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【完結】ネガティブ令嬢、今世こそ自分を愛します!  作者: らしか
第3章

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地位名声の正しい使い方

今話から第3章に突入しました。

ララが躍進し、真の天才令嬢となる過程をお楽しみください(*´˘`*)

「教育改革大作戦」を始めたのは中等部1年の時。もう6年と半年が経った。

ロザリンド伯爵領とカートレッタ侯爵領に建設された学校はもうすっかり軌道に乗り、続々とアカデミーへの進学者を輩出している。伯爵領の主要5都市に開校する計画も昨年達成した。


そして、子どもだけではなく大人にも文字の勉強をして欲しいという思いから、夜間の開講も始めた。鉱山の採掘が主な産業となっている都市では特に成果が上がっているみたいだ。夕方から夜にかけてやってくる親と一緒に子どもも来て自主勉強をする、なんて例もあるらしい。


「この通り順調に成果が上がっております。主要都市以外の地方へ進出する許可をいただけないでしょうか」

「そうだな、成果は認めよう。だが、地方で開校するメリットが分からんのだ。人数も少ないし、領の経済には大きく影響しないと思うのだが」

お父様のいうことももっともなのかもしれない。ロザリンド伯爵領には人口が5000人以下の小規模都市が50以上存在する。その全てにとは言わないが、せめて半分には開校したいという私の提案はかなり財政を圧迫するものだから。


「地方での識字率が上がるということは、地方に埋もれた有望な生徒を見つけ出すことができるということです。確かに効率は悪いかもしれませんが、たとえば、識字率が上がれば交易の際に荷の判別を文字でできるようになります。そうすれば輸送にかかる時間も大幅に短縮できますし、その分のコストも削減できますわ」

「なるほどな。確かにララの言っていることに一理はあるだろう。しかしそれだけではなんとも…」


お父様が渋るのも仕方がない。でも、私だってここで引き下がるわけにはいかない。

お父様を頼れないのなら、自分でなんとかするしかない。自分個人の資産と呼べるようなものはないし、毎年私に割り振られている私用費ではとてもじゃないが足りない。どうすればいいのだろうか。


しばらく考えて、ひとつの案に辿り着いた。


「わかりましたわ、お父様。私、自力で資金を準備致します」

「何をするつもりだ。まさか危険なことをするつもりじゃなかろうな!?」

「いいえ、正当な手段ですわ」

私は転生者。故に知っている。自分が持っている地位名声を利用してお金を集める方法を。



「ヴェラ、持ってきて欲しいものがあるのだけれど」

「はい、なんなりとお申し付けください」

「ありがとう。ロザリンド領の宝石産出量の記録と、私に届いているパーティーの手紙を持ってきて欲しいの」

「かしこまりました」


時間がかかる計画でも構わない。自分の目標を達成出来るのなら、努力は惜しまないつもりだから。


それからの私は時間を見つけては、書類とにらめっこをしたりパーティーへの参加に向けての準備に奔走したりした。


「お嬢様、クルコーリアはアメジストが出る鉱山ですが…」

「えぇ、でもタンザナイトも出るでしょう?」

「は、はい。とても少量ですが。タンザナイトなんてくず石をなぜご所望で?」

「理由は後で説明するわ。2ヶ月後までに一粒、大きな石でネックレスを作ってもらうことはできるかしら?」

私の従者である彼は不思議そうな顔をして了承した。確かにこの国の価値基準ではその反応が妥当だ。



近々開催されるパーティーの中で、3つ、規模の大きいものを選んだ。まだ1人でパーティーに参加する勇気はないので、ジニア様に付き添ってもらうことにした。セレン様に心配されていたこともあり、令嬢たちだけが集まる会を厳選して参加の返事を出す。

後々聞いた話だが、ジニア様によると「幻の天才令嬢から参加の返事をもらったと喜んでいる令嬢方がたくさん見受けられましたわ」とのことだ。そのように噂されるのはあまり好きではないが、今回の作戦的には話題を集めることができたということなので良しとする。


そしてあっという間に2ヶ月が経過した。



「お嬢様、タンザナイトの産出報告が上がってまいりました。こちらが報告書になります」

「ありがとう。そこに置いておいてもらえるかしら」

「こちらはパマダからの定期報告書です。ご確認お願いします」

「わかったわ。ありがとう」


私の直属として事業に関わっているのは10人を余裕で超える。その他にも学校で働いている教師役の人や校舎の管理を任せている用務員も合わせると40人という所だろうか。最初の頃と比べれば、随分と大所帯になったものだ。



「ララ様、そろそろパーティーのご準備の時間です」

「あら、もうそんな時間?休日が足りないわね…」

苦笑した私を見て、ヴェラも同じように笑う。アカデミーの授業はかなり少なくなったとはいえ、研究はここからが勝負どころだし、事業の件もある。忙しいのは仕方がないだろう。悔やむとしたら、セレン様と過ごす時間が少なくなっていることくらいだ。


「いつにも増してシンプルなドレスですが、本当にこちらでよろしいのですか?」

「えぇ、今日の主役はネックレスだから。最初のインパクトは大切でしょう」

今日は、大粒のタンザナイトを使ったネックレスを強調するために、首元まで白いレースがあしらわれた空色のドレス。髪もネックレスの邪魔にならないようにアップスタイルにする。


「さすがお嬢様!今日もお綺麗です…!」

「ありがとう。そう言ってもらえたら自信が湧くわ」

「それでは最後にこちらを」

ヴェラの手によって私の首にかけられたネックレス。前世は普通の女子中学生だった私からするとびっくりするくらいの値段だが、これも全ては計画のために。

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