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【完結】ネガティブ令嬢、今世こそ自分を愛します!  作者: らしか
第2章

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第2章完結記念SS 【日常】

今話はセレン・カートレッタ目線で進行します。

ララが15歳になる少し前のお話です。

目の前の男はニヤニヤと口元を緩ませ、僕の方を見つめてくる。僕は至って真面目な相談をしたというのに。そして、もう1人は何やら文句を言いたげだ。


「婚約者への誕生日プレゼントぉー?未だに婚約者が決まらない俺への当てつけですかぁー!?」

「まぁまぁ、落ち着いて。婚約者がいないのはエビネのせいじゃないから…」

「それは慰めではなくて、煽りだよね!?」


騒いでいるのがエビネ・ルアーラ、煽っているのがパンセ・グレシャムだ。どちらも僕の友人で、将来共に国を支える仲間。


「だいたい、ロザリンド様のことはセレンが1番よく分かっているのに、僕たちに聞くのが間違ってるし!」

「それは…確かにそうかもしれないな」

「ほらぁぁー!ニヤニヤしちゃってさ!僕の味方はいないってわけね!」

「恋愛はいいよ…大変なこともあるけど、幸せな気持ちになれるからね」


パンセはこういう時にすかさず火に油を注ぐ。普段は大人しいのに、鋭い刃で傷口を抉ってくるのだ。

「みんなして僕をいじめて…いいよ、僕も恋人作るもん!」

「エビネの子どもっぽさを許してくれる、包容力のある人じゃないとね。年上のお姉さんとかはどう?」

「僕、パンセみたいに尻に敷かれるのは嫌だ…」


エビネはボソッと言ったが、3人しかいないこの空間には十分すぎる声量だった。確かにパンセは王女殿下に手綱を握られている印象だが。


「いいんだよ、僕は。彼女は彼女で可愛いところがあるんだから」

「惚気だ…さらっと惚気を披露されたよ。ひどいっ!」

エビネの言葉に笑いが起きて、いつもと同じ、早く恋人が欲しい、という結論に着地する。



この国の結婚適齢期は16歳から20歳だ。20歳を超えると、残り物だなんだと言われ、大変な思いをするそうだ。ララという愛しい婚約者がいる僕には関係の無い話だが。

エビネは伯爵家の長男としてルアーラ家を継ぐ義務があるが、15歳の今でも婚約者がいない。

貴族の婚姻というのは、ほとんどが政略結婚だ。王女殿下とパンセのように自由恋愛による婚約もたまに聞く話だが、それは身分や政派の条件が満たされている場合にのみ認められるもの。かなりハードルが高いのだ。

その点、僕とララのように、元は政略的な関係だったものの、恋愛感情を抱き恋人同士となる者たちは一定数いる。

エビネの両親は、それなりの身分の令嬢なら誰でも構わない、と言っているそうだが、彼の性格に合う令嬢はなかなか見つからないという現実があるのだ。かなり子供っぽさがある一方で、ララやブランカ嬢によると可愛らしいという感想もあるそうなので、僕自身そこまで心配はしていない。


「パンセは16になったけれど結婚はしないの?」

「そうだね、まだかな。王族との結婚は色々と調整が必要なんだ。王太子殿下がお戻りになるまでは、王女殿下が臣下に下ることが難しいみたいだよ」

原則として女性である王女殿下に王位継承権はないというのに、面倒なしがらみが多いものだ。


「そっか…セレンとロザリンド様は、成人したらすぐに結婚するの?」

「そうしたい気持ちは山々だけれど、ララ次第、って所かな。外堀は着実に埋めているつもりだけどね」

「「あ、うん…」」


早く名実ともに僕のものにしてしまいたい気持ちはもちろんあるわけだけど、ララの意に沿わない形にはしたくないし、するつもりも無い。最近は少しずつ、僕の重たい愛が伝わってきていると思うのだが。


僕の手作りスイーツを美味しそうに食べる姿も、頬へのキスに耳まで真っ赤に染めて恥ずかしがる姿も、可愛くて、愛おしい。こんなに甘い生き物が存在していいのかと真剣に思うことすらある。

そんな笑顔や照れ顔を守れるのなら、なんだってする。



「そういえば、ブランカ嬢が『クララベル様が、カートレッタ様のあまーい攻撃で溶けてしまいそうになるので困る、と仰っておられましたわ!私まで溶けてしまいますわ!!』と興奮気味に話してましたね。セレン、ほどほどにしなよ?」



「って話をパンセから聞いたんだけど…」

「わ、忘れてくださいっ!あと、ちょっと近いですから…」

「正直に話さないなら、もっと近づいてもいいんだよ?」

ララの顎に手をかけると、さすがに観念したのか口を開いた。


「ジニア様がセレン様とどんなお話をするのか知りたいと仰ったので。い、いつもの会話を、そのままお伝えしただけですわ…甘くて溶けそうになっているのもいつもの事ですから。嘘は言っておりません、わ…」


上目遣いでそんなに可愛いことを言われたら、その唇を奪ってしまいたくなる。でも、母上にはせめて成人までは我慢しなさいと言われているし、自分でもその方がいいことは分かっている。分かっているのだが、誰にもバレやしないだろうという気持ちもある。


「…セレン?私が変なことを言ってしまいましたか?」

「あぁ、いや、なんでもないよ。可愛いなって思っただけ」

「そ、そういうところですっ!」

ララこそ、そういうところだ。

作者もニヤニヤしちゃいます(*´˘`*)

第3章も変わらず投稿していきますので、どうぞお付き合いください。よろしくお願いします!

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