表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】ネガティブ令嬢、今世こそ自分を愛します!  作者: らしか
第2章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

56/120

知らせ

カートレッタ侯爵邸でのパーティーが終わった1ヶ月後。王女殿下が個人的に開催されたお茶会で、ジニア様がパーティーでの件を一通り話した後、突拍子もないことを言い出した。

「さすが天才令嬢様、ということですね」


私を表しているであろう、天才令嬢という称号。少し前までは、元完璧令嬢という称号だったはずだ。

「天才令嬢、ですか…?」

「はい、クララベル様のことですわ。毅然(きぜん)とした対応、大事にしない心遣い、全てが素晴らしいと称賛されているのです。その上、元々貴族令嬢にして高等部Sクラスという偉業を達成した方ですから、天才令嬢、と言われるようになりましたの」


ジニア様がこの件を知っているということは、当然、お義母様やセレン様もご存じだろう。その上で何も言われなかったということは、対応は合格ということでいいはず。


「そうでしたか、皆様にそう言っていただけると嬉しいですわ」

「クララベル様は私の尊敬するお方ですからね!やっと社交界の皆さんにも分かっていただけたということです」

なぜかメイフェルがドヤ顔をして、王女殿下から指摘が入る。笑いが起きて、場は和む。やっぱり、私はこの3人が大好きだ。



「そういえば、クララベル嬢はもう招集のお話はご存知よね?お父様から発表もありましたし」

「陛下からですか?私は何もお聞きしておりませんわ。また何かあったのですか?」

「当の本人がまだ知らないだなんてそんなことがありまして!?」


王女殿下をはじめ、3人ともが「うそでしょう!?」という顔としているが、何のことだか全くわからない。少なくともお父様からは何も聞いていない。

お呼び出し、というと今年の3月の件を思い出す。南部のフレッド周辺で感染症が流行し、王宮からの緊急招集を受けたのだ。まだあれから4ヶ月ほどしか経っていないが、感染はかなりおちついてきたらしい。セレン様とルードラさんが見つけた治療法のおかげで、死者もそこまで多くないという。


「今の社交界はクララベル様の話題でもちきりですのよ。もめ事への対処は完璧、その上陛下から叙勲されるだなんて、天才令嬢と呼ぶほかありませんもの!」

「まぁ、落ち着いてくださいな。クララベル嬢が固まっていますわよ」

じょくん、というとあの叙勲だろうか。国に多大なる利益をもたらした人間に与えられるというこの上なく名誉な勲章を私なんかに?ありえない、いち貴族令嬢である私が頂けるようなものではない。そもそもそんなものを頂けるような功績がない。そうだ、これは何かの間違いだ。


「まぁ、叙勲だなんて、何かの間違いですわ。殿下、陛下からのお話というのは確かなのですか?」

「確かも何も、国民に向けて広く公表されましたから。1週間ほど前だったかしら…」

私はカートレッタ侯爵家でのパーティーが終わってからの1ヶ月間、アカデミーと伯爵邸の往復しかしていない。

研究発表の初回が近く開催されるということで、私たち5人は多忙を極めているのだ。高等部の先輩や先生方はもちろん、行政部や騎士団など、実に幅広い分野の人や重職の人が集まるので、下手なものは発表できない。

ゆえに、寝る間も惜しんで作業、という状況なのだ。

そのせいで社交界で私のことが話題になってるというのも知らなかったのだが…


「まさか叙勲だなんて…」

「何か不都合でもありますの?」

「あ、いえっ!とても名誉なことなのですが、私なんか叙勲を受けると目立ってしまうな、と思いまして...」

私の言葉に3人の時が止まり、再び動き出したかと思えば、同時に声を上げた。

「今更なにを...」「もう遅いですね!」「すでに目立ってますわよ!」

王女殿下、メイフェル、ジニア様の総ツッコミを受けて、今度は私の時が止まった。





「お父様、お話があります。お時間よろしいでしょうか?」

「あぁ、クララベルか。入りなさい」

帰宅してすぐ、自室に戻るよりも先にお父様の執務室を訪ねた。 叙勲について、お父様に詳しいことを聞く必要があったから。私への叙勲の件を、陛下のお側で仕えているお父様が知らないはずがない。その上、当事者の家には真っ先に知らせが届くはずだ。それなのに私が知らないということは、お父様が意図的に黙っていたということだ。


「お父様、私に何か隠しておられることはありませんか…?」

「王太子妃の打診の件か?ララとカートレッタ様は相思相愛だからとお断りしておいたが?」

「王太子妃!!私がですか!?」

「あぁ、陛下からどうだと打診があったんだ。年も離れているから、一か八かだったらしいが」

お父様の口からは、聞こうとしていたことの数倍とんでもない内容が飛び出したが、頭が痛くなりそうなので聞かなかったことにしよう。


「いえ、その件ではありません。私の叙勲についてですわ!お父様は当然、ご存知でしたよね?」

なんだ、その件か…という顔をしたお父様は、机の引き出しから、1通の信書を取り出した。赤い封蝋のついたそれは、疑いようもなく、王宮からのものだ。私は内容を確かめて、大きくため息をついた。一欠片の希望が打ち確かれた音がする。

「先の流行病収束に多大なる功績を残した者として叙勲する」という内容が、陛下の印とともに記されていた。間違いなく、私への叙勲の知らせだったのだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ