそ自分を愛します!  作者: らしか
第3章

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友人の結婚と恋愛事情

薄い紫色のドレスに身を包み、綺麗に結ってもらった髪が乱れないように注意しながら歩く。かつてこれほどまでに気合を入れて準備をしたことがあっただろうか。

なんといっても今日は、ベスビアナイト王国の第1王女殿下とグレシャム公爵令息の結婚式だ。


「緊張してるの?」

「それはもちろんです。参列者も多いですし、大切な友人のハレの日ですから」

「確かにね。でも、ララが主役になる日も来るんだから、参列くらいで緊張しないで」

ふわっと笑ったセレン様は、ね?とダメ押しする。そんなことをされたら、嫌でも意識してしまうではないか。もうっ、と抗議の視線を向けたら、あはは、と揶揄うように笑われた。



王都の中央、王宮の隣にある大聖堂。かつてこの場所に大天使リアネン様が降り立ったと言われている。礼拝堂への出入りは聖職者と王族のみに限定され、その他の貴族や平民は入ることができない。今日は特別に、チャペルの解放が行われ、参列者たちはバージンロードの両脇に設置されている長椅子に腰掛けている。


主役のおふたりの親族をはじめ、周辺各国の王族、ベスビアナイト王国の貴族が集まっているので、参列者はゆうに50人を超えているだろう。

セレン様と一旦別れてお父様たちに合流すると、1番前の列に国王夫妻と王太子殿下、グレシャム公爵夫妻とお祖父様を見つけた。他にも、王妃殿下のお父上であるウィルアイト公爵や、現宰相であられるヘリオドール公爵も見える。


オルガンがチャペル内に響いて、後方の大きな扉が開かれる。その奥には、本日の主役である王女殿下とグレシャム公爵令息。王女殿下がお召しの空色のドレスがグレシャム様の瞳の色に合わせられている上、グレシャム様のモーニングコートには差し色として同じ色が使われている。


わぁっと感嘆の声があちこちから上がり、皆がその美しい光景に目を奪われている。

グレシャム様が王女殿下の手を取り、ゆっくりとエスコートしながら歩みを進めていく。普段は王女然としたもの態度を心がけておられるようにみえる殿下も、今日ばかりはその緊張を解き、1人の幸せな花嫁として振る舞っておられる。


「それではご両人は誓いの言葉を」

証人と呼ばれる聖職者の言で、おふたりは誓いの言葉を紡いだ。


「私パンセ・グレシャムは、カロリーナ・ベスビアナイトを生涯唯一の伴侶とし、愛し助け合って生きていくことをここに誓います」

「私カロリーナ・ベスビアナイトは、パンセ・グレシャムと共に幸せな家庭を築き、支え合って生きていくことをここに誓います」


「誓いはリアネン様の元へ記されました。ご両人の輝かしい未来へ祝福の拍手を」

会場を包んだ拍手の中で、私も負けじと友人たちに大きな拍手を送った。




結婚式が終われば、そのままパーティーという流れになるのは自然である。


「お二方、本日は誠におめでとうございます」

「ありがとうございます」

セレン様の言葉と礼に合わせて、私も深々と礼をする。


王女殿下とグレシャム様への形式的な挨拶が終わると、私たち4人はいつも通りの雰囲気で話し始めた。

「とても素晴らしい式でしたね」

「殿下のこだわりが詰まった式でしたからね。誓いの言葉もギリギリまで悩んでいたようですよ」


やれやれとでも言いたげな口調で言ったグレシャム様だったが、そのように緩んだ顔で言われても全く説得力がない。

「もう、殿下じゃなくて名前で呼んでほしいって言っているのに…」

「…っあ。なんとなくまだ慣れなくて…」


照れてはにかんだ2人を微笑ましいと眺めていたら、思わずふふっと笑みがこぼれてしまった。

「失礼いたしました。相変わらず仲がよろしいようで何よりですわ」

「本当に、見ているこちらが照れてしまうほどですよ」


セレン様の言葉に、その通り、と同意の頷きを送ると、間髪入れずにお2人から鋭いツッコミが入る。

「あなたたち2人には言われたくありませんし、敵いませんけれどね?」

「全くもってその通りだよ。今日も見せつけておいて、ねぇ?」


確かに今日は私が緊張しているのを見かねて、いつになく手厚いエスコートをしてくださっているセレン様だが、「今日も」と言われるのは納得がいかない。セレン様も抗議したげだ。しかし、今は後ろも詰まっているので、一時休戦。



結婚式後のパーティーという名目とはいえ、主役のお2人への挨拶の後は普段の夜会とそう変わりはない。強いていうならば、自分も良い相手を!と意気込んでいる令息令嬢があちこちに見受けられるくらいか。人が多いところで目立ちたくはないし、セレン様は社交に忙しそうなので、私はいつものメンバーとゆったりとした時間を過ごす。

「今日は本当に招待客が多いですね。式には出ておられなかった方々も参加なさっているみたいですわ」

「そうですね。第1王女殿下のご結婚ですから、下手な規模ではできませんし」


会場をざっと見まわしただけでは、いるはずの両親を見つけられないほどの人数が集まっている。それでも、怪しい動きをしている人はどうしても目につくもので…


「…えっ」

「どうかなさいましたか?」

もしかしたら、見て見ぬふりをする方が良かったのかもしれない。しかし、動揺を声に出してしまった以上は仕方がない。


「あちらは…ジニア様のご婚約者様ですわ、よね…?」

私の視線の先には、見知らぬご令嬢と仲睦まじく腕を組む彼の姿があった。

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