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この変態は何者?


『ち、違うよ!』

「じゃ、魔導士?」

『否定!』

「悪魔?」

『ノー!』

「疫病神?」

『ではない!』

「女の下着で恍惚してしまう変態?」

『なんでやねーん!』


 ハルトはどんな状況でもツッコミは忘れなった。


「頭から語り掛けてくる時点で人間扱いは無理だっちゃ」

『だから違うから!』


 出会いが出会いなだけに、人外でもあながち間違っていない。

 しかし、尋問するような時間は無いので、ヴァージニアもそこら辺は改めて問いただすつもりもなかった。


「じゃ、何なんだっちゃ?」

『原理は分からないけど、君を動かす事が出来たんだ』

「はぁ、悪夢の中にいる気分だっちゃ……」


 口を動かしながらも、じりじりと敵の間合いに入らないように場所移動を繰り返す。


『一つだけ言えるのは、これで隊長さんを目の前で見殺しにしなくて済むという事だよ』

「どういう事だっちゃ?」

『こういうこと!』


 ヴァージニアは低くかがんで、「うわぁぁぁぁ! また、体が勝手にぃ!」隙を突いた敵の背後からのひと突きをやり過ごす。

 そのまま横っ跳びして転がり、数度の矢と斬撃をなんなく躱しながら剣を回収した。

 続けて直ぐ様、攻撃を対処しやすくする為に一時大岩に背中を預ける。


 この一連の動作は全てハルトが操作したものだ。

 ディスプレイで全方位を把握しているので造作もないことだった。


「奴らの連携を封じたのか?」

『そう、全方向から攻撃されるより、一対多数の場合こちらの方が防げる』

「でも、追い詰められている様にしか見えないっちゃ……」

『確かに……。通常なら一方的に蹂躙だよ。でも、この剣なら対応出来る。こういう風に!』

 

 間合いに入った敵達と矢を一斉に薙ぎ払う。

 油断して初撃を食らった一匹は露出部位だったのが幸いして胴を切り離す事に成功した。

 

「偶然?」

『一応は狙ったよ。ゲームみたくコンボは無理だったけど……。でも、まずはスコア1』

「お前が言うと楽に聞こえるっちゃ」

『いやいや、気分は初心者救済システム無しの激ムズレトロゲーだよ。今回は幸運にも似たような武器を使用した事があるから攻略法を知っていたってだけ』

「変態語で喋るなっちゃ! 分からん」

『うーんと、要は油断出来ないって事かな』


 当然ながら残機は勿論、チュートリアルやオープニングデモもない。

 せめてリセットとポーズは欲しいなと呟く。

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