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【完結】ネガティブ令嬢、今世こそ自分を愛します!  作者: らしか
第1章

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例の令嬢

科目選択を終え、本格的に授業が始まった。主要教科はSクラスの5人で受けることになっているので、特に問題なく終わる。発言を求められることもないし、みんな優しい。授業の内容はかなり高度で、ついていくのに必死だけど、前世の知識を使えばなんとか…という感じだ。


「クララベル様、次は異国文化の授業ですよね!一緒に移動しませんか?」

選択科目は今日が初めて。どれくらいの人数がいるのかさえわからない。それに、選択科目は貴平問わない形式なので、毎年何かしらの問題が起きているんだとか。どうか私が参加するクラスでは何事も起こらないで欲しい。


アドベイラと2人でおそるおそる教室の扉を開くと、全員の視線が私たちに突き刺さった。一瞬時が止まったかのように静かになり、その後ざわざわし始めた。


この学校の制服は、貴平で違いはないものの、クラスごとにリボンやネクタイの色が違う。Sクラスから順に、紫、赤、青、黄色という具合だ。だから、その人の色を見れば、どのクラスに所属しているのかすぐにわかる。

「紫…Sクラスだわ!」

「Sクラスの女子生徒ということは、ロザリンド伯爵令嬢様とアドベイラさんね」


明らかに私たちのことを話しているのが聞こえるけれど、悪い内容ではなさそうなのでスルーする。アドベイラの隣に座り、授業の準備をしておく。決して周りの話に反応しない。余計なことに巻き込まれないためだ。


その後すぐに授業が始まり、特に問題が起こることもなく終わった。この世界の異国文化は興味深くて、これからの授業が楽しみだ。

そして次は教養の授業。これは私が1人で頑張らなくてはいけない時間だ。伯爵家序列1位のロザリンド伯爵家に喧嘩を売れるような家門はそう多くないし、セレン様のご友人が気にかけてくれるみたいだからきっと大丈夫。


「クララベル・ロザリンド伯爵令嬢様でしょうか?」

移動中、不意に金髪の男の子に声をかけられた。私と同じ、教養の教科書を持っている。


「は、はい。そうですが…」

「お初にお目にかかります、エビネ・ルアーラと申します。セレン・カートレッタの代理でロザリンド伯爵令嬢様の護衛に参りました」

ご、護衛って…大袈裟すぎない?

ともかく、このルアーラ様がセレン様のご友人で、私を見守ってくれるらしい。


「ル、アーラ様ですね、どうぞ気軽にクララベルとお呼びください」

「なりません、私もさすがにまだ死にたくはありませんので。ロザリンド様とお呼びさせていただきます」


…死?まぁ、呼びやすいように呼んでくれたらそれでいいけれど。


ルアーラ様のあとについて教室に入り、後ろの方の席についた。ただでさえ紫のリボンが目立つので、それ以外で目を引くことは避けたい。そう思っていても、絡まれてしまうのが私の運命のようで。授業終わり、クラス分け試験の時に声をかけてきた令嬢が近づいてきた。彼女はBクラスで、教養の授業をとっているらしい。


「お久しぶりですわ、ロザリンド伯爵令嬢様。まぁ、Sクラスに所属しておられるのですか?いったいどのような手を使われたのかしら」

「…っ」


明らかな侮辱だけど、言い返す勇気と度胸はない。前回と同じように、黙ってやり過ごそう。それが1番楽で、私以外が傷つかない方法だ。


「ロザリンド様、セレン様が教室でお待ちですので。ここはお任せください」

令嬢の背後に現れたルアーラ様は、セレン様が時折見せる黒い笑顔と同じ笑顔で、穏やかに告げた。この笑顔には、私に強制する不思議な力がある。大人しく従った。


「失礼致します」

難癖をつけられないよう、丁寧に淑女の礼をして立ち去る。本当にセレン様が教室で待っているかは分からないけれど、Sクラスなら安全だ。


Sクラスまでの廊下、無意識に早歩きになる。貴族令嬢として相応しくない行動だと分かっていても、追いかけてくる恐怖から早く逃げたくてどうにもならない。はやく、早く、早く教室まで!

バンッと音が鳴るくらい少し乱暴に扉を開けると、Sクラスのみんなが勢揃いしていた。安心して床にへなっと座り込んだ私に、みんなが一斉に駆け寄ってくる。

「ララ!?何があったのですか?こんなに震えて…とりあえずイスに座ってください」


セレン様がジャケットをかけてくれて、アドベイラさんが冷えた手を温めてくれた。ジュリオさんは慌てて先生を呼びに行ってくれて、ルードラさんは開いていた窓を閉めてくれた。

「す、すみません、ありがとうございます…」

倒れたり座り込んだり、みんなに迷惑をかけてばかり。甘えすぎている。

セレン様がハグをしてくれて、落ち着くように背中を優しくさすってくれた。みんなの前で恥ずかしいのだけれど、そんなことは言えるはずがない。でも、おかげでさっきの一件に占領されていた頭が、少しずつ動き始めた。


ジュリオさんが先生を連れて帰ってきた後には、すぐに侯爵家の馬車に乗って帰宅する。セレン様は伯爵邸に着くまでずっと隣で手を握ってくれた。

「事情はエビネに聞けばわかりますよね?今日はゆっくり休んでください。明日の朝、様子を見にきます」


何から何まで、セレン様には頭が上がらない。こんな婚約者で、煩わしいと思っているかもしれないけれど、私はセレン様がいない世界では生きていけないと思うくらいに頼っている。


あぁ、明日は登校したくない。

作者的にも心苦しい展開が続いておりますが、もうしばらくお付き合いください…

あと数話先がセレン様の激甘回になる予定です、多分…

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